『月光条例』藤田和日郎/週刊少年サンデー連載中
6巻のメインは、“赤ずきんちゃん”の物語。
今回の赤ずきんちゃんは今までの月打によって現れたキャラクター達とは違い、定められたターゲットの人間だけを殺しにやってきます。その理由とは。


初めての「ものがたり」と「読み手」を繋げた復習劇。これまでの物語のキャラクターたちは、自分の物語自体に不満がある場合が殆どでした。しかし赤ずきんは物語においての憂さではなくもっと根本的の…その為に自分が存在していると言っても過言ではない、本の前にいた「読み手」を想っての行動。
綺麗な事だけでは終わらないけれど、皆が幸せになる話の纏め方はさすがとしか言いようがありません。ものがたりの登場人物たちは読み手のことを忘れないし、読み手たちは大人になることで、子どもたちに伝えることができる。それが当たり前のことであれば尚いい。
何よりも素晴らしいと思ったのは、あくまで”赤ずきんちゃん”のキャラクタが”少女”であるところです。登場直後の表情はわたしたちが知っている”赤ずきんちゃん”とは結びつかないような狂気に満ちたものですが、真実を知った赤ずきんちゃんのほっこりした笑顔とたったひとつの可愛い欲望は”少女”そのものでした。
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赤ずきんちゃんは元々好きなモチーフなこともあり、今回のエピソードは何度読み返しても涙が出てくる大好きなエピソードになりました。赤ずきんちゃんの脳内CVは大谷育江さんです。…などとわけのわからないことで一人もりあがるササナミ(AA略


月光は巻数を増すごとに男を上げていきますね。こんなに重みのある土下座を見たのは久しぶりだ。タイミングが良いってのはヒーローの条件ですよね。万人には理解されなくとも、分かる人には分かる筋の通ったヤツってのは見ていて清々しいものです。



過去エントリ
『月光条例』5巻 - 漫画脳
生きたおとぎばなし 『月光条例』1-4巻 - 漫画脳