『サディスティックフルロマンス』高槻ナギー/コミック@バンチ連載
ササナミが2012年メチャクチャイチオシしまくった『サディスティックフルロマンス』第2巻が発売されましたよ~!!!!!
帯をめくったらお色気モモちゃんのナイショの部分が…と思わせつつ帯じゃなくてそういうデザインでした。なんという手のこんだいやがらせ!


とはいえ内容はハイテンションコメディの1巻から転じてシリアスメインです。
120年先の未来から「人類を滅ぼす危険人物を暗殺するため」に田中@太郎(アタロウ)の前にやってきた少女、ハラキ・リスカ。リスカは重要な使命を背負っているそぶりを殆ど見せずにアタロウを振り回して暴れる日々。しかし突如リスカの上司と名乗る男、朱紋峰アマツが現れて事態が急変します。アマツはリスカとリスカを追って未来からやって来た少女・モモを次々と倒し、その光景に成すすべもなく動揺するアタロウ。意識を失う直前にリスカが言った「僕は人類を救いに来たんじゃない 君を助けに来たんだ」という言葉の真意とは…?


そこでアタロウが見たのは幼い頃のリスカの記憶。いまでこそ常にハイテンションのリスカはかつて読書ばかりしている無口な少女でした。
現在のリスカを形成したのは幼き頃に研究施設で共に暮らしていた少女たちの存在。非情すぎる運命に抗えず倒れていった少女たち…リスカが身に着けている衣装も、口調も、何気ないと思える物たちにはその存在から生まれた大きな理由があったのです。
たとえば1巻で、後の世界で偉人となりカードゲームの絵柄にまでなるというアタロウの同級生・有須ユウを目撃したリスカの「か 可愛いでござるぅ りりしいでござるぅ」という台詞、一見ただのテンションが高いだけの台詞のようですが、その言葉にも大きな意味が含まれていました。
まさか想像もしていなかったところに伏線が含まれていて驚きの連続です。2巻の読了後に1巻を読み返さずにはいられませんでした。


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リスカを含めた少女たちを追い詰め続けてきたのがこのアマツという男。独自の理論を展開し続け、命を何とも思わぬようなその素振りにアタロウも眉を顰めます。
しかし…予想もつかぬ展開の末、アタロウの前に立ちはだかっていたのは…!?


相変わらずのハイテンションギャグ面も保ちつつ、その裏には各々が過酷な運命を背負わされていることが判明してどこか儚さを感じさせる2巻。
ほんっっとに、世界観もキャラクターも台詞回しも凄く好きです面白いんです!なんで売れないのかわからない!
なんというか、この世界観がツボにハマる人はきっとたくさんいるはずなのに気づかれていないだけとしか思えないです、じつに勿体ない…。
ていうか、バンチコミックスってもともと書店にあんまりないんですよね…週刊コミックバンチ時代に渡辺航先生の『華探』がまったく書店に置いていなかった過去を思い出してつらい。新潮社ってコミックはあんまり得手としていない印象があるし…(涙)。
非情な運命を持つ少女たち…という設定がツボな(わたしのような!)人にも是非とも読んでいただきたいです。


アタロウの、リスカの、そして人類の未来は…?
少しでも気になった方!いまからでも1・2巻まとめ読みしよう!
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漫画脳:ハイテンションコメディ…からの急展開!表紙に仕掛けアリ! 『サディスティックフルロマンス』1巻(高槻ナギー)