『よつばと!』あずまきよひこ/コミック電撃大王連載中
雨上がりの晴れやかさが素晴らしく美しい表紙の9巻出ましたー!こどもにとってカサって全力でおもしろアイテムですよねえ。


9巻では、よつばに新しい相棒が!
その名は「ジュラルミン」。テディベアの名前です。(よつば曰く、「ベリーゲラ」。)
えなちゃんのテディベアでよく遊んでいたよつばですが、ついに自分のテディベアを買ってもらったのです。ちみっことヌイグルミ。ありふれた組み合わせと言えばそれまでですが、お店での出逢いから寝るときまで一緒、どこへ行くのも一緒、という日々を通してかけがえのない「相棒」になっていく描写を見られるのがとても幸せです。いつだって全力で楽しんでいるよつばの生活と毎日の発見は、ジュラルミンと共に過ごすことでより大切で楽しいものになっていくことでしょうね。
それにしてもよつばとジュラルミンの出逢いはまさに運命的。脳内BGMは「目が逢う瞬間(とき)」by如月千早でしたよもう!


さて、ノリの良い大人たちに囲まれてたのしく過ごすよつばですが、個人的にとても印象的だったのが「よつばとやきにく」の回です。
とーちゃん・ジャンボ・やんだと焼肉屋さんに来たよつば。焼肉食べて会話するだけなのにこの回が異常に面白かったのですよ。
基本的に、よつばといるときは大人たちもよつばに合わせて会話することが殆どです。
勿論大人同士の会話もするのですが、会話の中心にはよつばがいる感じ(少なくとも描かれている範囲内では)。だけどこの回は焼肉屋という場のせいか大人たちペースで会話が進んでいくのが面白いんです。やんだの生活ぶりとか、共通の友人(?)の結婚とか、果てはやんだの元彼女?の話題まで出てきます。普段ジャンボがあさぎを気にしているなどの描写はあるものの、あまり『よつばと!』でこういった「大人側」の生々しい話題が出てくることがなかったので異常にドキドキしてしまいました。
そういうときによつばがどうしているかというと、もくもくとお肉を食べていたりします。会話の内容は全然理解していないけど、「バナナジュース」とか「ハゲ」とか自分が好きだったり面白いと思う単語には反応してくるところが可愛いです。ちょこちょこと行動を起こしてはいますが、普段みたいに「中心」ではない。普段の『よつばと!』はそのタイトルの通りよつばと、共に遊んだり楽しんだりするのがお話の主軸ですがこの回は「大人たちの場にいる」よつばが見られるという意味で貴重な回だと思うのです。

そんな流れで際立っているのがジャンボのやさしさでした。
3人の大人たち中心の会話の流れになっているときに、よつばを中心の場に戻すのが必ずジャンボなんですよ。
やんだの食生活からとーちゃんの食生活の話題、そこからよつばの好きなものを聞く流れ。
あさぎの話からやんだの元彼女話、なぜかヒートアップするとーちゃんとやんだを遮るようにジュラルミンの話題へ持っていく流れ。
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ジャンボはものすごくよつばのことを気にかけてるなあ、と思いました。こういう意味ではとーちゃんはよつばをいちいち持ち上げるタイプではないので、ジャンボのやさしさっていうのはよつばを自由に、でも良い子に育んでいる要素のひとつなのではないかなあ。と。
一方のやんだです。だめですねこの男は。(愛を込めて)
やんだはよつばに数々の悪事をはたらいてきたのでかなりの勢いで敵視されているのに自分ではそんなによつばに嫌われていると思っていなさそうなところがダメです。よつばの攻撃と敵意に本気で「なんで?」と思っていそうなところが。そこがいいんですけれども。
会話の流れにおいても、よつばを気にせずどんどんフツーな話題を持ってきてるのはやんだです。悪気は全然無いんでしょうけれど、こども(よつば)との接し方がうまいキャラが殆どの『よつばと!』で圧倒的に空気が読めないのがやんだ。でも多分自分では結構よつばと仲良くやっていると思っているっぽいのが何ともいえず可笑しい。
やさしくて気遣いのあるジャンボと、無神経だけど好意的なやんだと、わざわざ気を遣わなくてもよつばに相槌入れたりツッコミ入れたりするタイミングの絶妙さが流石のとーちゃん。
いやあ、こどもも面白いけど大人も面白いわ、よつばと!。


なんだか今回は男衆の話題でヒートアップしてしまいましたが(なにやってるんだか)、今日もよつばはかわいいのです。そしてえなちゃんかわいい。えなちゃんはいい子。聡明で、でもノリがよくてこんないい子が娘にほしいです…。綾瀬三姉妹にそうじとかしてもらってるとーちゃんがにくい。
色々と現実であってもよつばがいると癒されます。よつばの全力にありがとう。



過去エントリ
パウンドケーキが食べたくなった よつばと! 8巻/あずまきよひこ - 漫画脳
よつばと!8巻追加感想 - 漫画脳
追加感想のほうがちゃんとした感想書いてる気がします。
1巻から書くって言って結局できていない…。