『ローゼンメイデン』PEACH-PIT/週刊ヤングジャンプ連載中
待ちに待っていました、2巻です。
メールの返信に揺さぶられて新たなドールを組み立て始める「まかなかった世界」のジュンと、噛み合わないメールの返事に不安を感じる「まいた世界」のジュン。真紅、水銀燈それぞれの思惑。
『Rozen Maiden』にも言えることですが、[ローゼンメイデン]たちがメインの物語と併発するリアリティに溢れた[ジュン]側の物語も面白いです。
一般的にドラえもんに代表されるような、主人公の元に非現実的な存在が登場するタイプの漫画作品では、時に主人公が非現実的存在の力を借りながらも成長したり、大事なことに気付かされたりするタイプのものが多いように思いますが、『Rozen Maiden』の場合は真紅たちもジュンも違った事情を抱えて苦しんでいて、むしろ特殊な力等はないままのジュンが真紅たちを大事に想い護ろうとすることで気付き、自分自身も成長していくというやや珍しいタイプの作品なのではないかな、と思います。
「ローゼンメイデン」の方はまた少し違い、(今後どう動いていくかは別として)こちらの世界のジュンは真紅たちと過ごした時間も短く、実際の真紅の想いは兎も角ジュン自身は自分に真紅の目線が向けられているとは思っていないため絆が特に深いわけではありませんし、雪華綺晶の襲撃に遭っている真紅たちを目の当たりにしても意識はほとんど「舞台」に向いています。あの状況において主人公級の2人の意識がまったく違う向きなのは面白いところでもあります。それでもジュンが自分がドールを組み立てたことに責任を感じ、真紅に「自分にできること」を教えてくれと申し出ることに成長を感じます。そこから繋がっていく絆、というのもあるのではないかなと今後の展開に期待しております。
得体が知れなかった雪華綺晶の胸のうちもここに来て初めて明かされました。ローザミスティカを求め合う姉妹達とは別の意味で、彼女も絶望的な寂しさに支配されている哀しさ。これまでの所業は目に余るものがあるけれど、救いがあってほしいと願います。
非常にシリアスな展開だったのに、最後に鞄に乗って馬鹿がき…いや!とってもヒーロー的なタイミングで翠星石見参。流石だ…「ゲホッ…です!」に笑っちゃいました。それまでの空気に反して、なんだか希望が見えてきた気がするから不思議ですよねー。
個人的に2巻でいちばん印象が強かったのは「めぐを返しなさい」です。水銀燈のめぐへの想いの強さはそれだけで泣ける。
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