秋田書店のWEB漫画サイト「Championタップ!」連載の『アルパカかあさん』が2巻で完結…してしまった…!
LINEスタンプ発売、毎日小学生新聞「アルパカかあさんのモフモフEnglish」連載開始と話題にも事欠かず、秋田書店らしからぬ(失礼)毒のなさで広い読者層に愛されている作品なのに…。


『アルパカかあさん』はそのタイトルの通り、アルパカであるお母さん(通称パカさん)と高校生(人間)の息子・マーくんの母子を中心としたコメディです。(※お父さんは仕事で海外赴任中)
アルパカが割烹着着てお母さんやってる、好物は草。という絵的なインパクトも相当なものですが、『アルパカかあさん』はそんな出オチ的インパクトだけで終わるような漫画ではなく、コメディとして何重にもおもしろさが詰まっている作品なんです!


わたしが思うに、『アルパカかあさん』のおもしろさを支える要素は大きく分けると3つあります。
①パカさんのオカンらしさ・主婦らしさによる”あるある”感、ファミリーものの王道的おもしろさ
②アルパカが人間社会で暮らしていく上での悩み・そしてプライドによって生まれるおもしろさ
③パカさんに負けず劣らず立ったキャラクターたちのツッコミ・掛け合いのおもしろさ
…こんな感じ。


2巻の冒頭に収録されている「21話」を例に挙げると…
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懸賞好きでクロスワードが好きなパカさん(①)
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クロスワードの「首の長ーい人気者」「肌触り抜群!洋服の高級品」といったキーワードに無理矢理「アルパカ」を当て嵌めてしまう意識過剰気味なパカさん(②)
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パカさんが「ペット王国」なる雑誌を愛読するようすを見た息子マーくんの「倫理観がくるう絵面だ…」という心のツッコミ(③)
…といった具合。
アルパカなのにオカンくささ満点で人間味(?!)溢れるパカさんのドタバタっぷりはもうふつうの主婦まんがとしても通用するソレで、秋田書店的にはエレガンスイブあたりで連載続行としゃれ込んでも問題ないんじゃね?と思ってしまうほどです。本気で。


息子マーくんもアルパカな母にうざさを感じる反抗期気味な毎日を送っていますが根は優しく、そして実はどこかちょっとズレてる部分もあり…とめちゃくちゃキャラ立ちしてます。
アルパカさんファミリー以外にもパカさんの主婦友達梅島さん&奈々さん・マーくんの友人テンドー君や日向さん・そして街でパカさんを見かけてしまったがためにそのモフモフの魅力に憑りつかれてしまったサラリーマン大井川ミチル氏など…人間たちも個性的な面々揃い。
個人的なおきにいりは、マーくんのことを何かと気にするテンドーくん(うっかり善人)です。36話がめちゃくちゃすき。
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そんな楽しい『アルパカかあさん』が2巻で完結となったのは非常に残念なのですが…じつは完結巻である2巻にも「帯」がついていました。これって秋田書店ではとても珍しいことだったりもしますので、単に打ち切りというよりはずいぶん力が入った2巻なのではないかな…!?と思っております。
いまでもChampionタップ!のサイトでは1・2巻に収録されている回が1話ずつと、最終回後の復活よみきり(単行本未収録回!!)が読めるので、未読の方はいますぐパカさんのモフぶりにモフられてみよう!⇒http://tap.akitashoten.co.jp/comics/alpaca
毎日小学生新聞の連載は続いているということではありますが…このまま終わってしまうのはホントに勿体ないな~…と思っています。いつの日かパカさん親子に再び会える日を、アルパカのように首を長くして待っています!