『幻仔譚じゃのめ』梅田阿比/週刊少年チャンピオン連載中
4巻発売日に3巻感想をあげるとかね!なんたるどんくささ。


2巻から続く、春兎の過去から続く因縁に纏わるお話と単話完結の物語がメインの3巻。
愛する飼い主であった老夫婦の仇を討つために化け物兎となった春兎。その仇である男も春兎の復讐により炎のバケモノ「烟窠」となっていました。朝灯ちゃんと巴さんは捕えられ、朝灯ちゃんは消えない炎「トワノヒ」の餌食に。2人を助けるために自分を殺せと叫ぶ春兎ですが…。
春兎の決意を聞いて、邑君は一度は春兎が犠牲になることで助かるのなら…というあきらめの気持ちを抱きますが、自分が犠牲になりながらも春兎を思いやる朝灯ちゃんの叫びによって考えを改めていきます。新しい家族、朝灯ちゃんの存在によって徐々に変わってきていた邑君ですが今回のことが邑君の中で眠っていた感情を呼び覚ます決定的なきっかけになっていたのではないか、と思います。その決意の強さが、すべて終わった後に見せた涙にも繋がっていると思うと感慨深いものがあります。


単話完結のお話では「翼とユートピア」がお気に入り。というか、鬼っ娘さんがかわゆい。かわゆい。かわゆすぎる。
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本当に怖いぜ…おっかないんじゃない、可愛すぎて怖いんだ!!
この鬼っ娘の再登場及びレギュラー化を所望いたします。「じゃのめ」は人以外の存在が絡んだやさしいお話がどれも素敵なので本編の物語以外にも度々挟んでくれるのが嬉しいところです。


ただ少し残念なのは、烟窠編が少々間延びした展開に感じてしまったことと、ひとつひとつのエピソードの終わりと次のエピソードの開始が唐突に感じてしまうこと。特に烟窠編から次の話が始まる間には空白ページを挟んでくれるくらいでもよかったのではないかな…と思います。そこは単行本の編集的な問題なのですが。
後半ではとうとう邑君の生い立ちの秘密が語られ、新キャラも登場します。複雑な家庭環境ですが、率直に言うといちいちエロいなあここの一族は…


過去エントリ
妖しく美しい御伽噺 『幻仔譚じゃのめ』1巻
やさしくないと、乗り越えられない。やさしいだけでも、敵わない。 『幻仔譚じゃのめ』2巻