アニメ放送中で知名度も人気もうなぎのぼり中の『弱虫ペダル』の作者・渡辺航先生は月刊少年シリウスでも絶賛連載中だということをご存知でしょうか!!
もともとこのブログを読んでくださっている方に対しては愚問もいいとこですが、時期が時期なのでアピールしてみました…。
現在連載中の『まじもじるるも 放課後の魔法中学生』は以前の作品『まじもじるるも』(全7巻)『まじもじるるも 魔界編』(全4巻)の続編というよりは公式スピンオフに近いタイプの作品です。
『まじもじるるも』は魔界からやって来たおちこぼれの魔女”るるも”が人間界で過ごすドタバタ楽しい日々を描くコメディ調の作品。『まじもじるるも 魔界編』は一転、孤独と絶望の淵に立たされたるるもががんばる物語。るるもの物語は綺麗に完結しているため、最新作の『魔法中学生』では主人公たちの監査役という形で登場しています。
今作はルシカ・スラガ・モモヒメという3人の下級魔女が地上で任務をこなすお話で、ノリとしてはコメディタッチな作品に戻っています。
中学生として学校に通いながら周囲の人間が発する言葉を”言ノ葉の書”という書物に定着させ、”呪文字(まじもじ)”という魔力の源に変換させるのが彼女たちの任務。一見簡単そうに思われた任務ですがなかなかの多難ぶりで、特にルシカはオシャレなもの・かわいいものに目がなく任務よりも地上のファッション等に夢中で…。
そんな感じで『弱虫ペダル』からは想像もつかない世界観ですが、女の子だらけのおもしろかわいい作品となっています。
最新話は、るしかが中学で一番に友達になった女の子「田部優子」さんがメイン。
学級委員長をつとめる田部ちゃんは世間知らず(というか地上の常識知らず)で良くも悪くも目立つ存在であるるしかを気遣う心優しい少女です。
そんな彼女が…恋をしました。
お相手は図書館の司書さん。
すっかり仲良しになったるしかにそっと自分の秘密を話し、洋服を買いに行くのを手伝ってほしいとお願いします。
「かわいい命」なるしかですが魔界には男性がいないため「恋」にはまるで無頓着。恋とオシャレに関係があると知って、るしかはるしかで興味津々です。
がんばって溜めたお小遣いを持ってきた田部ちゃんの意気込みに応えるために全力でカワイイ探しをするるしか。
(この辺りの田部ちゃん七変化の様子は渡辺先生がほんとうに楽しんで描かれてる感じでニヨニヨしてしまいます)
いままで洋服に無頓着だった田部ちゃんはるしかに相談してよかったとそっと感謝しつつ、ふと図書館の司書さんを好きになったきっかけを語り始めます。
自分が探していた本をいっしょうけんめい、そして楽しそうに見つけ出してくれたその人が本当に本が好きだということ、それが自分と同じだということを感じてから動き出した小さな恋心。
結局のところ、洋服は高くて髪飾りしか買えなかった…という結果になってしまったのですが、その髪飾りをつけて司書さんのもとへ借りていた本を返しに行き、その変化を気付いてもらえた田部ちゃんの笑顔が…。
もうね、何度見てもこの表情だけで泣いちゃうんですけど…。かわいすぎる。
地味でオシャレに無縁な眼鏡っ子。そんな女の子が恋する気持ちを持ったときの優しく穏やかな表情を描き出すのが渡辺先生は本当にうまいです。描線からもその慈愛が満ちてくるかのようです。
そういえばというのも白々しいですが、私が渡辺先生ファンになったきっかけの作品でもある『制服ぬいだら♪』もドジでのろまだけれど心優しき眼鏡少女・果実みのりが恋する物語でした。
実は今回の『魔法中学生』はところどころ『制服ぬいだら♪』のセルフパロディ的な部分も見受けられました。
ひとつは、「洋服を買いに行く」というシチュエーション。『制服ぬいだら♪』3巻に収録されている12話「ゆるゆるぱんつでゴー」(※本当にこういうサブタイトルなんです)でみのりと妹のもぎたて(※本当にこういう名前なんです)が洋服を買いに行くお話でした。しかも、みのりたちが買い物に来ている街と、るしかたちが買い物に来た街並みがなんだか似ていたりもします。
(左:『制服ぬいだら♪』より 右:『まじもじるるも 放課後の魔法中学生』より 橋が特徴的ですね)
もうひとつ、「図書館の司書さんに恋をする」というシチュエーションは、『制服ぬいだら♪』5巻収録の24話「ラブリーうがうが」(※本当に(ry)でみのりのクラスメイト・うが子こと柔道少女の南チョコが恋をするエピソードと同じシチュエーションだったりします。キャラクターの性格などはまるっきり違いますが、ファンとしてはちょっぴりニヤリとさせられるものがありました♪
というのは余談でしたが…わたしが渡辺先生の漫画に惚れ込んだ理由こそが「恋する女の子」の可愛らしさ、一途さなので久し振りにこういうお話が読めてたいへんうれしかったです。
おまけに、最後にはるるもと前作主人公こと柴木耕太のその後もちょっぴり覗ける場面があったりして終始ニヤニヤしっぱなしなのでした!
『弱虫ペダル』の知名度ばかりが増していく現状が嬉しいような複雑なような今日この頃なのですが、いまこそ声を大にして渡辺航先生の真骨頂は片想い女子にこそあると主張したい!!!!
『まじもじるるも 魔法中学生』は来春ごろ単行本化の予定とのことですので…ペダルもいいけどるるももね…!!!!!!
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