『M.F.C 女泥棒会社峰不二子カンパニー』原作 モンキー・パンチ 作画 鈴木イゾ/ルパン三世officialマガジン連載
わたしの漫画との出逢いには「職場の返品箱から発掘」というパターンがありまして(笑)この漫画も返品寸前のところ表紙が気になってつい手に取ってしまったのが出逢いのきっかけです。『ルパン三世officialマガジン』に連載されていたというれっきとした公式スピンオフですが、内容は殆ど本家『ルパン』と関係ありませんのであしからず。
就職不況を乗り越え、ついにとある会社に勤めることになった主人公・山田幸子(19)。しかしこの会社…「MFC」は、実は伝説の女泥棒「峰不二子」社長が趣味(?)で立ち上げた会社で、裏に“女泥棒会社”としての顔を持っていました。とんでもない会社に入ってしまったと困惑しながらも、超個性的な先輩たちにアレヨアレヨと乗せられるように山田の泥棒稼業の日々が始まります。
わたしが表紙に惹かれた一番の理由は山田のその目付きに尽きます。
三白眼っ娘ばんざい!三白眼ですさまじく目付きが悪い山田は悪党たちにまで「人殺しの目」と恐れられます。本当は甘いもの大好きで少々ヘタレの普通~な娘なのに!しかしいざというときに肝がすわっているというか、火事場のバカ力を発揮するタイプで先輩たちからも一目置かれるようになります。
山田と一緒に現場に立つのは、超美人だけどコスプレマニアで二次ショタコンな小林先輩(26)と、格闘技マニアで強い奴と見るといてもたってもいられない性格の鈴木先輩(22)。さらに現場に指示を出す渡辺課長(28)は派手なマンガ的演出を好む性格で不二子社長とは衝突ばかりしている…と皆美人さんなのに非常に濃ゆいキャラばかり。それでも決めるところは決めてはずすところははずす憎めない人たちばかりで、MFCは裏の稼業だというのに常に笑顔が絶えません。
先述の通り『ルパン』らしさは皆無に近く、不二子社長以外にルパン達の登場はなし。不二子社長も元のキャラよりだいぶ柔らかく感じます。ということもあってこの作品は『ルパン三世』ファンのためのものというよりは普通のオリジナル漫画として楽しむ方が正解なような気がします。盗みのシーンやアクション面に重きを置いているとも思えない上に物語らしい物語があるわけでもなく、キャラクタの成長が描写されることも少ないのでどうしても軽い作品であることは否めないのですが、上下2巻完結でサクッと読みきれることも含めてそこが良いところなのではないかな、と。
変な人ばっかりで時にマヌケだったりボロボロになったり、キレイな面ばかりじゃないところがかえって魅力に感じます。大人の女性がジタバタしてる可愛さ、っていうのかな。特に下巻の表紙の3人の絵が良いんですよ。傷だらけになりながらも満面の笑顔で。もがくのを止めない白鳥は美しいです。女子たくさんコメディでなおかつ恋愛っ気がまったくないっていうのも良いもんですよ~。連載誌を考えても、ルパンファン以外に知られるきっかけが殆ど無さそうというのが皮肉ではありますが、たまたま出逢えて十分に楽しませて頂きました。
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