『ファンシーGUYきゃとらん』くぼたまこと/アフタヌーン連載
『サンレッド』でお馴染みくぼたまこと先生の描く、可愛らしいキャラとその生活のシビアさのギャップで笑うギャグ漫画…と思いきや、最後の最後で感動にむせび泣くことになるとは。
主人公はファンシーキャラクターの”きゃとらん”。この作品の世界ではファンシーキャラクターはデザインだけのものでもヌイグルミでも(素材はヌイグルミのソレですが)なく、それぞれ自立して生活をしています。所帯持ちで大学生の子持ちながらナンバーワン人気のファンシーキャラ”まっくん”、若手なのに高血圧な”ぴくりん”などそれぞれ見た目の愛らしさと素性のギャップの激しさがとことんいい味を出しています。
きゃとらんは中之島のボロアパートでビンボー一人暮らし中。ファンシーキャラクターという夢のある立場と夢が無さすぎる実生活が可愛くも可笑しい、そのままでも良質なギャグ漫画なのですが自分の中で「名作」と呼べるまで評価が固まったのは物語も終盤に差し掛かった頃に描かれたきゃとらんの壮絶な過去と貧乏生活の秘密、そしてその結末によってでした。
くぼた先生の『サンレッド』が悪の組織であるフロシャイムの過剰なまでの庶民的な日々やヒーローなのにチンピラでヒモなサンレッド…といった「ギャップ」が面白い作品であるように、この『ファンシーGUYきゃとらん』も所謂ギャップ萌えならぬギャップ笑いが詰まった作品です。そしてその「ギャップ」が笑いではなく、シリアスな方向に転がっていった最終回直前。その事実は予想以上にヘビィなものでしたが、そんなシリアス展開が違和感なく受け止められたのはきゃとらんが人情味溢れて気遣いのできる、心から愛されるキャラだから…ということに尽きると思います。
「幸せ」に対して執着を抱かず生きてきたきゃとらん。それでもその内面から滲み出る愛くるしさと癒しの力は本物の夢と希望へ繋がるものでした。(その能力を見抜いて成功へと押し上げた鬼マネージャーにも拍手!)
きゃとらん自身が本当の幸せを掴んだとき、今まで以上に世間に幸せを振り撒けるようになったのではないでしょうか。笑えてしんみりするビンボー生活から始まって、最高の大団円でした。
因みに、講談社のサイトではきゃとらんのTシャツが販売中です。これは欲しい…。
講談社KC+ アフタヌーン
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