いや~、これは予想できなかった。
わたくし、秋田書店公式サイトの新刊予定を定期的にチェックするのが習慣のようなものなのですが、ふと覗いて「あれ、10月発売予定ってもう更新されてるんだー」と思った次の瞬間。
目を疑いましたよ…。
新装版 電車男 ~でも、俺旅立つよ。~ 上巻 | 秋田書店
新装版 電車男 ~でも、俺旅立つよ。~ 下巻 | 秋田書店
渡辺航先生版『電車男』がまさかの復刊。
チャンピオンREDコミックスとして2005年から2006年にかけて全3巻で刊行されたものが、上下巻に再編されて新装版として発刊されるようです。
『弱虫ペダル』30巻発売&おそらくアニメ放送開始時期に合わせてきたのでしょうが…『フルアヘッド!ココ』新装版といい、最近の秋田書店様の羽振りの良さ(何か違う)にはおののきます。
元々『電車男』はチャンピオンREDにてそれまで連載されていた渡辺先生の作品『制服ぬいだら♪』を打ち切りにしてまでコミカライズ連載をさせられた(言葉悪いですが)渡辺先生ファンにとってはある意味いわくつきの作品。
私自身もしばらくは複雑な思いがあったのですが、しっかり読むと”電車男”という原作の中にも渡辺先生らしいテイストが溢れる作品として完成されていて、今では「これはこれで、渡辺航先生の漫画作品の一つ」として受け止めています。
ちなみに作品としての魅力の解説は、自分が以前に書いたレビューがあるのでよろしければそちらをご参照ください。。。
今だからこそ渡辺航版「電車男」について語ろう - 漫画脳
(※外部サイト(はてなダイアリー旧漫画脳)です。もうこれも4年前の記事なのか…。)
同時期に3作品が連載された中で「電車男さんご本人が一番お気に入りのコミカライズ」という話もありましたネ。(帯に載っていたと思うのですが現物が行方不明です…)
原作にネームバリューのあるコミカライズ作品ということで、世間に多少渡辺航先生の名前が知られるきっかけともなったのがこの『電車男』ですが、『制服ぬいだら♪』が打ち切り、しかも最終巻発刊されず(※ただし後日講談社から復刊&最終巻発売されています)という仕打ちを食らうことにもなり、
また、『電車男』も雑誌上での掲載順が取り違えられるミスがあったり、単行本の売上が伸びなかったために予定よりも早期の連載終了となったという事実もあります。(当初は全4巻まで続く予定だったそうです)
…こう、冷静に振り返ると、というか『弱虫ペダル』連載開始時にも率直に思ったのですが渡辺先生はよく秋田書店に戻ってきてくれたよなあ、としみじみ思います…。本当に…。
そんな哀しい思い出の数々が蘇ってきて若干複雑な気持ちにもなりますが、『弱虫ペダル』の主人公・坂道がオタクという設定は当時のREDの編集長でもあった週チャン沢編集長が『電車男』をイメージして提案したことから生まれたということですし、ある意味ではこの『電車男』が『弱虫ペダル』の元になっている部分もあるということなんですよね。
良い意味でも悪い意味でも漫画家・渡辺航先生の転機を生み出している作品だったのかな…と思います。
原作付きの作品ではありますが、渡辺先生のルーツを探るには是非とも読んでいただきたい一作でもあります。
本音をいうなれば『まじもじるるも』や『制服ぬいだら♪』や『ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。(はなたん)』ももっと広まって欲しい作品ですけどね…。
あと講談社でも秋田書店でもどこでもいいから『サプリメン』単行本化を!!!!はよ!!!!!(血涙)
-------余談--------
ひさしぶりに『電車男』の単行本を開いたら折り返しの渡辺先生自画像が
「しばらく乗ってなかったチャリンコに植物がからまってた」
というネタでした。
今では考えられない。(笑)
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