もりしげ先生久し振りの単行本!です!!驚きの18禁!
というわけで当ブログ的にもかなりひさしぶりの成人向け作品感想エントリです。ダイレクトなあれそれは何もございませんが一応ご注意くださいね。
『サクラサクラ』最終巻が2015年11月の発売でしたので、実に2年5か月ぶりのもりしげ先生新刊ということになりますね。
前作連載終了後からしばらく音沙汰が無かったのでファンとしてはやきもきした日々を送っていたのですが、成人向け電子雑誌「マガジンサイベリア」で読切作品を発表されたという情報を見つけたときは色々な意味で驚きました。まずは、いったいどういう方向性の作品になるんだろう?ということですよね。もりしげ先生の作品を過去から今日に至るまで把握していればいるほどその疑問は頭をよぎると思います。いったいどういう方向性の作品になるんだろう?と。
そして実際ふたを開けてみれば、もりしげ先生が一般向けでこれまで描かれてきて培われた実力を引っ提げて、新しい方向の成人向け作品に挑戦された意欲作ばかりがそこにはありました。
まず表題作『孕ませメイド隊』について。
全6話+描き下ろしの後日談で構成されています。
もりしげ先生の成人向け作品でその名も「メイド隊」ときたら『花右京メイド隊』の存在を思い出さないわけもなく、ドキッとしてしまうのがファン心ですが…『花右京メイド隊』に近くて遠いような、なんとも面白い作りの作品になっています。
大金持ちの名家の血筋を残すことだけを親から求められた少年と、その少年の種を受け止めるために屋敷に集められるメイドたちの物語である『孕ませメイド隊』には、褐色ショートカットのスポーツ少女・他所の名家のお嬢様・飛び級の天才少女・警備部あがりで色恋沙汰や性に疎いメイド、謎の多いメイド長…といった個性豊かでなおかつ「どこかで見た」ようなメイドが次々と登場し、主人公である坊っちゃまに孕ませられていきます。


この「どこかで見た」感がポイントなのですが、それぞれ『花右京メイド隊』に登場したメイドたちの要素を少しずつ引き継いでいるんですよね。ただし、まるっきり容姿や性格などがコピーされたようなキャラクターはいません。これが凄いところで、たとえば第2話に登場する裂坂家のお嬢様。名家のお嬢様が屋敷に乗り込んできてメイドになってしまうという設定自体は『花右京』に登場するリュウカさんを思いっきり彷彿とさせますが、自信家で戦闘系でちょっと勘違い屋な面もあるリュウカさんと実は純情で甘えたがりな面もある裂坂嬢ではキャラクター面での個性がまるで違うのです。


こうした「どこかで見た」感を残しつつもまったく新しいキャラクターでの成人向け描写は、『花右京』のファンがドキドキしてしまう要素でもありながら、『花右京』のキャラではそこまで深いエロは見たくない。と思ってしまうファン心理も裏切りません。これは本当にもりしげ先生の巧みさであり、サービス精神とファン思いな部分が強く作品に現れていると思うのですよ。
坊っちゃまがおかれる環境自体は『花右京メイド隊』の太郎に近いものがありますが、一人の少年が数々の女性を孕ませるという設定は前作『サクラサクラ』から受け継いでいると思わせる部分もあります。
一人一人のメイドと真剣に向き合い、お互い求め合ったうえで孕ませるということが「種付けするための存在」としか見られていなかった坊っちゃまに生きる力を与えたということの美しさは、一人の女性をパートナーに選ぶわけではないハーレム系作品ながら各ヒロインとの純愛を描ききっている、とも思えます。第一話のヒロイン・瀬良さんが妊娠して屋敷を去った後も彼女と始めたランニングを続けている坊っちゃまの様子などからその誠実さは伺えます。
坊っちゃまに太郎を重ねてしまう部分はもちろんありますが、坊っちゃまの「自分は誰とも結婚しない(=孕ませる全ての女性を愛する)」「産まれた子供に差をつけない」という信念は花右京北斎へのアンチーゼのようにも思えてきます。
『花右京メイド隊』のネタバレになりますが、北斎は自分の娘であるマリエ(=マリエル)に対し異常なまでの執着を見せつつも、マリエを産んだメイドに対しては何の感情も抱いていませんでした。ついにはマリエを独占するため、北斎が向かわせた紫皇院によりマリエの母は命を奪われてしまうのですが、その際に発せられた「あの方にとって私は自分の娘を産んだメイドでしかないからよ」という台詞があまりにも悲しく強烈な印象でありました。
このとても悲しい、『花右京メイド隊』におけるすべての始まりでもある事件がうまれた原因でもある北斎のやり方を根底から否定してみせたのが『孕ませメイド隊』の坊っちゃまの信念…というのは少し考えすぎでしょうか。とにもかくにも、単なるセルフパロディに留まらないものが詰まった新しい「メイド隊」の物語だった…と私は感じました。
表題作以外には3本の読切が収録されていますが、成年向け復帰作でもあった「佐藤君と高橋さん」という短編が個人的には一番お気に入りです。
前述のとおり、読む前はもりしげ先生の久し振りの成人向け作品ときいて「いったいどういう方向性の作品になるんだろう?」と思ったのですが性悪ヒロインに対する報復レイプから一転してのラブラブセックスという流れに大変しびれました!
前半のダークな展開に処女膜を破る「ブチッ」という効果音、ヒロインの「ひぎっ」という叫びと苦痛にゆがむ顔…正直なところ、「もりしげ先生が成人向け作品に帰ってきた」と聞いて”もしかしてこれが見られるのでは?”と思ってしまった人って結構いると思うんですよね…。この要素はそういった期待に応えるもりしげ先生のサービスなのではないかな、と思っています。


しかし、そのままでは終わらず後半は一転してのハイテンションラブラブイチャイチャセックスに突入!「かわいいよ高橋の貧乳かわいいよ」はマジで音読したい最高の台詞だと思っています。高橋の貧乳可愛い。話の展開もさることながら、単純に体型的にも高橋さんがストライク過ぎまして…ええ…。性格がちょっとひんまがってるけど逞しくて純愛体質な高橋さんめっちゃ応援してますのでこのふたりの続編がいつか見たいなあ…とひっそり思っております。
長らく成人向け作品から離れられていたうえにかつて描かれていたものとは全く違う方向性になっていますが、見せ方や描写など大変研究されて復帰されたのだろうなあ…という印象です。蕩け顔やイキ顔など表情がとにかく最高に良い…!一般向け作品もまた読みたいですが成人向け作品も可能であればまだまだ読みたいと思ってしまいます。ファンの贅沢な悩みですね!
もりしげ先生の久し振りの新作で浮かれて長々と書いてしまいましたがいわゆる成年向け作品のレビューとしてはまったく参考にならないと思いますので未読の方はへどばんさんのレビューを是非ご参考になさってください↓良いレビューですよ!