『うさくんの脳みそやわらかい』うさくん
我らがうさくん先生待望の単行本が出ました。しかも2ヶ月連続発刊だなんて…スーパーうさくんタイムはまだ始まったばかり。
収録されているのは電撃大王掲載の表題作『うさくんの脳みそやわらかい』とフォックス出版”もより”掲載作『こころこんにゃくのお時間』(この2作はだいたい同じ内容)、そしてコミケで配布された”電撃学園”に掲載された『キッコとタレ美の冬コミ(コミケ)大作戦』シリーズです。脳みそやわらかいとかこころこんにゃくとか、どっちにしろやわらかいですよね。このふにゃっとしたセンスがたまりません。特に『うさくんの脳みそやわらかい』とか、「うさくん」「の」「脳みそ」「やわらかい」とどこで切っても素敵なフレーズになりますものね。
『うさくんの脳みそやわらかい』『こころこんにゃくのお時間』では架空のゲーム会社「にゃん天堂」を舞台にしたシリーズと、ちょっとだけゲームっぽい世界観の半分くらいファンタジーな読みきりとがあります。
にゃん天堂シリーズはいつも斬新なゲームの試作品を持ってくる社員・斬 新一(ざん しんいち)君に社長の猫谷英助(ねこたにえいすけ)さんが翻弄されながらも強めに突っ込む内容になっています。社長はハゲでヒゲなのに何故かとてもキュートです。社長萌え漫画で間違いないと思います。いつもいつもヒドイ目に合っているのに毎回新しいゲームと聞くと一回期待してしまうあたりいじらしい。でもダメだこの会社。ちなみに斬君と社長のBLとして読むと新しい世界がひらけてオススメです。社長が受け。
その他の読みきり作品も可愛さとウザさが化学反応おこして爆発する寸前くらいのバランスで混在しています。特にうさくん先生が描く恋するおんなのこの可愛さは天井知らずのレベルです。どうしてエロい漫画が売れなったのか真剣に悩むくらいです。せちがらいよのなかです。個人的に『リリカ姫の大冒険』のリリカ姫と『変身 ハイパーモモ』の桃香ちゃんが特に好きです。リリカ姫はわがまま放題で自由奔放なのに最後がんばったり泣いちゃったりしてるのがたまらなくかわゆい。こういうツボ突いてくるのがうまいなあ。
『キッコとタレ美』シリーズは田舎の特殊性癖女子2人がコミケにいくためにバイトしてお金を稼いだり、おじゃんにしたりします。あとコミケに行きます。キッコは所謂腐女子タイプで、タレ美は「足」に異常なほどの執着を抱いています。
うさくん先生のお気に入りキャラというタレ美が個人的にはチョット苦手なのですが(自分の性癖にまっすぐなのはいいんですが、周囲の迷惑を省みないのは…)、同好の士である「足指ナメリーナ」さんとの出逢いは感動的でした。
それと、描き下ろしで収録されているキッコとタレ美のサークル参加編は熱く込み上げてくるものがあります。キッコが楽しそうにえろい漫画を描いたり、コンビニのコピー機でこそこそコピーするとか、やっと1冊買ってもらえた瞬間といった光景は言葉にし難い感動があります。主にこっち側の人間としては、ですが。こういった心が躍る瞬間を絵にするのが非常に巧い作家だと思います、うさくん先生。
惜しむらくはコミケ的に見るとキッコが柱のところに座って本を読んでいる描写があるところですが、うさくん先生ご自身がコミケに一度しか参加されたことがないようなので目をつぶるべきなのかな…(※コミケは座り込み禁止です。)あと足フェチくらいの特殊性癖はコミケじゃ珍しくないとおもうのであの孤立っぷりもちょっと違和感が。もののたとえ、と考えればいいのでしょうが…なんだかうるさくてスミマセン。
と、内容はこういった感じなのですが表紙を飾るのはうさくん先生ご本人(?)。ちなみに漫画には特に登場しません。漫画家漫画でもないのに表紙にドドーンと自画像(というか、キャラクター)が描かれて許されるってすごい。愛されキャラ故の暴挙。もはや”うさくん”という生き方をリスペクトします。うさくんマジパネェ。うさくんの脳みそマジやわらけぇ。
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