『みつどもえ』桜井のりお/週刊少年チャンピオン連載中
祝!!アニメ化!!!
まだか…いやでもチャンピオンだし…という紳士淑女のジリジリとした思惑を乗せて、ついに『みつどもえ』のTVアニメ化が発表されました。めでたい!!そんなこともあって、久々に単行本感想を書こうと思います。というか、全体的にチャンピオンコミックスの感想をサボっていたのでちょっと真面目に書こうと思っています…。
『みつどもえ』は滲み出るエロスやシモのネタに注目されがちですが、そればかりではない…その視点なしにでも十分に楽しめる漫画だということがもっと広まればいいなと思っています。正直なところ、自分自身あまり『みつどもえ』にはエロを期待はしていません。寧ろ、それぞれのキャラクターの個性とか可愛らしさとか、掛け合いの面白さが楽しみなほうで。
キャラクターの個性の強さを楽しむ部分で面白いのは接する相手によって細やかに表情や言動が(本人が意識しないところで)変化するところです。『みつどもえ』にはグループ行動する女子の習性がよく現れているのですが、そういった仲良しグループや家族での絡みとそれほど親しいわけでない相手との絡みの微妙な変化が感じられるのが人間味を感じてよいのです。それが「ちょっとだけよそよそしい態度」なこともあれば、「親しい相手には逆に見せづらい優しさ・弱味」であったりすることも。
151卵生、プールで迷子になったひとはと杉崎の組み合わせはとても面白かったです。きっとみつば達がいる前ではママとはぐれたからといって杉崎は涙を見せたりはしないでしょうし、ひとはが泣き出す杉崎をなだめたり、みつばが杉崎のことを「さびしんぼなのよ」と表現するのも意外でした。キャラクタが増えていってもそれぞれがとても個性的で、一人一人のコミュニケーションの細やかな違いが楽しめるのが凄いと思います。作品の中にしっかりと社会が形成されているんですよね。
それと作品の密度が凄い!1話8ページというページ数に短さを感じさせません。そのコマの密度もさることながら、背景や引きの構図で描かれたキャラにも「捨て」がない。
↑コマとしては、とても小さな繋ぎともとれるコマですが、このみっちゃんはやたらと可愛いと思う。
アップとかキメ顔じゃなくても、動きや言動が十分に可愛らしいんですよね。そして背景でもキャラが生きているから常に賑やかさが絶えない。この密度こそが魅力のもと…そう、『みつどもえ』は『密度萌え』だったんだよ!どうですか!(うまいこといった風)
8巻でお気に入りの話は…いくつもありますが、最愛は152卵生「祖母とTシャツと私」です。三つ子のおばあちゃん初登場の回。
各生徒の保護者の皆さんも初登場しておりそちらにも要注目な8巻ですが、個人的にはずば抜けて可愛らしいと思ったのはおばあちゃんでした。あの三つ子のおばあちゃんだけあって、一筋縄ではいかないタイプで、おちゃめで愉快なおばあちゃんです。本誌掲載時にも書きましたが、この三つ子の掛け合いにナチュラルに紛れ込めるのって凄いですよ。三つ子もおばあちゃんが大好きで、その反応もそれぞれ違って可愛いなあと。特にみっちゃんの良い子っぷりが出ているステキなお話です。
他にも跳び箱が跳べなかったり、缶ケリしたり、喧嘩してお互い引き下がれなくなったり、初めて見るラブレターに赤面したり…とひとつひとつの出来事は実はとても「普通」。そういう出来事がいちいち事件になるような騒がしい子どもたちの可愛さと、ハプニング性のエロスの同居がいちいち見事としか言いようがないです。凄い漫画ですよ、『みつどもえ』は。合わない人少なからずいるとは思いますが、単なるロリ特化まんがだと思っている方は損しているかもしれないですよ~。アニメ化に先駆けて読み始めるなら今!(因みに…1巻はだいぶ雰囲気も絵柄も違うので2、3巻まで一気に読んでみてからの判断をお勧めします!)
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