『GIANT KILLING』ツジトモ 原案・取材協力 綱本将也/モーニング連載中
2ヶ月連続発刊です。15巻はまるまる達海の現役時代、そしてETUの過去編です。表紙がまぶしくて、読み終えた後で見ると凄く哀しい。
ETUと東京Vのダービーマッチ。ダービーであることを除いても東京Vは日本代表の中心選手としても活躍するエース、成田を擁しており次代の中心選手としての呼び声も高い達海が居るETUとは因縁深い相手でした。
周囲の期待、重圧、不安…それらを背負っても達海がいつも通りに飄々としていられたのはフットボールを楽しむ気持ち、チームを愛する気持ちが純粋だったから、たったそれだけだと思います。達海はサポーターから貰った力を還元し、その気持ちの強さと純粋さがチームを纏め上げて勝利へと導く。素晴らしい循環のはずでした。それなのに。
何故純粋すぎるものは周りを濁らせてしまうのだろう。
エースであることに固執し過ぎる成田の心は本来あるべきフットボールプレイヤーの精神からははぐれていく。自分のプライドにしがみつく成田の姿は、尊敬できるエースとは真逆の向きへ歪んでいくようで見ていて辛いものがあります。さらに、その波紋はETU全体にも…。
達海が怪我で抜けたことでチームのバランスは崩れていき、サポーターも達海以外の選手に興味を示さず露骨な態度をしていく…。達海は純粋な気持ちでETUとフットボールを愛しているだけなのに。その屈託なく強すぎる気持ちが歯車を狂わせていく。そのタイミングの悪さでコールリーダー的な役割を務めていた面々がゴール裏を離れていき、益々バラバラになってしまうサポーターたち。
誰が悪いのか。誰も悪くない。絶対悪なんて存在しないまま、ETUは迷走していってしまいます。当然、達海が目指していたものは間違いなんかではない…はずなのです。
けれどそれがすべて良くない方向へ向かっているとも思えない。一人の選手目的などの軽いきっかけから入った人間がそのクラブへの深い愛情を抱いていくことだって珍しいことではないのです。現コールリーダーである羽田さんの心の動きようなんてそれを象徴していると思います。
だけど時はそうやって纏まっていくことを待っていてはくれない。取り返しの付かないことが起きてしまいそうな予感が漂います。
ただ、みんなが達海がピッチ内で見ている”景色”と同じものを見られれば素晴らしいのにね。
過去エントリ
物凄い「主役率」 GIANT KILLING 6巻/綱本将也+ツジトモ - 漫画脳
【妄想注意】『GIANT KILLING』ETUvs大阪ガンナーズ戦をETUサポーターブログ風に語る - 漫画脳
それぞれが何かを掴んだ一戦 『GIANT KILLING』7-9巻 - 漫画脳
”これがクラブだよ” 『GIANT KILLING』10巻 - 漫画脳
歯を食いしばってみせることだけがプライドではなくて 『GIANT KILLING』11巻
”その場所に立つ者”の覚悟 『GIANT KILLING』12巻(ツジトモ+綱本将也)
フットボールを「楽しむ」には現実は辛すぎる。 『GIANT KILLING』13巻(ツジトモ+綱本将也)
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