今年もやってまいりました!
以前から当ブログ上で募集しておりました、『チャンピオン読者が選ぶ!このマンガが面白い!2012~ぶちかましじゃい~』の集計結果発表でございます!
残念ながら、昨年に比べると参加者様はかなり減ってしまっているのですが今回も個性的で熱いランキングが出来上がりました。
皆様からいただいておりますコメントと共にお楽しみいただければと思います!


基本ルールの説明です。
基本ルールは本家このマンと同じ「一人各部門につき1位~5位まで選出、1位=5P、2位=4P、3位=3P、4位=2P、5位=1Pでの集計(5作以下の選出でも可)」で、今回発表のランキングに関しては同ポイントの場合挙げた人が多い方を上位にしています。
※未単行本化作品を挙げられた方もいらっしゃいましたが、この部門の集計対象は「2011年に単行本が発行された作品」であるためにランキングでは集計対象外とさせていただきました。
※全作品同位での選出をされた方につきまして、本来集計対象外となりますが本家「このマン」にならい全作品3位=3ポイントでの集計とさせていただきました(この措置は今回限りの特例となる予定です。)



ちなみに、2011年版の結果はこちら
「週チャン以外の秋田書店作品」というルールはなかなかハードルが高く、今回のランキングエントリーは全参加者33名中20名という人数に落ち着きました。
正直、無理がある部門かな?と思うこともあるのですが実際に集計してみるとやはり面白い結果が出てきます。
それでは、ベスト10をカウントダウン形式で発表いたします!



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第10位 (10P/6人)
『エグゾスカル零』山口貴由(掲載誌:チャンピオンRED)
「『覚悟のススメ』を読んだことがなくても惹き込まれると思います。
『シグルイ』の頃の作風を受け継いでるというか、そういう魅せ方で読み手を漫画の中へ誘います。」(もつAさん)
「山口先生の「その号で全力を尽くす!次号の事はその時の俺が考える!」というスタンスの為か1巻に収録されている内容は探り探りで展開も遅い。
しかし「正義のヒーロー」たちが善も悪も消滅した世界でそれでも尚自分自身のアイデンティティを新たに構築せんとした結果生まれた哀しい闘いをはっきりと描けている。」(デス川さん)
「最近、じんわりと面白さ上昇中。覚悟が以前の熱さを取り戻してく過程に前作読者もあの時の熱さを想い出すのだ。」(しんせんさん)

第9位 (11P/3人)
『森のテグー』施川ユウキ(掲載誌:ヤングチャンピオン)
「ほのぼのした絵で、一見は癒し系の四コマかと思いきや毒も多かったり考えさせられる哲学的な内容で深い。」(青の666号さん)
「施川ユウキの作品は子供の発想、物理法則や世界構造が経験的に分かっていない状態
例えば、傘をさしながらなら高いビルから落ちても平気なんじゃないのか?とか  早く走れば水の上を走れるんじゃないか?とか  本当に自分が住んでいる場所以外にも世界はあるんだろうか?とか  自分にとっての世界がまだ実際には経験した事のない空白域ばかりで、経験よりも想像による無理やりな穴埋めの方が多かった  そんな時代の発想で描かれている物が多くそこが面白い。  森のテグーもそのような発想で描かれている物の一つだと思う。
だからこそ本作の最後には子供時代の象徴との別れ。  そして世界の構造を説明するくだりが入ってくるのではないかと思う。  こうして空白域が無くなって行きテグーは大人になって行ってしまうのだ。」(あわわさん)

第8位 (13P/3人)
『オイ!!オバさん』いづみかつき(掲載誌:月刊少年チャンピオン)
「甥っ子にデレデレなんだけど、
オバさんと呼ばれると、メデューサと呼ばれていた頃の不良だった時の力が蘇り
相手をボコボコにするギャグマンガ。
マスクを取ると途端に華奢な女の子になるキャラクターとか
恋愛話好きの女の子とか出てきてハチャメチャなかんじです。」(つのしゃんさん)
「同い年の甥と叔母さんってのが目からウロコです。
そして甥っ子LOVEの叔母菅子ちゃんは元ヤンという設定がまたいい味出してる。
素直に笑えて月チャンの中にこういう作品があると何かほっとしますね。」(だんなさん)
「かわいいおにゃのこがいぱーい、という典型的な少年誌のラブコメなんだケド、
過剰なお色気要素で押すという、ハーレムモノの定石を敢えて排しているのが好印象。
今のトコロ、秋田書店のマンガの中では一番先が楽しみなマンガです。」(しおたけさん)

