『サディスティックフルロマンス』高槻ナギー/コミック@バンチ連載中
最近新規開拓があまりできていなかったのですが…
ひさしぶりに「このまんがすっごい!!みんなにおしえなきゃ!!」と思える作品に出逢いました。
@バンチ連載中の高槻ナギー先生『サディスティックフルロマンス』、ただいま第1巻が発売中です。
平凡な男子高校生、田中@太郎(アタロウ)の前に突如謎の全裸美少女が現れた!
ご都合主義的エロコメの如く迫る美少女に目がくらみ飛びかかるアタロウ。しかしその現場を撮られた挙句、しもべとして従うよう脅迫される羽目に陥ります。
そんな小狡い手を使う謎の美少女の名は「ハラキ・リスカ」。
120年後の未来からやってきたと自称するリスカの任務は、現代から50年後の未来に人類を滅亡の危機に晒す人間をこの時代で暗殺すること。
そんな重大な任務を口にしながらも制服を後ろ前に着ちゃったりするどこかトンマな美少女と、その任務を語るついでのようにサラリと「余命一年」と告げられたアタロウ。
意外と深刻な事実を孕みながらも、最初のうちはとにかくハイテンションコメディのノリで展開していくのですが…。
はじめのうちは任務はどこへやら?なノリでこれから歴史に名を残すという偉人…となるアタロウの級友女子たちの能力を覚醒させたりと奔放に動くリスカ。
その内容も未来で大剣使いの異名をとる少女の元に強引にトラックで突っ込んで覚醒させたりとか、それはもう無茶苦茶なものです。
いちいち身勝手なリスカとアタロウのツッコミの軽快な掛け合い、結構な頻度で登場するサービスショット、好き嫌いは分かれる部分かもしれませんが流行ネタまで(みくみくとかタイバニとか)ふんだんに詰め込んでいて単純にドタバタコメディとして十分に楽しめるのが前半。
未来人リスカの特徴としては命のストック=「残機」があるというのがポイント。
第一話からリスカの命を狙う刺客も現れるものの、攻撃を受けて一度死んだけど残機あるから平気☆というのが完全にギャグとして描かれていて見せ方がとことん軽いのです。
(↑これは実は残機0の状態での場面なのですが…)
頭を撃ち抜かれても平気。
血まみれになっても平気。
でも、そうやってどんな攻撃を受けても何ともなかったリスカが本当に動けなくなってしまった時…作品の雰囲気は急転し、リスカが現代にやってきた本当の目的が告げられることとなるのです。
自分がこの作品を知ったきっかけは渡辺航先生の読切目当てで買った@バンチ誌上でのことで、1巻には収録されていない分のシリアス回を何の説明もなく読んだだけでした。
前後も設定もまるでわかっていないそのたった1話に「この漫画は絶対面白い!単行本買おう!」と決意しただけのエネルギーがあったんです。
その決断は間違っていなかったと思います。
コメディパートにはエロも下ネタも流行ネタもパロネタもじゃっかん過剰なくらいに練り込まれていますが、それが鬱陶しく感じないくらいに軸がしっかりしているという印象。
ドタバタした中でも物語の重要な軸は常に描かれ続けていて、シリアス路線への急展開でも作品としてはぶれていない、というか。
リスカのばるんばるんなおっぱいにつられて、とかきっかけはそういうのでもいいからとにかく手に取ってみて欲しい漫画です。あんまり普段思わないことなのですが、アニメで観てみたい作品だなあ。とか思ったりします。エンターテイメント詰め込んだ感じの漫画作品。
裏表紙に「2巻のほうがおもしろいよ」と描かれている潔さもいいですが、注目すべきは表紙でもあって、この表紙に描かれている涙を流しながらこちらに銃を向けるリスカはなんと「最終回のラストシーン」だというから驚きです。ね、興味でてきませんか?
発売時を逃したのがちょうくやしいですが、2巻の発売がめちゃくちゃ楽しみです。
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