『町でうわさの天狗の子』岩本ナオ/月刊フラワーズ連載中

どうもうまく書ける気がしなくて放置状態でしたが折角今までも書いてきていたので書きます、感想。数少ない自分が楽しみにしている少女漫画ですし…(読む漫画の間口を拡げたいと思いつつもなかなかままなりませんです)。


わざわざ言及するのも何ですが、秋姫が深層心理(?)では瞬ちゃんのことを好きなのは火を見るより明らかです。要するに読み手に答えとなるものは分かっているのに、何だかんだで遠回りをしているのがもどかしくもあり、そんなもどかしさが心地よくニヤニヤでもあります。秋姫が自分の気持ちに確信を持ってしまうと作品が終わってしまうか、若しくは少し方向性が変わってしまいそうなのでもうちょいこのまま遠回りをしていて欲しいというのが本音かな、というところ。目的地が素敵な場所なのがわかっていても、その道程にもキラキラしたものがいっぱいあるのでついつい回り道をしてしまうような、そんな漫画だと思います。


で、やっぱりというか、秋姫が無意識に瞬ちゃんのカーディガンをぎゅうっと引っ張ってしまう場面が好きで好きでたまらんわけですね。無愛想でつれない瞬ちゃんを突き動かすには100の言葉よりもこれだけで十分なわけですね。いいなあ、こういうさりげないところにトキメキが詰まってますね。


秋姫の周辺にもラブの予感がちらほらと芽生えつつありますが、『町でうわさの天狗の子』に出てくる男子はみんな男前だなあと思います。筋が通ってて気遣いの出来る男子が多いのですよね。カラオケ屋で秋姫を鍋の方に呼ぶタケル君とかいいよね。そんでもってそんな男子陣に負けず劣らずカッコイイのが金ちゃんでした。前々から金ちゃんはいい女だよ!と思っているのですが、人を元気付けるのが本当にうまい子だなあと。猫町君と金ちゃんはおにあいだと思うのです。


そんな中でも6巻のベストオブ男前は三郎坊でした。最後の最後に全部もって行かれちゃいました。ほほほほほれてまうやろ。「しょせん狐」という壁なんてどうでもよくなります。「人間と人外の恋」という観点でも凄く興味あるカップルなのですが、そういう理屈的なものはどうでもよくなりますね。赤沢ちゃんがんばれ!でも疾風様を一晩中もふもふできるならそれはそれでやぶさかでない…。

 
ラブ以外の気になる要素もたくさん出てきているのですが、そちらも進行しつつラブをおろそかにしない構成で高値安定の胸キュンぶりでした。


過去エントリ
『町でうわさの天狗の子』1巻 - 漫画脳
『町でうわさの天狗の子』2巻 - 漫画脳
『町でうわさの天狗の子』3巻 - 漫画脳
『町でうわさの天狗の子』4巻 - 漫画脳
『町でうわさの天狗の子』5巻(岩本ナオ)