チャンピオン系3誌合同企画として”Be Strong!チャンピオン悪ガキフェスタ”が開催されています。
所謂ヤンキー系漫画の共同企画で、アメリカ村でのイベントやプレゼントなどが行われるほか書店用の拡材も多く用意されていて、いつもの秋田書店とは思えない程(失礼!)力の入った企画となっています。
我らが週刊少年チャンピオンからも『ナンバデッドエンド』『クローバー』『シュガーレス』の3作品がエントリー。折角のお祭り事なので、私もこれに乗っかってこの3作についてのお話をさせていただこうかな、と思った次第です。
今回は『クローバー』についてのお話をさせていただこうと思います。
実はまだ単行本をすべては買い揃えてはいないのですが、最近の展開と登場人物があまりにも自分のツボにくるもので…。
『クローバー』はケンカはすこぶる強いけれど釣りが趣味な美咲隼斗・見た目ごついけれど不器用で純朴な花山健次・ケンカはからきしダメなバイク好き兼ツッコミ担当な奈良友基、3人の幼なじみを中心としたヤンキー漫画…それでいてほのぼの仲良し漫画、です。
そう、「ヤンキー漫画」として一般層に認識されているであろう『クローバー』ですが、チャンピオン読者界隈では「ほのぼの漫画」という認識が強いです。なぜならば、ケンカパート以外の日常描写が並々ならぬうまさだから!その日常感はヤンキー漫画というカテゴリを超えて我々を癒し、和ませてくれます。特にハヤトの趣味でもある”釣り”の描写には定評があり、惜しくも連載終了した『釣り屋ナガレ』と並んでチャンピオン2大釣り漫画として人気を博していました(※やや誇張)。
そんな『クローバー』ですが、20巻後半からはケンジと夏に海の家で出逢った女の子・メイちゃんのぎこちなくも微笑ましい恋人未満なお付き合いを中心に話が展開していて大変ラブコメしくてニヤニヤしっぱなしなのです。
なんて可愛いんだこの2人は!!この破壊力はすごい。まさかチャンピオンのラブコメ成分を担うのがヤンキー枠であるはずの『クローバー』だとは…!
しかしその2人の仲を妨げる不穏な存在が現れます。帰国子女の遊び人・猪塚ことクソイケメン野郎です。これまでの『クローバー』ではどんな悪い奴も女の子には決してひどいことはしないという安心感があったのですが、その禁忌をこいつは破ってきます。だんじて許せません。
…しかし、これは現在進行分の連載を読んでいるとわかりますがやはりその先には安心して見ていられる展開が待っています。この漫画を読んでいると、驚くような展開や意外性だけが漫画の面白さではないと実感します。ある意味での王道が続いてもそれがきちんと面白い、と感じられるのです。なんでもないような日常描写が巧いという点もそこに繋がってくると思います。決して派手ではない作品ですが、わかりやすさ、安定感、そしてその平和を祝福できるキャラクターが揃った作品といえます。
日常描写に比べるとやや劣ると思われていたケンカシーンも回を重ねるごとに迫力が増していますし、日常とケンカのバランスや話の中での見せ方や流れにも良さが出てきていままさに面白い時期だと思っております。「わかりやすさ」はそれだけでも大きな武器!ヤンキー漫画と敬遠せずに読んでいただきたい作品のひとつです。
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