『ひらめきはつめちゃん』大沖/月刊コミックブレイド連載中
4コマ界に\すげえ/ムーブメントを巻き起こしている(?)大沖先生の『はるみねーしょん』に続く単行本です。偉大なる「いつもの」ノリに加えちょっぴり1話1話の物語性が高めになっている作品です。


発明家のおとうさんをもつ主人公・平目木はつめちゃん(7さい)。ある日学校の工作で作った「はこ」を家に持ち帰りますが、その「はこ」は喋ったり、いろいろな「ネジ」を使うことによって様々な機能が使えるというとんでもない発明品でした。普段から、こっそりとおとうさんの様子をまねして工作(発明)をしていたというはつめちゃんが「なんかてきとうに」作った凄い「はこ」と「ネジ」を使って、日常レベルの事件を解決したり、逆にややこしくしたりします。


ものすごい発明を次々繰り出すはつめちゃんですがそこはそれ、普段は天才児らしさとかそういうそぶりはまったく見せない(ちょっと変わってるけど)可愛い娘さん。おとうさんは発明家でありながらその内容はなかなかのがっかりぶりで娘のはつめちゃんに追い越され気味とちょっと立つ瀬がないですが、そういう苦悩は殆ど感じさせない作風なのでこちらも笑い飛ばしてあげるが吉な気がします。何より、はつめちゃんがおとうさんのことをかなり好いてるし尊敬してるのが可愛いです。「おとうさんすげえ」って、どう考えてもはつめちゃんのほうが\すげえ/んだけど。いい子です。変わってますけど。


大沖先生の4コマは、同人で描かれている東方パロにしろ、『はるみ』にしろ、アンソロ等で執筆されている他作品のパロにしろ基本的なノリは同じなのにまったく飽きがきません。\やべえ/等の特徴的な台詞使いに線目キャラといった視覚的な面に加え、言葉遊び的なネタが多いことも大沖先生作品の大きな特徴。ネタとしてはダジャレが大半ですが、ツッコミにも独特の味わいが効いています。
「平目木はつめ」というネーミングも最近では珍しいくらいベタな印象ですが個人的にはこういう漫画漫画した名前、好きです。またそれを踏まえるとタイトルも「閃き・はつめちゃん」と、フルネームの「平目木はつめちゃん」のどちらとも取れて面白いなあ、と。


作中のはつめちゃんの発明も凄いですが、この独自のスタイルで描かれた4コマ界の新しい風とも言える大沖先生の作品もまた凄い「発明」なんじゃないかな、と思いました!←大してうまいこと言えてない。
1話通してうまくオチがついている「いぬ」と、はつめちゃんのやさしさが伺える「かぜ」が特にお気に入りです。「いぬ」はもう「いぬ」っていうか「さが」でした。「かぜ」はいつも何をかんがえているかよくわからないはつめちゃんがおとうさんを気遣っているのがとてもいじらしい。風邪ひいたおとうさんが寝ようとするのでテレビを見に隣の部屋に行きつつ、「テレビおわったよー」と戻ってきちゃうはつめちゃんがめちゃくちゃかわいいと思うんです。
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いい親子だよなあ。



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この4コマが\すげえ/ 『はるみねーしょん』1巻 - 漫画脳