今月はとてもとても素敵なお話で、またある意味ではるるもとシバの今後を考える上で重要とも思える回でした。

ほぼあらすじをなぞる説明になってしまいますので、これから読むのを楽しみにされている方は回避お願いします。あと長いです。まとめ下手でほんとにすみません。

でも今回はぜひ読んでもらいたいお話です。…いつもそうなんだけど、特に!


そして『まじもじるるも』4巻は9月23日発売!
さらに今回は発売記念サイン会が・・・っ!
るるもでは初のサイン会、今回こそは行きたいです!やっと試合と被ってないし!(涙


魔女を探す不思議な少女、伊鈴ちゃん。
彼女が魔女を探していた理由はとてもやさしくて、せつないものでした。


るるもが魔女であると察した彼女は常にるるも(とシバ)の後を付回すように。シバの警戒も虚しくるるもは伊鈴ちゃんに連れて行かれてしまいます。慌てて追ったシバとるるもたちの前に表れたのは伊鈴ちゃんの「おばあちゃん」でした。
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おばあちゃんかわええええええええええええええええ。
…そう、「おばあちゃん」のはずなのにこの容姿。伊鈴ちゃんのおばあちゃんは魔女…正確には「元」魔女だったのです。


伊鈴ちゃんのおばあちゃんは、人間であるのおじいちゃんと恋に落ち人間界で暮らすことを選んだ元魔女。おじいちゃんは戦争へ行き、帰ってはこなかったといいます。ですが子供が産まれ、長生きをして孫娘の伊鈴ちゃんとも仲良く幸せに暮らしていました。しかしおばあちゃんには自分に寿命の時が近づいてきていることが分かるといいます。
それを聞いた伊鈴ちゃんは、おばあちゃんにもう一度故郷…魔界の景色を見せてあげたいと思っていました。

自分が小さい頃から、おばあちゃんが話してくれていた魔界にあるという大きな水道橋のある景色。おばあちゃんが亡くなる前にどうしても故郷へ連れて行きたいと思いに彼女は出来る限りの資料を探り、とうとうるるもの存在に辿り着いていたのでした。
話を聞いたシバはチケットを使うことを決意。るるもに魔界への扉を開く魔法を命じますが、るるもはそれを拒否します。
るるもは語ります。魔女が役職を破棄して地上に残ることの罪、そしておばあちゃんがどうして今までこうして魔界の管理局の目をくぐって地上で暮らしてこれたかを。それはつまり、おばあちゃんを魔界へ連れて行くことは不可能ということでした。


無念の涙を零す伊鈴ちゃんと愕然とするシバ。
しかしるるもは連れて行くことが出来ない代わりに、おばあちゃんの魔界の故郷の景色を映し出す魔法を唱えました。
大きな大きな水道橋。
それは伊鈴ちゃんがおばあちゃんから小さな頃から繰り返し聞いてきた、大好きなお話の中のまるで夢のような景色でした。
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おばあちゃんは、魔界から見ればいわば「罪人」です。
規則を破り、全てを自分の手で封じ込め、地上で暮らすことを選んだ覚悟は相当なものだったことでしょう。それでも、故郷は故郷。二度と帰れないことはわかっていても、わかっているからこそ、想いを馳せるほどに懐かしい景色は心の中で輝いていたことと思います。
それを知らずにただひたすら「おばあちゃんを故郷に連れて行ってあげたい」という願いだけで魔女を探し続けた伊鈴ちゃん。やさしい孫娘です。おばあちゃんも、自分がただ帰りたいというだけでなく伊鈴ちゃんにその素晴らしい景色を見せてあげたい、という想いがあったのだと思います。

…この後、るるもとシバのもとには哀しい知らせが届きますが彼らと伊鈴ちゃん、おばあちゃんが出逢えて心から良かったと思えました。



一方で、るるもとシバにも魔界に纏わるやりとりで思うところがあったようです。
シバは今回非常にるるものことを心配してあげていて、伊鈴ちゃんの考えが読めないうちはるるもを守ろうとしたり…実に空回りではあるのですが、シバのやさしさを感じられました。
そして魔女出身で、しかも面識がある人物であるおばあちゃんに出逢えたるるもは心なしかいつもよりも楽しそうでした。
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るるもは魔界から使い魔のチロだけを連れて放り出されたようなもので、修行を終えないと魔界には帰れません。シバはその表情からるるもの心情を気遣い、自分がチケットを使いきれないと…つまり自分の死と引き換えでないと故郷にすら帰れないるるもの立場を心配します。

おばあちゃんは自らの覚悟をもって地上に残った魔女。しかしるるもが地上に残ることになったら、それは自分の責任でもあるという葛藤がシバの中にはあるようでした。
しかし、おばあちゃんが恋に落ちたようにるるもが地上に残ることを選ぶならば、あるいは…?今はまだ、どの選択が正しいかとすらもいえません。


るるもは修行を終えられるのか。
シバは生き延びることができるのか。
そしてるるもは…どこで生きることを選ぶのか。
『まじもじるるも』という作品の基本設定であるはずのことですが、今回のお話を読んで改めて考えてしまうのでした。