『魔法の料理かおすキッチン』服部昇大/ジャンプSQ連載(後半はWEB連載)
当初の予定通り、SQ本誌からWEB移籍後コミックス3巻分までで連載終了となりました。カオスという言葉が氾濫する現代社会(?)において、どこへ出しても恥ずかしくないほどの真のカオスと呼べる作品だったと思います。
主人公は(一応)正義の味方であるかおすキッチンの2人のはずですがどんどん牛野さんこと牛型魔人ビーフネスさんがヒロイン化していったような気がします。ヒロイン化…といっても世間一般的なキラキラヒロインというわけではなくて、悪の組織のダメっぷりやかおすキッチンの鬼畜ぶりとの板ばさみに苦労する姿がどんどん愛おしく感じてくるという意味で。ラムラの執事・ラムネスとの爛れた関係からも目が離せませんでした。ラムネスの駄目っぷりと、ときめきを上回る成り行き任せ感がたまらないです。ビターすぎる。ラブ要素すら一筋縄じゃないぜ!
昭和レトロ少女漫画風な絵柄が特徴の『かおすキッチン』ですが、小ネタの数々も昭和に生を受けた者にはたまらないものが多いです。ただこの面白さが若人に通じているのかどうかが気がかりで。もっと対象年齢層が高い雑誌のほうがウケたのかなあ…とか、今更、それも自分が考えても仕方ないことなんですが考えてしまいます。この漫画を面白いと思う人は絶対に少なくないはずだと思うんですよ(確実に人は選ぶけれど)。そういう人に知られないままだと悔しい。料理の神×2の面白さとか半端じゃないですよ?これ。
どうでもいいんですが、この記事のタイトルは昭和感を出そうとして何か失敗した気がします。昔懐かしい要素を出したからといって、それを面白くするってのは難しいことですよ。そういう意味でも凄い漫画です。
女子キャラも可愛い子たちばかりなのに殺戮・生ゴミ食・パンツ被りなど容赦知らずなヨゴレ仕事のこなしっぷりがいっそ清々しいほど。でも最終回は綺麗に纏まっていて、各キャラのいいところが出ていて良かったなあと。こっちも泣きそうにはなったのですが、そこはそれで、息をつくヒマのない詰め込みっぷりに泣くヒマなんて与えてくれないのが『かおすキッチン』です。
そしてラムラはやっぱり可愛いなあ。うんうん。最終ひつじ魔法はタン・フー・ルー先生の再来かと思いました。
連載当初に比べて血生臭さはなりを潜めたものの、ウェブ移行後のさらなるはっちゃけ感がまた面白かったので、3巻で終了してしまったのは本当に残念です。因みに見た瞬間噴いた3巻誌上最高と思うコマはこれでした。
すごいコマだと思う。
この漫画を一言で表すと当然の如く「カオス」ですが、さらに言うなら「全力で度が過ぎてる」漫画だと思います。そのやりすぎ加減が大好きなので、服部先生にはこれからも小さくまとまらない漫画を描いて欲しいなあと個人的には思っております。一先ずお疲れ様でした!次回作を楽しみに待とうと思います。
過去エントリ
捌いて、おろして、いただきます(命を) 『魔法の料理かおすキッチン』1-2巻 - 漫画脳
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