『きのこいぬ』蒼星きまま/コミックリュウ連載中
漫画界の片隅でひっそりと生まれた名キャラクター・「きのこいぬ」。
昨年刊行された1巻にはナンバリングはなかったのですが、なんと2巻が刊行されました!嬉しい!
1巻は主に愛犬を亡くして無気力な日々を送っていた主人公の絵本作家・ほたるが庭に生えたピンクのきのこが動き出して現れた謎の生物「きのこいぬ」に出逢い、2人を中心としたちょっぴりセンチメンタルでハートフルな日々の始まりが描かれていたわけですが、2巻では共に暮らすことにも慣れ始めた彼らの他愛のない日常生活が物語が主軸になっています。 


描かれるのはそんな日々の中のささやかな事件。たとえばきのこいぬと新たな好物「たこ焼き」との出逢い。
単においしいものに出逢えたというだけではなくて、ほたる達とワイワイテーブルを囲んでたこ焼きを食べるひとときに幸せを感じるきのこいぬがとてもかわいいのです。
きのこいぬの何がいいって、とにかく自分の幸せに忠実なところだと思うんです。
ほたるのことが大好きで、愛されるために犬の姿をして現れたきのこいぬ。
そのくせおいしいものがあるとほたるの分も食べちゃいます。まったくの無遠慮。
要するにワガママなんだけど、ある意味では凄く純粋なんですよね。
ファンシーな見た目に反して、愛くるしくあろうとは決してしない図太さがいい。
きのこいぬの癒し効果というのはその可愛さだけでなく、本能のままに動くきのこいぬの姿を見ていると細かいことを気にして神経をすり減らすのがアホらしくなって元気が出てくるという部分もある気がします。



そんなきのこいぬですが1巻に比べるとかなり成長している部分も見られます。
以前は文字を書く練習するにもそこら辺に書いた紙を散らかしまくった挙句ほたるの原稿にまで書き散らかしていたのに、今ではスケッチブックにお絵描きをして散らかす様子はありません。
多くは説明されませんがそういった小さな成長が見受けられるところを見ると一緒に生活するというのはこういうことなのだろうなあ、としみじみ思ったりもします。


蒼星きまま先生の受賞作であり、デビュー作である『きのこいぬ』がそのままシリーズ化しているわけですが回を重ねるごとに描き慣れていっているのが見て取れます。
特に、きのこいぬのビジュアルは結構変化しているなあ、と。
最初は比較的ほっそりのっぺりしていたのですがいまではすっかりまるっこくなりました。メロンパンとたこ焼きの食べすぎではなかろうか(笑)。
きのこいぬの生態だけでなく、ほたる・女性編集者でほたるの幼なじみのこまこちゃん・ほたるのファンでガチホモの矢良くんの特に進展のない三角関係(?)もゆるく可愛い。
1巻である程度きれいに収まっているので下手すると「無理に続けてる感」が出かねない状態での連載続行ですが、自然な形で作品の方向転換がされているので安心しました。これからも彼らの生活を覗いていけたらいいな~。


漫画脳:いぬじゃないよ、きのこいぬ。 『きのこいぬ』(蒼星きまま)