『伴天連XX』原作 猪原賽 作画 横島一/ファミ通コミッククリア連載中
チャンピオン誌上で『悪徒-ACT-』が壮絶な連載終了を迎え伝説と化した後、様々な媒体で新作を発表されている猪原賽先生と横島一先生のコンビ。とうとう『悪徒-ACT-』2巻以来1年9ヶ月ぶりとなる単行本が発売になりましたーーーッッ!!祝!! 本当に嬉しいです。感無量。


この作品は、江戸を舞台としたクトゥルー神話ベースの物語。…と書くと何が何やらですが、独特のその世界観はもう実際に読んでいただいて理解していただくのが一番ですね…
一度命を失いながらも左腕に寄生した「ないとごぉんと」により黄泉還った侍、無明獅子緒…改め無命獅子緒。獅子緒が解放されるには「ないとごぉんと」が仕える“旧神”の勢力と対立する“旧支配者”…「くとぅるぅ」を倒さねばなりません。
そんな重い宿命を背負った獅子緒と行動を共にするのは「くとぅるぅ」の知識と「ないとごぉんと」を封じる術を持つ、謎多き宣教師、フランシスコX(ザビエル)・X世(10世)と事件=ネタには首を突っ込まれずにいられない読売屋・番太郎。目的も信条も違う奇妙なデコボコトリオが力を合わせて?強大な敵に挑みます。


はじめは自分一人で背負い込み、自分が死ぬための闘いと言っていた獅子緒ですが、本来自分が持っている使命を思い出し「ないとごぉんと」の存在すら己の力として受け入れる決意をします。この決意の場面は最高の見せ場でもあり、真の物語の幕開けても言えましょう。
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獅子緒やザビエルと違い戦闘能力を持たない一般人である番太郎にもきちんとした役割が与えられていることにも胸が熱くなります。こういったキャラクター配置ひとつ見ても猪原先生の作品はうまいなあ、と思います。猪原先生は次々と面白い設定や物語を作り出す原作、横島先生はその面白いものを確実に表現できる作画。そう思っています。やっぱりこのコンビは最強だ!


「江戸」×「クトゥルー」だからこそ生み出される面白さ。自分はクトゥルー知識も江戸時代の知識も0に近いですがこの漫画が面白いってことくらいはわかるのさ…!奇妙キテレツな世界観、迫力の異形バトルの見応えは確かながら、妙に愛嬌のあるメインキャラたちも愛おしい。ザビエルが可愛すぎます。何故可愛い…。
百聞は一見に如かずということで、先ずはWEBでご一読をオススメします。1巻の続きから読めますよ!お得!
http://www.famitsu.com/comic_clear/se_bateren_xx/
単行本では猪原先生描き下ろし4コマや横島先生画のふかきものど子さんとかナイトゴーン子さん(帯にご登場)もいて必見なのです。ふかきものど子さんとナイトゴーン子さんのクオリティの高さに目ん玉飛び出ました。いやはや素晴らしい。このコンビの作品がもっとたくさん読みたいのです、未単行本化の作品も刊行されますように!売れますように!



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