もりしげ先生の『花右京メイド隊』のAKITA TOP COMICS(いわゆるコンビニ向けの廉価版コミックス)が4月末に発売されました!
しかも見たところ、表紙は描き下ろしのマリエル&太郎。廉価版コミックスの表紙イラストは使い回しのイラストであることが多いと思うので、もりしげ先生のサービス精神が感じられますね。


この『花右京メイド隊 太郎と7人のメイド編』に収録されているのは以下の12篇。
  • 『ご主人様…!?』
  • 『太郎の学校!!』
  • 『花右京家の大惨事!!』
  • 『ライバル登場!?』
  • 『マリエルのこと』
  • 『新顔登場!!』
  • 『太郎の休日』
  • 『花右京家の頭脳』(以上チャンピオンコミック第1巻収録分/第1~8話)
  • 『2人きり!?』(2巻収録分/第9話)
  • 『とってもお似合いですわ』
  • 『早苗が名字で八島が名前です(前編)(後編)』(以上3巻収録分/第18~20話)
チャンピオンコミックス1巻分はまるまる収録+4篇ということになります。
”7人のメイド”はおそらくメインキャラのマリエル・シンシア・グレース・イクヨ・コノヱ・リュウカ・八島のことで、それぞれの初登場もしくは紹介が入ったエピソードがメインの編集になっています。


『花右京メイド隊』は母親を亡くし独りになった中学生の花右京太郎が、突如大財閥の当主となり花右京家で働く大勢のメイドと共に生活することに…という美少女系漫画ですが、そのストーリーには影の部分も多く存在しています。
しかし『太郎と7人のメイド編』はそういった暗い部分、シリアスな部分をうまいことカットしてお色気ありのドタバタコメディとしてまとまっているな~という印象でした。
チャンピオンコミックスでは、2巻の後半には物語の大事なキーポイントとなる、そして「花右京家」そのものの謎の伏線にもなる展開が含まれているのですがそこをカットしてもあまり違和感なくその後の話が読めるものだなあと…。
コンビニ版コミックスの購買層がどういった人たちなのかはいまいちわからない(興味はあります)ですが、ふと何の前知識もなく手に取った場合でも裏のないコメディとして楽しめるのではないかと思います(笑)。


さてこの『太郎と7人のメイド編』を読んで改めて感じたのは、太郎のキャラの良さでした。
無理矢理お世話をしてくるメイドたちに最初は戸惑いながらも、その状況にただ流されず、それでいてメイドたちのことを大切な家族のように思うようになっていく太郎。
ある事故で屋敷が崩壊したときも、自分自身が現場に立って皆と一緒に働くことを喜びとするような少年です。
おそらく一般的に見て『花右京メイド隊』は”ハーレムラブコメ”に分類されると思うのですが、個人的には男性主人公一人に対して圧倒的に女性キャラ率が高い作品でありながらも”群像劇”的でもあると思っております。
誠実で地に足がついている太郎に次第に惹かれるようになっていくメイドたちも数多くいますし、彼を奪い合うような展開もあるにはありますが、その一方であくまでご主人様として太郎の事を好意的には思いつつも、決して恋愛的な感情を見せないメイドも割といます(シンシア、イクヨ、八島など)。
皆が太郎を慕っているという事実を中心としつつも、恋愛感情以外の人間関係もしっかりしているし、中には相性の悪いメイド同士もいるというのがまたおもしろさにも繋がっているのだなといま改めて感じました。


作中に「Y2K」という懐かしい単語が出てきたりもしますので、随分時間が経ったのだな~としみじみ思ったりもします。
でも、もりしげ先生の描かれるコメディとしては脂がのっている時期の作品だとも思いますので(というか、今とはちょっと雰囲気が違うかも)、未読の方もちょっと興味があったら読んでみてほしいなと思います!