まずは恒例の帯からです。どん。
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ああ、表紙ほんとにかわいい。果実姉妹は宇宙最強。

しかし…今回は帯がちょっと失敗しちゃってます。う~ん。
身体検査・・・・それは女子の戦の場!!
高慢な巨乳、卑屈な貧乳。
相容れぬ二人が出会ったその時、何かが起こる・・・・!
この文なんですが、制服の作品性を表す上では間違いがあります。それに関しては後ほど説明するとして、この帯で触れられているエピソード「身体検査でたゆゆゆん♪」について先に少し説明をしようと思います。


みのりの親友の一人、陰宮寺呪々美には悩みがありました。2巻でも触れられていますが、そう、彼女はAカッ(ryだったのです。そんなののたんが自分の体型コンプレックスを隠蔽する為に毎年サボってきた一大憂鬱イベント「身体検査」を前に父親(マッドサイエンティスト)が作った「おっぱいの大きくなるクスリ」を手に入れ、ついに身体検査に挑もうというところから話は始まります。
しかしそこに表れたのはクラスメイトである高飛車お嬢様「西京院小麦子」。
そう、彼女こそが
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最強の「ふるるんおっぱい」の持ち主。
必殺・「ふるるんアタック」(概要:おっぱいでなぐる)という技を持つおそるべき少女。
高慢な彼女が身体検査中に下級生のケロパンダたち(<Aカップ)に浴びせた一言がののたんの心に火を点けます。
女子の身体検査という華やいだアレに加え、燃える女の子たちのプライドとさらにそこからの(アホすぎて)壮絶な展開と色々美味しくて素晴らしきお話です。
制服におけるサービスシーンはエロス分は薄いものの、多種多様な女の子たちの下着姿がモブ女子に至るまでぬかりなく描き込まれて非常に眼福でございます。本物だと思う。渡辺先生は。何のとは言いませんが。あと個人的にののたんがブカブカブラを付けたまま薬を飲んで「効きなさいっ!!」と念じるシーンは制服ぬいだら♪至上で5本指に入るくらいグッときた場面です。

で。先程の帯についてどこが間違いであったかというお話に戻りますが、それは「巨乳」「貧乳」という表現方法なのですよ。
「制服ぬいだら♪」において、巨乳とか貧乳という表現が登場したことは一度もないのです。
これは簡単なようでとても重要なことだと私は思っています。小麦子はあくまで「ふるるん」なのです。全編通してほんわかしていてアホで優しい制服の世界らしい表現です。
だから、帯の文でこの表現を使われてしまったことには違和感があってちょっぴり残念だったなあ、と、個人的なこだわりといえばそこまでなのですが…。

 
しかし言葉上での表現のみならず、基本的に女の子キャラ中心での進行とたまに出てきてもあまり邪気の無い男性キャラ(初期にのみ、ぱんつ大好きな変態教師がいましたが次第に消えてしまいました)のお陰でおおらかでやさしいぱんつ&おっぱいワールドが完成されているのだと思います。そうです、ぱんつだけど恥ずかしくないのです。(←すいません、ちょっと言ってみたかっただけです…)


勿論他にも見所は満載。やはり特筆すべきはみのりの妹「もぎたて」のエピソードです。
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もぎたてはみのりに輪をかけてゆっくりのんびりで、おねえちゃん大好きな10歳の女の子です。
人見知りをするもぎは、指人形の「ミミタコさん」を通じないと、知らない人とはおしゃべりができません。しかしみのりと買い物をしている最中にみのりが突然倒れてしまい、もぎはパニックに。実は原因はしょうもないことだったのですが、おねえちゃん想いのもぎは助けを呼びに街へ飛び出してしまいます。
みのりを助けたい一心で、人ごみの中で精一杯ミミタコさんを使って知らない人たちに声をかける姿や、その後現れたドリモンの前に立ちふさがる姿に胸がギュンギュンします。いっしょうけんめいなようじょなんて大好物に決まってるじゃないか…あああ…!!
ちなみにこのお話のタイトルは「ゆるゆるぱんつでゴー」です。もうね、真似できないよこのセンス。
他のお話ではぱんつで空飛んだりネコミミおさななじみ宇宙人がしっぽビンタしたりするよ!圧倒的ですね!


制服は基本的にギャグメインで進行していきますがさりげない一言や心理描写にあたたかいものがたくさん詰まっています。それは本当に一瞬なので流してしまうとそれまでなのですが、それは逆にいかにも「感動させる」押し付けがましさが無いという魅力でもあります。心にほこっと残る、そんな素敵なあたたかさ。


巻末には描き下ろし4コマ×9本もついて、こりゃ秋田版をお持ちのファンの方も買うっきゃないですね!
回し者でしょうか。おおよそ回し者です。