『かんちがい姫と嘘つき僕』。一目見て、「ラノベみてーなタイトルだな~」という印象でした。”僕”の読みは”ぼく”ではなくて”しもべ”…。主従ラブコメ、という割に表紙からしてしもべのほうが何か企んでるのが透けて見えている辺りひとクセありそうでつい手に取ってしまいました。いやはや、たいへん可愛くて胸きゅんな1冊でございました。


自分の可憐さに大層な自信を持つ美少女・青咲まゆりさんは全寮制のお嬢様学校の1年生。2学期の始め、なぜか突然寮で一学年上の生徒会長・雪平晶先輩と同室になります。自分をお姫様だと思い込んでいるまゆりさんにとっては美貌の持ち主で人気のある雪平先輩は少し気に入らない存在。しかし、そんな雪平先輩の正体はなんと「男」。彼は家庭の事情で幼い頃から何度も誘拐未遂等の危機を経験し、女装して全寮制の学校に通うことで他人の目から隠れて暮らしているのでした。パニックになるまゆりさんに対して雪平先輩は、入学式の時にまゆりさんを見かけて一目惚れしたと言い、「僕(しもべ)でいいからそばにいたい」と訴えかけます。「僕」という響きに陶酔するまゆりさんはついそれを許可してしまいますが、雪平先輩には別の企みが…。
しもべとしてまゆりさんのお世話を積極的にこなす雪平先輩に、気を良くしてすっかり身を預けてしまうまゆりさんですが、そもそもそれはそういった性格を熟知した上での雪平先輩の罠。その本心は可愛いまゆりさんを飼いならしたいという用意周到な変態さんなのでした。それに抗いながらも懐柔されつつあるまゆりさんの運命やいかに…!


自己中心的で自分可愛い!と思っていてワガママ放題だけど、肝心なところでヌケてる女の子って凄く可愛いと思いませんか。私は思います。まゆりさんはそんな子です。先輩の裏をかくために様々な策を練るものの、どれも失脚して結局雪平先輩の掌の上です。ああ、まゆりさんかわいそう!そしてかわいい!ちびっこなところもにじゅうまるです。
雪平先輩というキャラは非常にさわやかながら権力と財力にモノを言わせるすごく困った変態なんですが!そんな雪平先輩に好き勝手されて振り回されるまゆりさんが可愛いんだから仕方ないね。そしてそんなだけど根っこの部分ではピュアにまゆりさん大好きというのが垣間見れるのであまり嫌な感じはしなかったり。お似合いのふたりなんです。


あえて言うなれば、女装要素が申し訳程度なのがいささか残念。あまり重要性がない女装というか、女装に重要性を求めるもんでもないのかもしれませんが…(笑)。というか最近少女まんがにも女装多い気がします…ね。個人的には「女装男子×女子」が好きなのでそっちモードの場面は有難かったんですけども。結構あっさり制服着替えちゃったりするのが勿体無かったです、そっちを期待すると(笑)。
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あと自分は少女漫画にはあんまりエロスを求めていないのですが、この漫画に関してはモアエロスを期待してしまいました…文句言いつつされるがままのまゆりさんエロ可愛い。正直もう一歩踏み込んだエロスが見たかった、という…。


そんな調子で(自分がそうだからか)まゆりさんの可愛さにきゅんきゅんするという読み方しか見つからず、即ちむしろ少女まんがというよりちっちゃくて可愛くてワガママな女の子が好きな男性に向いてる漫画なのではないかなあ…と思ってしまいました。というか、こういう女の子が好きな男性の目に届かなかったら無茶苦茶もったいない!と思います。世間知らず系のお嬢様キャラが好きな方にはちょうオススメです。ありがたくニヨニヨさせていただきました。