2012年12月21日―…。
ここ数日というものネット上で「マヤ」という2文字をよく見かけますね。そうか…そんな時期か。そんなにみんなマヤよーこ先生が好きか!!!わたしもだ!!!!というわけで今日はいまから20年程前にご活躍されていた児童向け漫画家「マヤよーこ」先生の話をします。しますったらします。
自分がマヤよーこ先生の作品に出逢ったのは小学生の頃愛読していた雑誌「ぴょんぴょん」を通してです。
「ぴょんぴょん」はかつて小学館から刊行されていた女子児童向け雑誌です。現在でもカルト的な人気を持つ『ビックリマン 愛の戦士ヘッドロココ』や『光のパンジー』等の作品を輩出しつつも創刊から数年で「ちゃお」に吸収されて休刊したというちょっぴり哀しい末路を辿っています…。(余談ですが、現在も「ちゃお」で連載中の『こっちむいて!みい子』は「ぴょんぴょん」からの移籍生き残りなんですね)
「ぴょんぴょん」でのマヤよーこ先生初連載作品がこちらの『とんで!小鳥ちゃん』。
この作品の主人公は動物病院の娘で動物が大好きな心優しき小学三年生・空野小鳥ちゃん。小鳥ちゃんは動物の神様の使いであるオウムのコロンに出逢い、その優しさを認められて魔法の羽かざりを授かります。不思議な魔法の羽の力を借りて、小鳥ちゃんは町の人間と動物がもっとなかよく暮らせるようにがんばってゆきます。
羽かざりには「動物たちとおしゃべりできる」「動物たちの能力が使える」という力があります。能力というのは、たとえば身体に鳥の羽が生えて空を飛べたり、ネコ少女に変身して夜道を駆け抜けたりと。万能ですね。
子供心にしてみると「動物とおしゃべりする」「変身して空を飛んだりする」という夢をふたつもいっぺんにかなえてくれるアイテムです。
といっても小鳥ちゃんと動物たちが直面するピンチは結構シビアなものが多いです。動物を盗んだり密猟して金もうけしようとする大人とか、人間たちの身勝手で汚される自然だとか。小学生の女の子が立ち向かうには結構重い話もあるんですが、小鳥ちゃん持ち前の優しさと明るさでなんとかがんばっちゃいます。うーん、なんというか、一言でいうとファンタスティック社会派まんがといったところでしょうか。
小鳥ちゃん自身が動物病院の一人娘で、しかも魔法の羽の力で動物たちとおしゃべりができるというある意味では「恵まれた」環境であるがゆえに動物とうまく接することができない人間の友達との間にすれ違いが生じることもありますが「人間と動物がもっとなかよく暮らせるため」に互いの意思をつないでゆく姿のいじらしさったら。大人になって読み返してみて改めてこの作品に出逢えてよかったと実感しています。
…そして、この『とんで!小鳥ちゃん』の魅力はそれだけではありません。
マヤよーこ先生の柔らかい描線で描かれる女の子と動物たちの愛くるしさ。キラキラした瞳といい、動物たちの毛のふわふわさといい、なにもかもが可愛いんです!!
さらに…子供の頃は気づきませんでしたが、よくよく見ていると…
…
……
結構あざといですね。
大人になって読み返してみて改めてこの作品に出逢えてよかったと実感しています。(本日二度目、そして台無し)
この『とんで!小鳥ちゃん』はてんとう虫コミックス全2巻で単行本化されていますが、その後の「ぴょんぴょん」連載作品『デュエットで走ろう』は現在も単行本化はされていません。
ササナミ家に現存する「ぴょんぴょん」最終号にはこの『デュエットで走ろう』の最終回が掲載されていますが、この作品は『とんで!小鳥ちゃん』の社会派分をさらに強くしたような内容でした。
その内容は「1千年後の未来から地球全滅の危機を救いにやってきた地球最後の生物・仔犬のやんちゃが内気な少女・くるみと地球全滅のきっかけとなる世界最大のオイルタンカーの火災事故を防ぐ」という物語で…いや自分も今久々にあらすじを読んで改めてびっくりしたんですが結構なハードモードですねこの話。
最終回だけ読み返しても涙腺が緩む程度には名作だったので今からでも単行本化して欲しいと思い続けて早数年…。
「復刊ドットコム」でも多くの投票を集めているのでどうにか叶ってほしいと切に願っています。
マヤよーこ先生について語るよ!といっても実際のところ「ぴょんぴょん」掲載作しか読んでいないのでファンとしては中途半端感がありますが絵も物語も大好きです。
なかなか古本屋などでも発見しづらい作品たちだとは思いますが、見かけられたらゼヒともお手に取ってみてください。ぴょんぴょんの話はまだまだしたりないのでまた次の機会に!
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。