『嫁姑の拳』函岬誉/エレガンスイブ連載中
ありえね~嫁姑バトル、三度(みたび)!!
秋田書店の婦人向けコミック誌「エレガンスイブ」連載中の怪作『嫁姑の拳』、3巻が発売されました。さすがの秋田書店様というか、エレガンスイブで単行本が出ること自体がかなり珍しいことのようで我々は今奇跡を目撃しているのかもしれません。
嫁VS姑のガチンコバトルに加えて町のおかしな住人達との珍騒動満載の内容は相変わらずで、もはや貫禄すら漂う安定感。はっきり言って出てくる人出てくる人、極端なまでに味付けの濃いキャラばかりです。そしてそれを上回る風音さん&梨々衣さんの最強(最凶)っぷりも凄まじい…。婦人向け雑誌にあるまじきガチンコなバトル描写の数々!普段は衝突し続ける嫁VS姑ですが、いざとなれば協力し合い敵を粉砕します。
見よ!この嫁姑ツープラトン攻撃!!
『嫁姑の拳』最大の武器でもある”見開き”のインパクトも相変わらず絶大です。なんというか、わかっていても笑っちゃう。ズルい、ズルいわー。「わかっていても」っていうのは作品にとって絶大な武器だと思うんですよね。
迫力のアクションと抱腹絶倒の展開…なのに時々ホロリと感動できてしまうところもスゴイ。実は規格外な大人揃いなのに対して、羽場さん家の一人娘・爽(さわ)ちゃんをはじめ子どもたちは意外と普通ないい子たちばかりなんです。
時に必死で時に滑稽な大人たちに見守られながら子どもたちが伸びやかに成長していく姿には(うっかり)素直に感動してしまいます。
爽ちゃんがとっておいたケーキを食べてしまった風音さんがとった苦肉の策、”妖精の「ハニーピッピ」が食べてしまった”という体の書き置きを素直に信じる爽ちゃんはマジ天使です。素直で友達想いの爽ちゃんは『嫁姑の拳』の良心。
そして程度の問題はあれども、大切な子どものために一生懸命になれる親たちって泥臭くても凄くカッコイイと思います。
因みにこのエピソードも爽ちゃんたちの前に本物の妖精が現れる…というハートフルな奇跡の物語かと思いきや結構な夢ぶち壊しなオチがつくのでやっぱり侮れませんw
こんなに素晴らしい作品なのですが、帯にあるとおり「単行本がなぜ売れない!?」
答えとして「(1)担当がぼんやりしているから(2)掲載誌が上品な女性誌「エレガンスイブ」だから(3)マンガの内容がアホアホだから」という3点が挙げられていますが…ちげーよ!!売ってないからだよ!!!と声を大にして言いたい…。帯がこんなに力入っていても、表紙向けて陳列されるような数が入っていないんだ…。確かに評価は高まっているのに、ツラいっすよこれは。『華探』を思い出すなー…(渡辺航先生のバンチでの連載作、アンケは好調だったようですが単行本が売れず打ち切り。しかしはっきり言って単行本を見つけること自体が相当難しかった)。こんなに面白い漫画が売れないなんて、営業の怠慢以外の何物でもないわ!!とあえて暴言を吐かせていただきます。だって悔しいじゃないの…!ニッチなようで限りなく万人向けの作品だと思います。途中からでも問題なく読めますので、発見された方は迷わずゲットをおすすめします!ここまで来たら、いけるところまで行け!!(巻数的な意味で)
過去エントリ
漫画脳:一般家庭で唸る拳!秋田書店が放つ衝撃作 『嫁姑の拳』Ⅰ-Ⅱ(函岬誉)
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