第7位 (14P/4人)
『嫁姑の拳』函岬誉(掲載誌:エレガンスイブ)
「とにかく読むたびに腹筋がおかしくなるくらい笑えます。
この作品もっと売れてもいいと思うんだけどな。」(だんなさん)
「去年も推したケド、やっぱり今年も外せないw もっと世間に知れ渡ってもいいハズの作品だよコレは!」(しおたけさん)
「『花のズボラ飯』と同じ雑誌に連載されているというのに、なぜいつまでたても脚光を浴びない!?
このマンガがすごいって言うならどう考えたってこっちのほうがすごいと思うわけで、そろそろみんな気づいてもいい時。」(ササナミ)
「昨年に続いて今年も。なぜこの作品がエレガンスイブに載っているのか未だに理解できませんが変わらないバカバカしさと面白さ。もっと世に知られてほしい作品です。」(pront1885さん)

第6位 (19P/4人)
『ミカるんX』高遠るい(掲載誌:チャンピオンRED)
「ケレン味あふれる円谷風アクション大作が堂々の完結。第一話でいきなりヒロインの首が飛んだところは「ようこそREDへ」と思ったものですが、結局そのノリのまま人類再生まで話を広げきってしまったのは凄い手腕でした。」(えぬさん)
「あの、結構メチャクチャやったりバカやってるんですが凄く計算されてて精密に感じる、要するに作者は頭がいいんだなってのを感じるんです。
根っこはアニメ/特撮ファンによる「俺だったらこうするのになぁ」の塊でしょう。
エヴァとかウルトラマンをそういう考えで美少女化してみたってな作品ですが、キャラの魅力もあって惹き込ませてくれる。」(もつAさん)
「ウルトラマン+エヴァ+百合!?一言で言えと言われればそんな感じ。
だがこの作品のラストは俺が期待していた以上に素晴らしかった。
私は高遠るいという漫画家は「他人の褌で自分の相撲が取れる」能力が凄いと常々言ってるが、今回は特にであったと断言する。
失われたものは多い、後悔することも沢山ある、だが希望を捨てずに進み余韻を残すラストは感動的だ!」(デス川さん)


第5位 (19P/6人)
『VisionNOA』米原秀幸(掲載誌:ヤングチャンピオン)
「死者の感情が視える少年・島田乃亜が15年前の事件の捜査に関わっていく中で いろいろな死者の感情や残された遺族の感情と出会い触れ合っていく作品。 ちょっとしんみりする話とか本気でイカれた人の描き方とかはさすが米原先生と感じる作品。」(ひさとみさん)
「次々襲う恐怖や不安の中に人の温かさがしっかり存在しているところが好きです。
そして乃亜の特殊能力を作中の人物にまず疑わせた上でそれらを納得させる描写があるところが良い。
さすが米原先生はうまいです。うまく作ればドラマ化しても面白そう。」(ササナミ)
「「死者の感情が視える」という少年・島田乃亜が主人公。ですが視える感情はけして陰惨なものだけではありません。」(しろこさん)
「週チャンでの連載を終えて以降、少女マンガの原作を入れたら3作を並行して連載と米原先生のエネルギッシュな活動ぶりには本当に頭が下がりますが、その3作の中でも一番気に入っているのが異色サイコサスペンスの本作です。
ウダヒマとリンクしてますが、ウダヒマをまともに知らない私でも特に問題なく面白いです。」(一作さん)

