『飯田橋のふたばちゃん』原作・横山了一 作画・加藤マユミ/WEBコミックアクション連載
期待と不安、とりわけ不安が募る中ほんとうに刊行されてしまいましたよ『飯田橋のふたばちゃん』!
擬人化の並もここまで来たかといった所ですが…漫画出版社界隈を女子高生化した愉快痛快4コマがついに書籍化です。


この作品、一言で言うならばとにかくヤバい。
主人公の双葉ちゃんはともかく(出版元なので)、集英ちゃん、講談ちゃん、小学ちゃん、秋田ちゃんといったお友達の「個性」がヤバい…!
「漫画出版社」擬人化ということで、それぞれの特徴となるのは”(主にヒット作の)作風”と”社風”。
これでもかというくらいに各出版社の代表作っぽい顔つきやら言動やら擬音やらを再現してしまう”作風”の面と、もはやタブーに近いレベルの黒歴史までほじくり返す”社風”の面とが相まって…どこまでもヤバいです。ヤバくない部分のほうが少ない!
作中では自分のキャラが掴めずツッコミにまわる事が多い双葉ちゃんですが、この作品を刊行したのが双葉ちゃんだと思うとかなり豪気なコのように思えてきます(笑)。


まあ、読んでこれはヤバいぜ!と言うのは簡単なのですが、ヤバいと感じることが多ければ多いほど、盛り込まれたネタの量がものすごいということでもあります。
どの出版社でいまどのジャンルや作品が盛り上がっているのかとか、その作品の特徴やウケているポイントがどういう部分なのかとか。かなりリサーチ&研究されているんですよねぇ。
ただ「ヤバい」だけじゃなくて、それぞれの出版社の魅力がきちんとキャラに活きているんです。
カワイイ3等身女子高生キャラクターというのはヤバ気なネタを中和させるという役割も補っているとは思いますが(笑)、実際のところ各出版社のアクの強さがキャラクターの魅力としても還元されていると思うのでカワイイけどヘンな子、個性の強い子が揃う女の子モノが好きな自分にとっては普通に天国です。たまらん。
特にあしのふとさがいいです。たまらん。


-ふつうの感想兼前置き終了-
さて、そのなかでもやっぱりダントツで秋田ちゃんが可愛いです。ヤンキーで白目だけど可愛いんです。誰がなんといおうと推しメンは秋田ちゃんです!
「秋田=ヤンキー」だと世間的にやっぱりな~って思われてしまうのでしょうが、それだけにとどまらないのがこの作品!
秋田ちゃんはケンカだけでなく野球に自転車に相撲までこなす!
そして放った一言は
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「”とりあえずやってみろ”がアタイのモットーだからよォォ!!」
かっこよすぎる。秋田ちゃんのそんな姿勢がすきです!
「連載がある程度続いても売れなそうなコミックスは出さねー」
「一巻で打ち切るのがウチのやり方なんだよ!!」
等の看過できない発言もありますがそれもご愛嬌だよね…☆(盲目)
(ていうか説得力がありすぎて泣ける…
極☆漫の2巻待ってたのにひどいよ秋田ちゃん…)


作中のキャラとしての秋田ちゃんは、見た目ヤンキー中身もヤンキーではあるんですが意外と喋ると常識人な雰囲気でもあります。
いやホラ、「見るからに異端」な秋田ちゃんだけど、打ち解けてみると実は親しみやすかったりするんじゃないかなと思ったり。だからみんな秋田ちゃんの漫画を読むといいよね。
一匹狼な面もありながら、画報ちゃんとは謎の固い絆で結ばれているところなんかもうわかりすぎて困ります。
そんな秋田ちゃん推しにはカバー下はお宝でした!やっぱり秋田ちゃんが世界一かわいい!


ある程度漫画好きとか、書店員さんは特に楽しめるんじゃないかなと思いますよ。秋田ちゃん並の「1巻で打ち切り」が発動しないよう、各元ネタのえらい方々の懐が広いことを願わずにはいられませぬぞ。