『よつばと!』あずまきよひこ/電撃大王連載中
『よつばと!』待望の10巻発売です。ツイッターでも「よつばと」がばずる(“ばずったー”でHOTキーワードとして拾われる)ほどのお祭りだったようで。多くの人が楽しみにしている・話題にしているということがこういう形でわかる時代なのですねえ、としみじみ。まんがでみんなが一つになるってすごく素晴らしいことですね。
そんな力を持った『よつばと!』、相変わらずむちゃくちゃ面白かったです。出先のマックで読んでて、声出して噴いてしまう不覚ぶり…よつばがホットケーキを叩きつけた場面が不意打ちすぎました。やんだは「なんで叩きつけんの!?」と言いますが、何事にも全力なよつばの性格がよく出ていますよね。
そしてとーちゃんのアメとムチ加減には相変わらず惚れ惚れします。普段はよつばに対してがっつりと優しく甘くはしないけど、よつばがやる気を見せているときの支えとなることは惜しまないんだよなあ…。かっこいいぜホットケーキ大好きマン。
いつも通り涙と笑いが絶えない10巻ですが、この巻から重要なキーワードを抜き出すとやはり「嘘」になるかと思います。
失敗を嘘でごまかすよつばに、実にすばらしい方法で「嘘はついてはいけない」ということを叩き込んだとーちゃん。しかし身をもって「嘘はいけない」と思い知ったすぐ後で、軽々とした「嘘」を受け止めることになります。みうらのしわざです。
みうらの「嘘」はよつばの嘘と少し違います。よつばは必要に迫られて(一時しのぎとはいえ、保身のために)嘘をついていたわけですが、みうらは実にあっさりと嘘をつくし、実にあっさりと撤回するのです。悪びれることもなく。だからこそ、よつばはそれが「嘘」であったことに対して首をかしげてしまったのではないかなと思うのです。(それにしてもえなちゃんは苦労人気質である)
よつばはその後、ダンボールロボの「ダンボー」と再会します。はっきり言って、ダンボーにまつわるみうら・えなちゃんの話なんて全部「嘘」なわけですよ。でもよつばは疑うことがありません。ダンボーを生き返らせる儀式をする…それを信じて部屋の外で祈るよつばの姿。そのまっすぐさにこっちはただただ胸を打たれます。
世の中には色々な種類の「嘘」があって、それが悪いだけのものではない、けれどよつばにはまだそれに気づいてほしくないと思います。ズルい大人のエゴかもしれない感情ですが…。
そんなことを思いつつ、一番印象的だったのはとーちゃんと風香の電器屋でのやりとりかな。「かわいい」に照れる風香もたいへんよいものなんですけども、個人的にはその後の風香のキーホルダー群に対してのやりとりととーちゃんの無言の後姿がたまりませんでした。物凄い「理解し得ない」壁みたいなのを感じて…そこに萌えるというのもよくわからない感情なのですけど。『よつばと!』って、子供であり自分だけの世界を持っているよつばと周囲の大人たちの異文化コミュニケーション的な楽しみ方もあると思うのですけど、ここでは珍しく風香が「異世界人」の立場で描かれているなあ、という印象でした。
過去エントリ
漫画脳:やさしいジャンボと無神経なやんだ。 『よつばと!』9巻(あずまきよひこ)
パウンドケーキが食べたくなった よつばと! 8巻/あずまきよひこ - 漫画脳
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