第4位 (20P/6人)
『trash.』原作 山本賢治・作画 D.P(掲載誌:ヤングチャンピオン烈)
「女子高生の殺し屋の話、そう聞けばなんだかどこでも転がってそうな話ですがこの漫画はガチなんです。
銃や凶器を持って戦う女の子に惹かれてる場合じゃないんです、それを期待して買ったらむしろ引くくらいブルータルな内容なんです。」(もつAさん)
「酷すぎる状況が延々と続くのに何故か悲壮感はない。
B級でスプラッティングなホラー映画は怖くなくて笑えてくるようなものか?
エロとグロとモツと阿鼻叫喚をスカッと読みたいならこれだ!」(デス川さん)
「ただ単にモツぶちまけるだけの話でなく、きっちりとしたストーリーで魅せてもらった。
連載分で読むと少し冗長に感じられたが、単行本で読み返すとしっかりと話が作られていることを感じられた。」(しんせんさん)

第3位 (21P/7人)
『フランケン・ふらん』木々津克久(掲載誌:チャンピオンRED)
「ブラックジャックを見るからに悪趣味にした感じ、わざとやってると思うぐらい悪趣味を押し出してます。
キャラクターの設定も凄くいいです、魅力あり過ぎ。」(もつAさん)
「この作品に関してはもう多くを語ることもないというか、相変わらず安定のグロくほのぼのとした木々津節を楽しめる作品です。」(一作さん)
「多方面に張られている木々津先生のアンテナの広さに感心する漫画。この内容で女の子が可愛いのがまた凄い。」(nst2460さん)
「一話毎の内容が濃く、上質な短篇を読んでいる気分にさせてくれた。
次回で終了が非常に惜しい。」(しんせんさん)

第2位 (28P/6人)
『報道ギャングABSURD!』米原秀幸(掲載誌:プレイコミック)
「米原秀幸先生が週チャンで連載していた『ウダウダやってるヒマはねェ!』(以下ウダヒマ)の十数年後の話。 登場人物は同じだけど続編というワケでは無いのでウダヒマを読んでなくても楽しめる。 けど、読んでいた方がもっと楽しめる。 ウダヒマで無茶な事ばかりしていた子供達が30歳越えてオジサンと呼ばれる世代になって いろいろ変わってしまったけど根本的な部分は変わらず それぞれがいろいろなモノを抱えながら生きて行く描写が素晴らしい。」(ひさとみさん)
「ウダヒマの脇役・蘭岳四郎とJソン(松郷勇)が主役なのですが生き方も価値観も違う2人のやり取りや対比が面白いです。」(しろこさん)
「30代になっても悪ガキな四郎と社会人として丸くなったJソンの対比が面白いです。ヨネコの画力は秋田書店の神クラス。」(nst2460さん)
「スリル溢れる展開と抜群のスピード感、そして違う価値観ながらもコンビとなってゆく四郎とJソンを軸にした人間模様とドラマ。とにかく面白いです。」(pront1885さん)

第1位 (42P/12人)
『ブルーイッシュ』梅田阿比(掲載誌:プリンセスGOLD)
「梅田阿比先生が拠点を少女マンガに移して戻ってきた! 超能力者3兄妹の寄る辺のないふわふわした感じが良いです。」(えぬさん)
「阿比先生の描く妖艶な絵と、少し悲しくも優しい世界が魅力的。
」(青の666号さん)
「サイキック三兄妹の長兄の亜生と妹の知那ちゃんがすごい可愛い!
三歩前に進むために二歩進むようなけなげな兄妹がせつなくもいとしい。」(だだにゅさん)
「少女誌に移ったアビ先生の本気。
じゃのめもそうだったけど、この人の描く痛くて優しい「家族」の物語は心に突き刺さります。全ジャンルで今年のブッチギリ1位。」(nst2460さん)
「梅田阿比先生らしいしっとりとした作品。掲載誌によく合っている作品。」(しんせんさん)
「少し哀しく少し切なくそして優しい世界と梅田先生のやわらかい絵が綺麗にマッチした作品。ゆっくりでいいから続いてほしいなあ。」(pront1885さん)



