今月は、またまた人間化チロが主役。しかも今回はるるもとも、シバとも離れてしまい、一人(いっぴき)っきりになってしまいます。そんなチロの、遠い九州の地でのちょっぴり切ない出逢いと別れのお話です。
-----------------------
誤ってダンボールに入ったまま宅配便で九州まで送られてしまったチロ。なんとかトラックから抜け出したものの、外は全く知らない場所。ネコの姿のままでは人から話も聞けないために久々に変身許可証を使って人間の姿に変身して行動することにします。
あこがれのスカートと長グツをはけて(←※そこらのお宅の洗濯物を拝借)おおはしゃぎのチロに突如声をかけてくる一匹のネコ。チロは魔界のネコのため、人間界にいる普通のネコの言葉はわからないはず。実はその彼は、怨念を纏い猫股となったネコでした。
そのネコ、たまに案内された家に住むのは視力を失ったひとりのおばあさん。たまとおばあさんの関係とは。そしてたまの持つ「怨念」とは…。
-----------------------
人間化したチロの無邪気にはしゃぎまわる姿は毎度のことながらかわゆい!さらにたまの人間化した姿はシブ格好良いです。渡辺先生作品の男性キャラでは結構珍しいタイプかなと思います。

強いて言うならば、外見的には「華探」の高杉さんを彷彿とさせますかね。(中味はぜんぜんちがうけど!
普段はシバにビシビシ突っ込んだり、さっさとチケットを使えと発破をかけたりする役目が多いチロですが、今回のお話では無邪気さと共に、意外と人情(猫情??)に厚いところが描かれています。
先月号分では、るるもが一人で人間の友達?と接するようになれたというお話が描かれていましたが、今回は人との出逢いを通しての、チロのやさしさと成長の物語。
たまは自分の身を持って実感した、飼い主を慕うネコとしての後悔をそっと教えました。おばあさんは、そばにネコが居てくれることのしあわせを語ってくれました。

少し淋しい別れを経験して帰ってきたチロをそっと膝に置くるるもは、何も言わなくてもそんな気持ちを理解しているような気がします。
それにしても、やっぱり人間化チロは鳴子っぽいなあと思いました。
渡辺先生の関西人イメージがああいう感じ(明るくて、騒がしくて、情に厚い)なのかしら。いや、チロは関西弁なだけで関西人じゃないけれど。
…まあ、イメージで言うなら、今回チロに話しかけられて吃驚していた博多女子の台詞はあんまりでしたがw