『まじもじるるも 魔界編』渡辺航/月刊少年シリウス連載中
1巻発売までの間は気が遠くなる程長く感じたものですが、2巻発売までは結構早かった気がします。『まじもじるるも 魔界編』2巻!
1巻のラストで衝撃の再登場を果たした”主人公”柴木耕太!その復活の裏にある真相は?そして、耕太と再会したるるもは…?と気になる続きは勿論のこと、さらに二転三転四転とウルトラハイスピードな展開が読者を待ち受けています!


改めて単行本でまとめて読むと、なんとまあ密度の濃い作品なのだろうと思います。毎回が超展開。
耕太復活の背景が描かれ、とうとうるるもと耕太のういういしいラブモード突入!さらに前作『まじもじるるも』のノリを思い出させる女湯潜入・煩悩炸裂回!…といった平和な空気もつかの間、魂晶を盗んだ容疑をかけられてるるもは魔界管理局に拘束されてしまいます。さらに、るるもには本来の容疑とはまったく異なる濡れ衣が着せられて…。無実の罪で囚われの身となったるるもを奪還すべく、耕太とハルリリたちが動き出す!


…というのが相当ざっくりとした説明ですが、2巻のあらすじです。
毎話漫画のジャンルが違うと言ってもいいほどの展開の早さです。なんだこれは~!!超スピードです。といっても何かを端折っているわけではなく、ラブコメ分もエロコメ分もシリアス分もすっごく濃ゆい、です。このページ数でこれだけの要素を詰め込んで展開させていくことって可能なんだな。渡辺先生はつくづく「まんがのプロ」だと思います。読ませる読ませる。楽しませる。それに徹してる。
シンプルに結果だけで言うならば、1巻では大好きな人を失って、ひとりぼっちになって、それでもがんばって取り返そうとしていたるるもが2巻では囚われのヒロインとなるんです。この事実だけでも超展開だと思うんですよね…。


でも、1巻でそれだけ頑張っていたからこそ本当に心の底からるるもには幸せになって欲しい、と思うんです。
るるもは自分から誰かを頼ろうとするような子ではありませんでした。魔女内でのいじめに合っても、自分さえ我慢していれば良いという考えの子でした。だから、耕太が自分を助けに来ても一緒に囚われたチロを助けてもらうことしか考えていなかった。
それでも人間界での暮らしを経て、ふたたび耕太と出逢い、ハルリリという親友とも絆を深め、心から自分の幸せを願ってくれる相手がいることを知り…自分の幸せが誰かの幸せになることを知って、るるもは意識を改めます。
耕太がるるもに「幸せに生きる」ことが願いだと告げた時の、るるもの返答がいままで魔法で耕太の願いを聞くときのそれと同じであることに安堵と感動を覚えました。…るるもは、そう答えたときは必ず耕太の願いを叶えてきたから。


一方でこの『魔界編』最大の活躍ともいえる動きを見せているのはハルリリの使い魔であるミミであると断言できます。
もともと耕太に対してヤンデレ的な愛情を持っていたミミ。その愛の名のもとに耕太を復活させた張本人…というだけでなく、さらにこの巻の終盤でも重大な…むしろチートレベルの大活躍を見せます。正直なところ魔界編の展開の中でもミミの凄さだけはツッコミ入れたいとすら思うレベル!
るるもと耕太の相思相愛ぶりは文句なしなのだけれど、ミミちゃんにも本当に幸せになって欲しいなあ…としみじみ思います。2巻の扉絵の耕太がミミ目線なところも泣ける…。


本誌の展開もやっぱり「どうなっちゃうのこれ?!」の繰り返しです。2巻のラストもそうでうけれど、これが1話前で終わっても、その1話後で終わっていてもやっぱり「どうなっちゃうのこれ?!」だったと思います。目が離せない…。
あと…あまりに盛りだくさんすぎて感想も書ききれないくらいあるのですが、あえて言及するならば渡辺先生の描く女の子が乳首解禁されたことには相当ぶったまげました。ほぼモブキャラですけれどこれ結構な事件だよ…?



過去エントリ
まじもじるるも/渡辺航 1巻 - 漫画脳
子魔女は空よりやさしいパンツの夢を見るか? まじもじるるも 2巻/渡辺航 - 漫画脳
輪は広がり、愛される子魔女 『まじもじるるも』3巻 - 漫画脳
漫画脳:ほんわか、ちょっぴりせつない、あとるるもかわいい。 『まじもじるるも』4巻
漫画脳:すべての女の子とおっぱいに幸あれ!! 『まじもじるるも』5巻(渡辺航)
漫画脳:もうひとつの”オタク少年へのエール” 『まじもじるるも』6巻(渡辺航)
漫画脳:衝撃の別離―…るるもの新たな日々の始まり 『まじもじるるも』7巻(渡辺航)

漫画脳:”頑張る女の子の物語”  『まじもじるるも 魔界編』1巻(渡辺航)