制服ぬいだら♪復活に「うかれて」しまいましたがこちらも忘れるわけにはいきません。


子魔女るるもとシバによるニアデスコメディ・第2巻です。
1巻ではるるもとシバ以外のキャラクタではヤンデレ母さんくらいしか目立っていなかったのですが、少しずつモブキャラも充実してきました。やはり渡辺先生の漫画は大人数ドタバタが似合う。

最も躍進を遂げたのが風紀委員の井上さん。まさかの幼馴染み属性所有者です。自身の女子度の低さというコンプレックスに心悩まされつつもシバの迷名言「女子のパンツは空よりやさしいんだぜ」で一瞬ほだされてしまうあたりカワイイ。
またそんなこと言ってしまうシバの一昔前の少年誌エロコメ主人公みたいな性格も大好きです。個人的には「なんだかよくわからないけどモテモテな主人公」より「何度撃沈しても懲りない主人公」のほうがエロコメ主人公としては好みです。諸星あたる系。

そんなヘンタイだけど心根のやさしいシバが無意識のうちにるるものことを「うかれさせて」いるのも注目点。うかれるるるもはかわいいなあ。ニヤニヤ。シバ本人はそんなるるもの様子に関してはまるで鈍感だったりして、王道ですがやっぱり萌ゆる。「ラブコメ」になる一歩手前のゆるやかに惹かれあう雰囲気はとてもやわらかくて、見守りたくなってしまうものなのです。


しかしその一方で、るるもの魔女としての修行と引き換えに命を削るという代償を背負っているシバとそれを知らないるるもの想いの交差は切ないもので。根底を流れる重苦しい設定を忘れさせないシリアス:コメディのバランスが絶妙です。

そういう意味で「うかれる私」は非常に重要なエピソードのひとつ。お互いが抱えてる葛藤はお互いを想っているからこそのものなのに、それは重なるものではなくて。歯がゆくて切ない。


また、最後に収録されているシバと仔猫たちのエピソード「6月の雨のジケン」はシリウス掲載当時スレで賛否両論あったものですが迂闊で意識が甘かったけど形振り構わずその過失を取り戻そうとしたシバと、褒めて撫でられた手のぬくもりが忘れられなかったジケンのことを考えると私は悪くは思いませんでした。(/あまり書くとネタバレになりますが箱から覗くサツとジンの様子を見るとそれが直接致命傷となっていたとは思えないというのも)

ただ、ジケンの顔ってシバにそっくりなんですよね。今回のこのエピソードが、今後のシバの身に降りかかるであろうことを予見しているものなのか、どうなのか…。