『Smoking Gun 民間科捜研調査員 流田縁』横幕智裕+竹谷州史/グランドジャンプ連載中
コミックビーム読者にはお馴染みの竹谷先生、最近は様々な方面で描かれているのですが集英社とはちょっぴり意外なところでの連載。期待以上に面白かったです!


主人公の流田縁は民間科捜研の調査員。
訊き慣れない職業ですが警察が取り扱わないような民事的な事件、それがたとえ些細なトラブルであっても科学的に証明してみせるのが民間科捜研です。…ただし有料で。
「スモーキングガン」とは、[決定的証拠]の意。
痴漢の冤罪証明から、自殺か事故死かの判別、ストーカー行為の証拠…あらゆる事件の目には見えない証拠を徹底的な科学的検証で探し出すのが縁たちの仕事。
科学的…といってもその調査方法は実に地道。交通事故で携帯電話が壊れたときの状況を調べるためには実際に幾つもの携帯電話を破壊してみたりと時に泥臭いとすら思える手段を取ることもあります。しかしそういった検証があるからこそ最も「事実」に近いスモーキングガンを得られるのであり、妥協のない調査を行うためにも「有料」という条件は当然の如く頷けます。


科学的検証によって事実に近づく、というと何となく淡々と事件を暴くようなクールな物語を想定してしまいそうですが実際はその逆。
縁の言葉を借りると、
「民間科捜研の仕事は犯人を探すことだけじゃない
そこにどんな事実があるのか見つけ出すことなんだ」
人間の記憶や感情は時にあやふやで、真実とはかけ離れていってしまうこともあります。
縁たち民間科捜研の仕事は、そういった記憶や感情だけではどうにもできず、また警察には根こそぎ調査してはもらえない闇にまぎれた事実を見つけ出すことで当事者の心をも救います。悪事は見落とさず、苦しむ人々の救いとなる”スモーキングガン”に辿り着いた瞬間の気持ち良さったら。ひとつひとつのエピソードの読後感は実に爽やかです。


話として似ているわけではないのですが、少しだけ読んでいて『ブラック・ジャック』に近い印象を受けました。
他の誰かには救えない、彼だから出来る仕事がある。読み手としても信頼できる主人公。
…といっても縁は普段は変わり者でスケベで、BJ先生のようにはクールじゃないですが(笑)。相棒のような幼女もいるしね!


そんな凄腕の調査員・縁ですが彼がこの民間科捜研で働く理由も、また彼自身の過去にも大きな謎が隠されていて。
縁自身が「記憶と事実」が一致せず苦しむ人間でもあるわけです。
今後はそんな縁の抱える闇がどう暴かれていくのか…と思いながら読んでいたところで迎える1巻のラストはあまりにも衝撃的でした。辛いところでもあるけれど、漫画としては続きが気になって気になってしょうがない面白さ!2巻の発売が待ち遠しいです…!!


ちなみに、スモガンも面白いですが竹谷先生オリジナルの新作も待ち遠しいなあ…なんて。
『まっしろけ』は素晴らしい作品だったのでまたビームに帰ってきてくださる日を待ち望んでおります。
竹谷先生のデビュー作『PLANET7』はJコミで読めるよ!
Jコミ | PLANET7
これも大好きな作品です。キャラクターが皆愛おしい。
ビームで読んでいた作品で単行本を持っていないのでこうして再び読めることに感謝。


過去記事
ただひたすら、白く在れ 『まっしろけ』1-2巻 - 漫画脳