今月25日発売の11月号をもって月刊IKKIが休刊となります。
連載作のひとつ、三浦靖冬先生の『薄花少女』は小学館の他雑誌に移籍とのことですがもともとが隔月連載であるため、最終号のひとつ手前の10月号でIKKIでの連載に幕を閉じました。



知らない方に簡単に説明しますと『薄花少女』は御年数えで八十のハッカばあやこと夏焼鳩子さんが或る日突然少女の姿になってしまい、その姿のまま大人になって一人暮らしする「ぼっちゃま」の家を訪ねて共に生活するようになる…というお話です。
姿は幼子なのに言動はやっぱりおばあさんらしい、そんなハッカさんが大変かわゆくてどこか可笑しい、奇妙だけど素敵な日々。
設定だけで説明するとまるでトンデモなんですが、作中では懐かしい昭和時代を思わせる風景と穏やかに流れていく時間が表現されていて、読むと心安らぐ癒しの作品です。


この『薄花少女』、というか三浦靖冬先生といえば作品や柱の近況コメント等の所々からハロヲタ(注:ハロー!プロジェクトのヲタク)であることが伺える作家さんです。
今作のヒロイン?ことハッカさんの苗字「夏焼」もBerryz工房の夏焼雅さんからきたものであることは見る人が見れば一目瞭然のハズ。
少し前には、作中の通行人が思いっきりモーニング娘。のカップリング話をしているという小ネタがありました。
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(参考。わかる人には超わかる会話)


そんな三浦先生ですが、IKKIでの掲載が最後となる10月号の近況コーナー「作者一喜一憂」では実に柱2ページ分、5行にわたってBerryz工房への想いを綴られていました。
以下、引用です。
 
「今、Berryz工房の「蝉」という曲を聴きながらこの原稿を描いています。この曲の中の「薄荷の和菓子」という言葉を聞いて、いつか「ハッカ」という名前の女の子が出てくる話が描きたいなと十年前に思ったものでした。そうして月日は流れ私が知る中で一番美しいと思った「夏焼」という姓もBerryz工房のメンバーから頂いて、ハッカという女の子は生まれてきました。そんなBerryz工房の活動休止の知らせと時を同じくしてIKKIも休刊となります。「薄花少女」は他誌で続くことになりますが、IKKIでは今号が最後となります。この作品をIKKIで描かせて頂けたことを本当に感謝しております。そして読者の皆様、本当にありがとうございました。皆様とBerryz工房に大感謝。(三浦)」

夏焼の姓は気づいていましたが、「ハッカ」という名前もBerryz工房の曲中から取られていたのですね。『蝉』はBerryz工房初期の名曲ですね。私は当時のことは知らない俄かファンですがさすがにこの曲は名曲と認識しています。
 
Berryz工房がいなければ『薄花少女』という作品は生まれてこなかった…というとさすがに言い過ぎかもしれませんが、少なくともこの儚さと逞しさを持った不思議な少女に「ハッカ」という美しい響きが与えられることはなかった…のかもしれません。
 

参考:来春活動停止発表のBerryz工房、各メンバーからのあらためての報告 | Berryz工房 | BARKS音楽ニュース
Berryz工房が来春をもって活動停止というニュースと、IKKIの休刊。
一見して…というよりは本来関係ないはずのふたつのニュースの重なりは、自分にとってもどちらも淋しい知らせであったために三浦先生の思いが込められたこのコメントにぐっときてしまいました。『薄花少女』という作品の今後と、Berryz工房メンバーの今後に幸多きことを願ってやみません。


…ちなみに、三浦先生が以前チャンピオンREDいちごで連載されていた『えんじがかり』という作品にはもっとかなりストレートな形でBerryz工房への愛とかリビドーみたいなものがぶちまけられていますので気になったベリヲタの方にはぜひ手にしていただきたいものです。。。
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小学生だけどとても背が高い、いくまちゃんとか。
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明るいいたずらっこのちなこちゃんとか。
enji2
ねこみみろぼっとのももちゃんとか!でてるので! !
(ただし、ぱんつとかお風呂シーンとかめちゃめちゃ出てくるから注意な!!ある意味!!)



関連エントリ
 ばあやは少女の姿でぼっちゃまのもとへ。 『薄花少女』1巻(三浦靖冬)