ついに…ついにこの日がやってきました。

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『制服ぬいだら♪』6巻。
この一冊を手にする日を、どれだけ待ちわびたことでしょう。

しかしそんな一読者よりもきっと誰よりも一番強くこの日を待ち焦がれていたのは他でもなく渡辺航先生ご本人であったことは想像に難くありません。表紙、カラーページ、各カット類、そして4コマでの追加エピソード&あとがきと、愛溢れる描き下ろしの数々を見てもそれが窺い知れます。なんという作品愛。そんな姿勢で取り組まれている作品群だからこそ、わたしは『制服ぬいだら♪』に出逢ったその時から今日に至るまでずっと渡辺先生作品にくびったけなのでしょう。

先日の勝手に予告エントリに画像を載せたバンチ掲載の2P漫画まできっちり収録されていました。こういったことが、どの仕事も本気で描かれているのだということの証明でもあり、渡辺先生の作品愛のあらわれでもあるのではないでしょうか。
(※予告エントリの画像は単行本収録された場合削除するという公約付で掲載したため削除済みです)


最終回についてですが、「打ち切り」であるにも関わらず、この上なく円満でハッピーな終わり方だったと思っています。
先ずこの直前である27話において、初めてみのりが道真を好きな理由が明らかにされています。
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変わり者ではあるけれど、美形で…スポーツ万能で…当然のように女子にモテている道真君。ですがみのりにとっての道真君はただ格好良いというだけではなく…思えば第1話。みのりのスカートを穿き忘れて登校するという離れ業の大ボケに対し、道真君がジロジロ見るわけでもなく、笑うわけでもなく、たださりげなくジャージを差し出したあのときからそれは描かれていたことなのです。

みのりはトロくて、アホの子で、何をやっても失敗ばかりして、自分に自信のない子だけど、その分誰よりも優しくて、一途です。

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その想いが結実した瞬間。「ぱぁん」と鳴る祝福の音と共にみのりの心がはじけたその瞬間。この瞬間の描写から貰ったトキメキはきっとこれからもずっと変わりません。
おめでとう、みのりん!みのりにおめでとうを言うのは2度目だけど、今度こそは心から言うことができます。


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さらに別冊ヤングマガジンに掲載された読みきり作品「アフロスピード」とその続編「アフロスピードセカンドアクセル」も収録。
バイクバカのアフロ高校生と彼に密かに想いを寄せるヒロイン+付き合いのいい友達の3人のお話です。

わたしは1作目を立ち読みで読んだだけという今考えると後悔しか残らないファンの風上にも置けぬ怠慢ぶりだったのですが、『制服』しか読んだことがなかった当時はとても新鮮で、渡辺先生はバイクが大好きなんだろうな、と思った記憶があります。正直、『弱虫ペダル』が始まる時、「バイクじゃなくて自転車なの?」と思ったくらいです(笑。
こうして読んでみると、両想いなくせしてまわりくどいリョーちんといづみちゃん、善人なたっくんの距離感が心地良いです。いづみちゃんは他の渡辺先生作品にないタイプのヒロイン(絵柄的にも、『制服』と並べるとかなり違う感じ)ですね。こういう娘さんに世話焼かれてえー。

また、リョージやみのり、さらに坂道、シバキ、るるも、小金田一、原作付きだけど電車さん…と渡辺先生作品の主人公たちは性格も容姿もバラバラだけど、みんなどこか抜けてたりバカだったり時には失敗したりしながらひたむき・まっすぐ・一生懸命な愛すべきキャラたちであることは共通しているのではないかな、と思いました。


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「かわいくて、ちょっとヘンな娘がいっぱいいる漫画が好き」な自分の原点でもある『制服ぬいだら♪』。可愛さと、アホさと、下品さのないお色気と、トキメキと。こんなにも大好きな作品とあんなお別れをしなければならなかったのは辛かったけれど。それでも、ずっと待っていてよかった!好きになってよかった!
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好きでいることは諦めなくていいこと。

きっとそれは、みのりが教えてくれたことだったのです。