単独で感想記事も既に書かせていただきましたが、7月8日にチャンピオンコミックス『ブラック・ジャック創作秘話』『行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ①』が刊行されました。
ツイッターの週刊少年チャンピオン公式アカウントによると「少年チャンピオンが誇る2大実録まんが家マンガ」ということで、何というかこの2作をそう纏めるのは若干雑ではないか、とも思いますが両方共まるきり逆のテンションとはいえ実に面白い実録もの漫画となっています。
まったく違うベクトルの漫画とはいえ、同じ「週刊少年チャンピオン連載作家の実録漫画」には代わりありません。そして2作品の共通点として「チャンピオン編集長のアクが強い」ということが挙げられます。
『ブラック・ジャック創作秘話』に登場する壁村耐三編集長。
壁村耐三 - Wikipedia
まさに伝説の人であり、週刊少年チャンピオン黄金期の立役者。兎にも角にも、凄まじい人であったことが『BJ創作秘話』からも伝わってきます。
見るからにヤクザとしか言い表せない風貌、荒々しい態度。若かりし日の赤塚不二夫先生の原稿を取り立てに行き、居留守を使う赤塚先生に対して電柱で登ってまで窓から侵入して怒鳴り込む…等の強烈すぎるエピソード。
一般常識では許されないような言動ばかりですが、それらも漫画雑誌を作ることにかけての熱意ゆえ。
『ブラック・ジャック』の原稿が押しに押している状況でさらに8時間待ってほしい、と担当編集青木氏が電話をかけた場面では「できるはずがねぇだろ~が!!ふざけんなッ~~!!」と怒鳴りつけていながら、その直後には印刷所に電話をかけ「……何ィ落とせだと!?テメェ誰に向かって言ってんだ!!ブッ殺すぞ!! 手塚が描くと言ってるんだ!!だまって待ってろ!!」と説得(、というより恐喝?)。壮絶ながら最終的には信頼の残る作家との関係に目頭が熱くなります。
上記のウィキペディアではそんなカベさんこと壁村編集長の「弟子」としても紹介されているのが現・週刊少年チャンピオン沢考史編集長。
沢編集長、通称沢様は吉富昭仁先生宛のメールで「ぶちゅ。ぶちゅ。レロレロ~」という強烈なフレーズを生み出したことでも知られています。該当の元記事は現在は残っていないと思われますが、ぶちゅレロ画像はここやここで確認することができます。なるほどこれがぶちゅレロかあ…。たまりませんわあ…。
さらに、コミックビーム副編集長・岩井氏のブログでも奇行が確認されています。
昼は丸尾末広さんと。深夜は酔っぱらいと。3:30 am - 関心空間
なんだかんだで仕事進まず…でも月末。3:32 am - 関心空間
酔っぱらって仕事の終わらないよその編集部に電話して呼び出した挙句、べろべろになって勝手に帰るとは…なんて迷惑なんだ…!!
そして後日反省して恐縮しまくるとは…なんて可愛いんだ…!!!
そんな迷惑だけどなぜか可愛らしい、というキャラクターは『スーパーバイトJ』収録のスリースターズレポートイベントでも存分に発揮されています。
イベント前に極度の緊張で漫画家さまたちに抱きつく編集長…イベントでモジモジする姿が異様なまでに可愛い編集長…。壁村編集長とはまるで逆です。イベントでの弄られ方を見ても、「編集長の威厳はいったいどこへ!?」と思ってしまうような愛されっぷり。
しかし作品や作家を想う気持ちの強さは誰よりも強いのが沢様。スリースターズイベント2回目ではNJ先生が売れるにはどうしたらいいか、という話題にもなり「本当に天才だと思うんだよねえ」としみじみ語っていらっしゃいました。
また、チャンピオン40周年記念読切掲載の時期には、『オヤマ!菊之助』作者の瀬口たかひろ先生が住む福岡まで足を運んで想いを語った、というエピソードもあります。
菊之助の掲載時期決定。|瀬口たかひろのBlog
こうして見ると、実に極端な編集長像ですがどちらにせよ”編集長を見ただけでなんだかスゴイ”ということには間違いがありません。壁村編集長が作り上げた黄金期に比べてしまうと大ヒット連発というわけにはいかないのがチャンピオンの現状ですが、掲載されている作品の面白さは愛読者の一人として胸を張れるレベルです!
そんなチャンピオンが生み出した『ブラック・ジャック創作秘話』と『行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ』。漫画作品としての面白さも、新旧編集長の濃さもずっしり詰まってますよ!合わせて読もう!チャンピオンも読もう!!
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コメント
コメント一覧 (1)
二十年近く愛読してますが、現行の連載はもっと評価されていいと思います。ちなみに奥村氏も沢氏を評価していますし。
http://www.jinnken.org/kouenroku/okumuraiwai.html
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