『まじもじるるも』渡辺航/月刊少年シリウス2010年6月号より
ある日の学食。いつもの通りるるもはドジッ子新人ぶりを発揮していましたが、その日は何かこの世のものとは違うモノを感じていました。
一方FHK部長も何かを感じ取っていたようです。枯れる草花や天井のシミ…部長のことですから、なんでもない出来事を無理矢理怪奇現象にこじつけているのだろうと部員…いや、主にシバは大して気にもとめません。しかし部長が気付いていたそれは、確かな侵食の前触れだったのです…。


なんと魔界から逃げ出した「夜廻蟲」という生物に“学校”が寄生されていたのです。普通の人間たちでは気がつかないこの事態。るるもは学食を飛び出し校外に出ますが既に学校は蝕まれていました。夜廻蟲は夜しか活動できないので生徒たちは食われまいとチロが考えたのも束の間。夜廻蟲自身が産み出した”夜空間”に包んで人間たちの活動を止めてしまいます。ここで動けるのは魔界の者であるるるも達のみ。チケットが使えないから魔法は使えないのでは…とチロは心配しますが…?


凄い、とにかくすごかったです。るるもの“本気”!!
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チケットの制約が無いとはいえ、これほどまでの魔力があるのに何故落ちこぼれていたのだろう?と思ってしまうほどですが…るるもは自分自身のために魔力を使うことに不器用なのだろうなあ、と。シバを、学校を、生徒たちを。いつの間にかるるもを受け入れてくれた人間たちを守るためであれば自分が傷つき、全力の魔法で食い止めることもいとわなかったのでしょう。これを単にストイックといっていいのか…ここまで不器用だと寧ろ悲しさすら感じます。


個人的に物凄く驚いたのは、傷ついたるるもの画でした。肉が削げ、骨まで剥き出しになったるるもの姿…渡辺先生がこういう表現をすると思っていなかったので。もしシバが動けていたら、ここまでの無茶はさせなかったかもしれません。そういう意味でも、るるもの“本気”がここまで見える回は今までなかったものです。
圧倒的な魔力と機転で見事学校を守り、自らの傷を回復魔法で癒して何事もなかったように立ち去ろうとするるるもでしたが、ふとシバはその横顔を見てあるものを取り出しました。


こーれーが!!まったくニクいことしてくれますよ。シバGJだ!
骨まで剥き出しになるような傷を負いながら、それを上回るトキメキで締めてしまうのだからニクいです、全く。るるもには何よりのご褒美かもね!と思うとさらにニヤニヤします。いやあ、たまらないっす。


今回の件はとりあえず一件落着ですが、不器用なるるもと実際に秘めているとんでもない魔力については今後のことに関わってきそうな予感。そしてるるもがいくら不器用といっても、シバにもここまでのギャップがあるとはわかっていないでしょう。このギャップは埋まるのか。色々と不安も付きまといます。
…ちなみに部長の観察眼はあながちバカにできないのではないかな、とも思ったり(笑)。ここまでの異変に気付いていたのは部長だけのようですしね。


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『まじもじるるも』呪文その32 おしえて!映里おねえさん!!
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