週刊少年チャンピオン連載。
記事タイトルが釣りっぽくてすいません(笑)。この作品は昨年秋に『出陣!!武将頭高校排球軍』のタイトルで短期連載され、今年になって改題のち正式連載に昇格となった熱血バレー漫画です。昨年秋の新連載陣は色々な意味で頭を抱えてしまったラインナップだったのですが(すみません…)、この作品については正式連載で続きが読みたいと思っていたのでこうして1巻が発売の運びとなり大変喜ばしいかぎりです。1巻に収録されているのは、昨年の短期連載の部分となっています。
バレー部が出来たばかりの「武将頭高校」に体験入部にやってきた主人公の「蒼空天馬」。彼の兄は日本のトップに君臨する全国優勝高のレギュラー選手である「蒼空悠生」。中学でベスト4の実力を持ちながらもどこへ行っても兄と比較されることに嫌気がさし、まったく新しいバレー部がある高校を選ぼうとする天馬。そんな彼の前に登場したのは、あまりにも「バレー」とはかけ離れた存在でした…。そう、それがバレー部こと排球軍の監督を勤める「将軍」。突飛すぎる格好と演出に面食らいながらも、その反面で意外なほど理にかなった訓練と評価方法に天馬は心が揺さぶられていきます。
戦国ブームなどとは最近よく言われていますが、高校バレーの監督に「将軍」という発想はいったいどこから生まれたのか!?その発想も単なる出オチに終わらず、将軍のトンデモな言動で相当笑わせてくれます。そして笑いと同時にその熱のある言葉で不意に心を掴まれることも。笑いと熱血がガッチリと詰まってます。
将軍以外にも、一見不良にしか見えないけれど熱いハートの持ち主・呉露槻やスポーツをしそうに見えないデブ+アフロのデフロ、さらに雅すぎる蹴鞠のスペシャリスト・たかし麿先輩といった個性的にもほどがあるキャラクターが満載です。パッと見イロモノばかりですが、それぞれがバレーにかける思いは非常に強く、キャラクターのバックボーンもしっかりと組まれています。そういった部分が丁寧に描かれているからこそ、個性的なキャラクター陣がより魅力的でもあるのです。
作品としても、登場キャラも「イロモノ」っぽさが強いのに、スポーツ漫画として、少年漫画としての熱さや面白さを非常に大事に描いているという印象の作品です。天馬がたどり着いた彼ならではの選手としての個性も、なんというか主人公らしからぬ成り立ちの特技なのですがそれを活かして自分らしいバレーを身につけていくというのは実に痛快。見た目で手に取って中身に引き込まれる要素は十分だと思います。今、チャンピオン生え抜き作家さんが熱いだけに『ムショ高』にも是非とも頑張っていただきたい!と思ってます。
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