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…というわけで、今年は週刊少年チャンピオンから少女マンガ雑誌である「プリンセスGOLD」へ移籍された梅田阿比先生の『ブルーイッシュ』が投票者の半数以上に選出されてのダントツ1位となりました!
少女マンガというフィールドに違和感を感じさせない繊細で柔らかな画風と、足りない部分を補うように寄り添う血のつながらないサイキック兄妹3人の優しい物語がマッチして、男女問わずに愛される作品となっているようです。
チャンピオン読者としては少し寂しいけれど、梅田先生の持ち味を活かせる雑誌で活躍してくれることはいちファンとしても大変喜ばしいと思います。
第2位『報道ギャングABSURD!』はこちらも週刊少年チャンピオンから移籍された米原秀幸先生の新作。第5位にも同じく米原先生の『VisionNOA』がランクインしております。
どちらの作品も、週刊少年チャンピオン『ウダウダやってるヒマはねェ!』に登場したキャラクターをメインに据えたスピンオフともいえる作品ですが、
単にスピンオフとしてではなくそれぞれの作品が独立して楽しめる部分が高評価を得ています。
『フランケン・ふらん』と『trash.』は昨年もベスト10にランクインした作品ですが今年はさらに上位にランクインしており、その人気をさらに裏付ける結果となったのではないでしょうか。
2年連続のベスト10入りはこの2作と『嫁姑の拳』の3作のみ。
『嫁姑の拳』は選出者コメントがそろいもそろって「もっと売れて欲しい」なのが泣けます!
逆に『ミカるんX』は昨年の13位からベスト10入りとなった珍しいケースですね。


このランキングを見ていると…チャンピオン読者好きに秋田書店好きが多い、ということもありますが、
「週チャン読者は週チャンを去った作家の作品も追い続けることが多い」
ということもいえるかもしれませんね。
作家と読者の見えなくも強い絆を感じます。


では、10位以下のランキングです。


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第11位 (10P/3人)
『真マジンガーZERO』原作 永井豪・脚本 田畑由秋・作画 余湖裕輝(掲載誌:チャンピオンRED)
第12位 (7P/2人)
『猫神やおよろず』FLIPFLOPs(掲載誌:チャンピオンREDいちご)
第13位 (5P/2人)
『恐怖博士の研究室』根本尚(掲載誌:ミステリーボニータ)
第14位 (5P/1人)
『NONすけ~る』青本もあ(掲載誌:チャンピオンRED)
『やまちち』吉沢秋時(掲載誌:ヤングチャンピオン)
第15位 (4P/1人)
『ヨメイロちょいす』tenkla(掲載誌:チャンピオンRED)
『三国志ジョーカー』青木朋(掲載誌:ミステリーボニータ)
第16位 (3P/2人)
『ライコネンの熱帯魚』山西正則(掲載誌:チャンピオンRED)
第17位 (3P/1人)
『増殖少女プラナ!ちゃん』晴瀬ひろき(掲載誌:チャンピオンRED)
『HONEY×BULLET』竹内未来(掲載誌:プリンセスGOLD)
第18位 (2P/1人)
『ひみchuの文子さま』マツリセイシロウ(掲載誌:チャンピオンRED)
『東のはて通り異聞』吉川うたた(掲載誌:プリンセスGOLD)
第19位 (1P/1人)
『まおゆう魔王勇者 丘の向こうへ』原作 橙乃ままれ・作画 峠比呂
『彼女はUXO』kashmir(掲載誌:チャンピオンREDいちご)
『ゴッドサイダーサーガ 神魔三国志』巻来功士(掲載誌:ヤングチャンピオン烈)
『海賊姫~キャプテン・ローズの冒険~』山下友美(掲載誌:プリンセスGOLD)
『いびつ』岡田和人(掲載誌:ヤングチャンピオン)

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やはり、トータルで見ると昨年同様REDが強い傾向にあります。
世間で売れているというか、話題になっている『ハカイジュウ』や『ハルポリッシュ』などに1票も入らなかったのは意外なところです。

週チャンに限らず「単行本が出ない!」とか「本屋に並んでない!」という問題点が尽きないのが秋田書店ではありますが、
様々な問題点にぶーぶー言いつつもやはり秋田書店の漫画は個性的で面白いものが多いと思えるランキングになったのではないかと思います。

また、ブログ参加者様のまとめは別記事にまとめておりますので、ぜひとも皆様のアツイ想いを直接読みに行ってみてくださいね!


というわけで、今年も秋田書店から面白い作品がたくさん生まれることを期待しております。
明日は、「秋田書店以外編」の発表です!