『新テニスの王子様』許斐剛/ジャンプスクエア連載中
中学生マッチに敗れたメンバーが連れてこられたのは崖の前。そしてそこに待ち受けていたのは齋藤コーチ。彼らが”脱落”したことは事実としつつも、齋藤コーチはこう告げました。
「勝ち残った方と差を広げられたくないと思った方のみ
この崖を登ってみてはいかがでしょうか」
・・・すごい。すごくないですかこの台詞。絶対に普通に生きているうちに使いっこない言いまわしですよ。「この崖を登ってみてはいかがでしょうか」って。たった一言でそう思わせるこのセンスに今月はのっけから痺れました。


一度は脱落してここに辿り着いたものの、当然ここに集まったメンバーは負けず嫌いばかり。先の試合で敗れた選手達にリョーマ・金太郎、そして何故かユウジと財前を加えたメンバー達は崖を登り始めます。…結局、リョーマと金太郎って負け扱いになってたんだな…まあ当然ですかね、試合中に勝手な行動をとったわけですし。にしてもユウジと財前…いえ、深くは強くは突っ込みませんよ。ユウ君の「流れや」が全てを物語っています。ていうか、コーチ側も特に止めないんですね><選ばれしメンバーなのかと思いきや意外と飛び入り歓迎でした。


崖を登る最中にも各所で様々なドラマが生まれます。特に手首を負傷している桃城と、その桃城を背負って行く道を選ぶ海堂のやりとりは青春そのものです。やはりこの2人はテニプリ屈指の名ライバルですね。
しかし桃城を背負ったまま崖を登るのは非常に苦しいこと。あわや2人揃って落下寸前という状態で救いの手を差し伸べたのは、なんと…
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仁王が跡部様になりすまし、樺地を動かしたのでした。
仁王がこうやって機転をきかせて他校の生徒を助けるというのも意外ですが、ていうか…いいのか樺地はそれで?!あと周囲から感謝を受けているのは仁王ですが、ここはどう考えたって樺地に感謝すべきではないでしょうか…。


いつの間にか敗者組のメンバーは学校も関係なく結束を強くし、全員で崖を登りきることを誓います。感動的です。でもいきなり「1人の取りこぼしも許さん!!」などと言い出す真田副部長は天性の仕切り屋のような予感がしてきました。ぜったいに一緒に鍋をかこみたくないタイプ。
そしてこんな状況で完璧なまでのヒロインポジションをゲットしている小春…(笑)許斐先生、小春のことはかなりお気に入りみたいですよね。


負け組チームが見据えた先、崖の頂上では「裏コーチ」三船入道コーチによる過酷な訓練が行われていました。そこには1巻の冒頭で姿を消した高校生・佐々部順一の姿も。おそらく他の高校生達も第1話のボールキャッチにて振るい落とされた選手たちでしょう。
「裏コーチ」ってなんだそれは、というのは置いといてそこに辿り着いたのは逆境も楽しんでみせるようなこのメンバー。盛り上がってまいりました…が、勝ち残った組よりこちら側がメインで進行していくのでしょうか?リョーマもこちらにいるわけですし…今後の展開に期待です。
余談ですが負け組+リョーマたち+ユウ君&財前の中でどうしても東方さんだけが見つけられませんでした。ああ…今後東方さんに見せ場はやってくるのだろうか…。


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『ペアプリ vol.1』もSQと一緒に購入してきました。

跡部・真田をフィーチャリングしたキャラクターガイド。薄いけどお値段はコミックスと同じです。しかし描き下ろしカラーコミックにその他ページの隅々までネタづくしでよく作りこんでるなあ、と思います。


各キャラの私生活を覗くカラーコミック『プライベートの王子様』跡部様編はその完璧すぎるオチに何度見ても笑いが止まりません。もうこれは生半可な気持ちでは突っ込んではいけないレベルの高尚なオチ。

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真田編は普段では見られない一面が見られて面白かったです。おじさんといわれるのはさすがに抵抗があるのですねwにしても甥っ子の佐助君がかわいすぎ。がっくん似ですね。着ているTシャツが特定保健用用食品マークなのがポイント高いです。なぜこの柄にした…。


他にも「異名」から読み解くキャラクター分析や高校生のプロフィール、声優さんインタビュー、選抜外メンバーの今…などなど薄いながらも盛りだくさんの内容です。異名特集、有名人の異名リストで他はスポーツ選手やプロレスラー、F1選手といった面々の中「浪花のモーツァルト キダ・タロー」だけが異様に浮いているのが気になります。「浪速のスピードスター」との対比のためかもしれませんが・・・。
それから鬼さんの趣味が「子ども達への贈り物用のあみぐるみ」ってやだ・・・かわいい・・・。そしてやさしい…。「子ども達」ってなんでしょうね、孤児院とかに通っていそうなイメージ。まさかこの年にして子どもがいるわけじゃあないですよね…。因みに特に意図はないとは思いますがSCRIPTの佐々木收さんと誕生日が同じ。


5ヶ月連続刊行ということでこれから暫くテニプリ感想は2本立てでお送りする予定です。


前号感想
『新テニスの王子様』Golden age14 戦いの序章/Golden age15 勝者続々/Golden age16 勝者、そして敗者……
過去・関連エントリ
まだわたし達は許斐先生の本気を見ていなかった…! 『新テニスの王子様』1巻
許斐剛先生のデビューCDを買ってきたよ!あとみんなSCRIPTを聴けばいいよ!