『弱虫ペダル』39巻が発売されました。『まじもじるるも 放課後の魔法中学生』3巻と同時発売!(感想はこちら)
表紙は箱根学園の黒田。彼も初登場時から考えると、ここまでの主力に登りつめるとは思っていませんでした…。
IH1日目。クライマーとして天性の才能を持つ真波に、「努力」だけで噛り付く凡人の手嶋。
圧倒的に有利と思われた真波ですが、不運にもチェーントラブルが発生。真波の思わぬ場面での失速の理由にはじめは気づかずただひたすら全力で前進し続け、ついに現実味を帯びてきた憧れの「一番」の座に感極まる手嶋でしたが、周囲の様子などから真波の異変の原因に気付きます。
このまま独走し続ければ夢の頂点…山岳賞という場面で相手のアクシデント。そしてそこでの手嶋の決断は…真波を待つこと、でした。
チームのためにも、自分のためにも。「相手の不運」で片付けて勝利を掴めば良かったのかもしれない、だけれども。実直に努力を続けてきた平凡な人間だからこそ、彼にはそれが出来なかったのだろうと思います。真波にとっては、真に手嶋が尊敬に値する人間だと理解出来たのがこの瞬間でした。
尊敬できる相手だからこそ、本気を出してぶつからなければならない。真波の本気を引き出してしまったことは結果的に手嶋にとってはマイナスだったかもしれないけれど…努力だけでやって来た凡人の彼が、才能溢れるクライマーである真波の全力を絞り出させたことは物凄い事だと思います。
結果を聞いた総北メンバーやサポートの車内にいる皆はこぞって手嶋の事を「凄い」と称賛しますが、逆にいえば心の中で誰もが手嶋は強くはないと思っていたことがうかがえる、少し残酷なシーンにも見えました。それでも逆にいえば手嶋純太という男の本当の凄さを、実際に闘った真波だけが解っているということでもあり…それはそれで、とても尊いことのようにも思えます。
山岳賞が決まり、いよいよ1日目のゴール争いに向けて動き出す各チーム。箱根学園が送り出すのは3年黒田と葦木場のコンビ。2人とも昨年のIHには出場していないものの、この1年で8戦8勝という実績を作り上げてきたコンビ。対する総北高校からは葛藤の末「スプリンター」の称号を一度捨てる決意をした鳴子が今泉を引きながら箱学を追いかけます。
その構図に、鳴子がアシストとしてエース今泉を引いているのかと思いきや…黒田に問いかけられた2人は揃って総北のエースは「自分」であると答えます。そのバラバラさに、このコンビがほとんど合わせたことのない急造コンビであることを見抜く黒田。

黒田自身は、IH前に箱学の現主将であり昔からの友人でもある泉田に「エースアシストとして」やっていくことを打診され、IH出場のために必要な努力は何でもやると決意して今日までやってきた身。一度真波に敗れてIH出場を逃したという過去を乗り越えて現在はアシストとしての走りに全身全霊を賭けている彼にとっては、両者がエースだと主張し合い足並みそろわぬ総北コンビは滑稽に映るのも当然かもしれません。しかし、今泉と鳴子は口ゲンカし続けながらも箱学にぐいぐい食らい付き続けます。

黒田自身は、IH前に箱学の現主将であり昔からの友人でもある泉田に「エースアシストとして」やっていくことを打診され、IH出場のために必要な努力は何でもやると決意して今日までやってきた身。一度真波に敗れてIH出場を逃したという過去を乗り越えて現在はアシストとしての走りに全身全霊を賭けている彼にとっては、両者がエースだと主張し合い足並みそろわぬ総北コンビは滑稽に映るのも当然かもしれません。しかし、今泉と鳴子は口ゲンカし続けながらも箱学にぐいぐい食らい付き続けます。
この2人が仲が悪いというのは表面的なものではなくて心の底から相手に文句を言いあっていると思うのですけど、逆にというかそれ故にというか本当にお互いの事をよく見ています。相手の事を熟知しているからこそ気に入らないところもどんどん出てくるけど、実力は贔屓目抜きで純粋に評価出来ているのかなと思います。他にはなかなか真似できないコンビネーションですよね。そして、この2人がバチバチにやり合いながらゴール狙いをするというのは手嶋主将の作戦のうちでもありました。この人も鋭いというか、それぞれの個性をよく見ているなと思います。
とはいえ、当然のことながら箱学の2人は数々のレースで勝利を納めてきた自信と実績で総北の急造コンビをおびやかします。会話だけ見ていると黒田・葦木場の2人が噛み合っているとも思えないんですが(笑)…特に葦木場君は本当に不思議なキャラです。真波も不思議ちゃん感ありますが、それとはまた違った…今年の箱学は不思議ちゃん率高いなあ。
昨年のIHにおいての「3年生」って結構成熟した立ち位置だったと思うんですが、今年は箱学・総北と合わせても3年生でIH経験済みのキャラが泉田だけなんですよね。だからこそ何が起こるかわからないおもしろさがある、という部分も強いと感じています。
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