『メガMEGAみーな』島本ららら和彦/アスキーコミック連載
昔の作品の紹介もしたいなと思いつつなかなかままならない日々でございます。この作品もリアルタイムで雑誌で経験しながらもコミックスを買っていなかったため、読み返したくて悶々としておりましたが昨年ようやく中野のまんだらけで発見しました。レビューも書こう!と息巻いていたのになんだかんだで数ヶ月経ってしまいました。のろい。
さて、そんなわけでもしかしたら初かもしれない思い出作品レビューはコミックビームの前身アスキーコミックで連載されていました島本ららら和彦先生の『メガMEGAみーな』です。…バグとかではありません。島本和彦先生ならぬ島本ららら和彦先生です。思えば島本先生はアスコミでは人を食ったようなミステリー『トリックハンタージョウ』とか結構変わった方向性の作品が多かったですな。それにしても当時もかなりビックリしたのですが今見たら驚かれる方が多いのではないでしょうか。
ヒロイン”星野みーな”は普通の女子高生。ある日謎の人物(?)に「一緒に世界の平和を守りましょう」と迫られる夢を見ます。
その夢以降、ピンチに見舞われたり他人が危機に晒されている場面に遭遇すると勝手に変身して常人外れの力を発揮してしまうことに気がつきます。困ったみーなはお母さんに相談しますが…
実はみーなのお母さんは地球の平和を守るために”メガ星”からやってきた”メガ・ミミー”という名の戦闘大使だったのです!!
しかし地球人のお父さんと結婚してみーなを育てることになり、それだけでいっぱいいっぱいになってしまったお母さんは正義の使者を引退したのでした。今後はみーながお母さんの使命を継ぎ地球の平和を守っていくことに…!?
いやあ、どうですか。あの島本先生が変身女子モノを描いていたわけです。変身といっても、その姿は魔女っ子とかではなくてウルトラマン系宇宙人というところが一癖あるところですが、全体のテンションは非常にゆるいんですよ。アクションシーンは流石の迫力ですが、敵もなんかアホっぽい奴ばっかりで”地球の平和を守る”という使命の割に終始緊張感がないところがたまりません。
勉強のジャマをして、世界平和を守るどころじゃなくしてやろうという計画→返り討ち。(みーなが関西弁なのは敵の関西弁がうつったから)だいたいこんなノリです。
みーな自身も、急な使命に悩み苦しんでする様子はまったくなく、普通に生活して普通に勉強ができなくて困ったりする女の子。面白さはしっかりしていますが、なんともライトなノリの漫画なのです。今でいうなら「ゆる系」と言ってしまっても差支えがないような。島本先生がもう今から15年も前に「ゆる系」をやってしまていたという事実に、今更ながら驚きます。
みーなの同級生のシバタ君がSFヒーローロマンを追い求める漫画描きだったり、みーなのお父さん&お兄ちゃん(最終回にて登場)が妙に暑苦しかったりと男性陣を見ると島本先生の作品だな~っと納得のキャラをしているのもアンバランスで面白かったり。お父さんとお兄ちゃんはどれだけ熱くても、メガ星人のお母さんとみーなの力にまったく敵わないところがなんとも可笑しいけど。
元々印象的だった上にたまたま初回の掲載号が残っていたのですが、島本先生ご自身は巻末で「尊敬する竹本泉先生のようなマンガが描きたかったんだーっ。許して!!」とコメントされていました。竹本泉先生のようなマンガかというとそれも違う気がするんですが(笑)。因みに最初は読みきりの予定だったようですがそのまま連載化され、アスキーコミックがコミックビームにリニューアルするため打ち切りとなってしまったようです。実に惜しい…。このまま長く続いていたら島本先生のイメージはちょっぴり違っていたかもしれないなあ、と思うのです。
何よりみーなが可愛いのに尽きます。今なら分かる。これは…”萌え”であった…!お母さんもえろかっこよいし!すばらしい!
普段も島本先生の描く女性キャラは魅力的なのですが、みーなの可愛さはちょっと違うタイプ。うーん、このまま埋もれさせるには勿体無い作品だと思うなあ…せめて復刊してくれないかなあ。流石に島本ららら和彦先生の新作は無理だとは思うのでそこはそれでw今の島本先生が描いたみーなも読めるなら読んでみたいですけどね。まんだらけでは定価よりやや上の値段がついていましたが、もし古本屋で見かけたら是非読んでみてください。意外性が良い感じにハマってる良作です!
コメント
コメント一覧 (1)
もしかすると島本先生の最高傑作じゃないかってくらいにw
熱血ギャグ以外の島本ギャグはちょっとすべる時があって、あすか@未来系なんかはちょっと読んでて辛かったのですが、
これはギャグがびしびし決まっててちょっと感動してしまいました。
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