『まじもじるるも』新シリーズ早くも3話目、の感想です。
ネタバレしかない!のでご注意ください。
相変わらず試行錯誤を繰り返しながら地上の中学校での呪文字収集生活を送る魔女3人。
…いや、試行錯誤をしているのは2人で、るしかは依然能天気です。制服のリボンのカワイイ結び方などに興味を注ぎ、任務のことは何も考えていないようですが…実は一番進展しているのはるしかでした。仲良くなった委員長の田部さんがるしかに対して発する言葉は好意=心がこもっているようで、普通に学生生活を楽しく送っているだけのるしかが着実に呪文字を”定着”させつつあります。るしかの「友達とわいわいしてたら定着するんだと思う」というあっけらかんとした発言を真面目に受け入れてすぐさま試そうと熱心な魔女・スラガがいる一方で、その発言を受け入れられない魔女も…。
頑なに名前を明かしていなかったのにるるもによってあっさりばらされてしまったジト目の魔女「モモヒメ」。彼女はこの呪文字収集による魔法システムの構築自体に疑問を抱いており、任務に対しても熱心というわけではなく自分の置かれている状況からいやいやながら進めている様子。そしてるしかの発した「友達」という言葉がとても気に入らないようで…。
モモヒメは魔界でも友達が居なかったといういわゆるぼっち系の魔女。不器用ながら友達を作ろうと明るく表情を作った結果クラスメイトには気味悪がられ、さらにモモヒメ自身が背負っているトレードマークの星に対して「超ダサイ」とバカにされてしまう始末。そんな仕打ちに心を閉ざしたモモヒメは「絶対もうバカとは話さない」と友達を作ることを断念し、別の方法での呪文字定着を模索しようと心に決めるのですが…
その時モモヒメの前に先程自分をバカにしたクラスの少女の姿が。倒れてきた資材に足を取られた少女は手のひらを返したような態度でモモヒメに救けを求めてきます。その時、言ノ葉の書には思いもよらなかった異変が!痛みを訴える悲痛な少女の声が呪文字として”定着”し始めたのです。心からの言葉、すなわちそれは優しいもの、良いものに限らず”痛み”や”恐怖”であっても反応するということ。それに気づいてしまったモモヒメは、これからどうういった手段で呪文字を収集しようとしていくのか…。
今回るるもが魔界に報告に戻る場面が描かれ、この「呪文字」による魔法システムは言葉の力を使って従来の「人の命」による魔法システムの弊害を軽くするためにハルリリと魔王が共同設計したものだと明かされています。犠牲をなくすための新システムの実験であるはずが、痛みや苦しみといったものによる呪文字収集が主流になってしまうのではまったく意味がなくなってしまいますよね…。それを阻止するためにも相変わらず能天気なるしかとまだメイン回のないスラガさんの活躍に期待したいところです。というか、明るい雰囲気で始まった「放課後の魔法中学生」編が早くもちょっとダークな雰囲気になりつつあるのがちょっと怖い…今回は明るいお話が読みたいなあ、と個人的には思っています。魔界編が結構なしんどさでしたから…。
あと今回ちょっと気になったのは注釈文のタイミングの悪さ…。
いきなり本編で出てくる前にモモヒメの名前と説明が1ページ目にあるんですもの。ちょっと無神経すぎやしませんかね…。
それと魔王様の紹介で「5011歳」と書かれていたのですが、これだと魔界編ラストから時間が経っていないということなんですよね。いまだにるるも、そして今回登場したハルリリ、魔王以外の旧作キャラクターが登場せず時間の経過がわからない中で魔王様の年齢が書かれてしまったということは、実際に前作から時間がほぼ経過してないのだとすると若干のネタバレ感(ここまで人間側のキャラクターが登場せず、どれだけの時間が経っているのかがはっきり描かれていないことから)がありますし、もしも本当は前作から数年経過しているのだとしたらこの説明文は先生と編集に意思の疎通が取れていないことになりますよね。どちらにしてもちょっと余計だなあと…。作品を素直に楽しみたいのにこういう部分が引っかかってしまうのはシリウス編集部にはちょっとガッカリだなあ、と思ってしまったのでした。
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