週刊少年チャンピオン43号(9月19日発売号)に掲載されていた『木曜日のフルット』は鯨井先輩(無職のおねえさん)がOL生活を妄想する、というネタでした。
その中のひとコマがこちら。
このOL鯨井さんに挨拶している同僚とおぼしき男性。一見何の変哲もないサラリーマン、といった雰囲気ですが実はこのキャラは作中にすでに何度も登場しているキャラなのです。
初出は単行本1巻収録「循環の巻」で、鯨井先輩が思いついた「ファンタジー・サギ」(妖精のふりをして見知らぬ人に金銭を要求するというじゃっかん恥知らずなサギ)に引っかかっている人のイメージで登場していました。
「妖精界がゴブリンと戦争になって大変なので軍資金を援助してほしい」というやり口に実際引っかかる人はまずいないとは思いますが、鯨井妖精の可憐さ?についつい乗せられてしまうサラリーマン…という役どころです。
さらに、次のページに収録されている「闇の商人の巻②」でも時間を止めることができるアイテムを手に入れたフルットがその使い道を考えているときに「時間を止めているすきに公園で弁当を盗み食いする」というアイデアを想像している場面で再登場。
1巻を読んでいてそれに気づいたときには「公園で弁当を食べている」という同じシチュエーションが描かれていたのでたまたま同じキャラで描くという石黒先生の遊びなのかな?と思っていました。
しかし彼の出番はこれだけにとどまっていません。
2巻では「豆の巻」で鬼たちが語る豆まきする人間のイメージとして、「クリスマスの巻③」では新米サンタが一般家庭の親御さんがサンタの仕事を賄ってしまうのでサンタ業界が廃業寸前…と語っている中でそのイメージ画として登場しています。
本当に何気ない場面にひっそりとではありますが、意外と登場回数が多い!
忘れたころにキャラクターが再登場すること自体は珍しくない『フルット』ですが、名前もないキャラとしては異例ともいえる登場数のモブリーマンさん。
そしてよくよくこれらの登場シーンを見直してみると毎回「誰かの想像」「誰かのイメージ」内なのですよね。つまり、鯨井先輩やフルット達が存在する世界には彼は実在していないと思われます。それでいて想像の中で彼を思い描いているキャラクターは鯨井先輩であったり、フルットであったりと心の中にモブリーマンさんを存在させているキャラクターは一人ではないという。すっごく不思議なキャラクターなんですよね。
忘れた頃にサラッと登場していく空想モブリーマンさんの存在感。
こういう仕込み?の多さも石黒先生漫画の楽しみです。
過去エントリ
漫画脳:ゆるふわかわいい!それでいてコクがある! 『木曜日のフルット』1巻(石黒正数)
漫画脳:分からなくても楽しい、分かればもっと楽しい 『木曜日のフルット』2巻(石黒正数)
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