遅ればせながらあけましておめでとうございます、ササナミでございます。
2019年に読んだ漫画のベスト10でございます。これ系の記事書くの何年振りだろう…!?というくらいのご無沙汰なのですが…。
一応ここは漫画感想ブログだった気がするので、忘れないようにたまにはこういうことやっておきます!!
『棚の上のなにか』百名哲(KADOKAWA・全1巻)
ゆるいギャグからシリアスまで、バラエティに富んだ短編が12篇収録されたぶ厚い短編集。
なかでも100ページ超えの大作「伊賀の迅雷」にシビれました。
ネタバレ的なことをあんまり書きたくないのですが、現代を生きる姫と忍の悲恋の物語とでも言いましょうか…。悲しくも美しい物語でした。
一方で「受話器の向こう」という電話が苦手なサラリーマンの苦悩と気づきのお話なんかは題材も描写も素朴なんですが、そこがまたグッとくる。というタイプのショートもあったりで。
終始サイレントの作品も3本ほど収録されていますが、その他の作品も要所要所で情緒豊かな表情の描写が効いています。
『タピシエール 椅子張り職人ツバメさん』関根美有(秋田書店・全1巻?)
人間の友達は少なく、椅子の友達はたくさんいる女性椅子張り職人のツバメさん。風変りだけど力持ちで腕は確か、そんなツバメさんの元に訪れる椅子と人々のお話。
椅子を見れば人生が見えてくる…とばかりに人々が使い込んだ椅子にはそれぞれのドラマが詰まっている。
老若男女、いろいろあるけど見ている人は見ててくれてるし椅子は全部包んでくれるよ、みたいなやさしい作品です。
「全1巻?」としたのは、ナンバリングはないけれど雑誌での連載は続いているようなので…続刊出してほしいです!お願い!
『薄花少女』三浦靖冬(小学館・全5巻)
姿は少女、中身は80歳のハッカばあやとぼっちゃまの物語もこれで完結。
ふたりの暮らす家にある人が訪ねてくる最終話がですね、本当に美しい最終話でした…。
いまはまた少女の姿のまま過ごすハッカばあやの、あの頃終わらせることができなかった少女期の終わり。そしてまた、生活は続いていく。
個人的には、この作品の締めくくりとして非常に理想的な最終話であったと思います。
最終巻である5巻が延期の末に電子書籍のみの発売となってしまったことだけは本当に残念です。装丁も美しいシリーズでした。
『チェイサーゲーム』原作 松山洋・作画 松島幸太朗(KADOKWA・既刊2巻)
わたくしがチャンピオンで連載されていた『永遠の一手』の熱狂おたくであることをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが…その後松島先生がゲーム開発会社であるサイバーコネクトツーに所属されることになり、そこで連載漫画を執筆されるという流れにはたいへん驚きました。
サイバーコネクトツーの松山社長が原作を手掛けているということでだいたいこの作品の評判にはゲーム業界的にも、お仕事マンガという意味でも”リアル”ということばが使われがちな印象があるんですけど、単に”リアル”というよりはリアルとエンタメの配分がほど良いところが魅力なんじゃないかなとわたしは思っています。
リアルをメインに据えつつ、大げさな演出と多少の嘘を交えて漫画作品としての「面白み」を組み立てているバランスの良さ。
2巻に収録のインターンシップ編が特に好きです。黒田くんのラストは泣いた…。
『エロの秘密結社 ドシコルド』長谷川シグリオ(KADOKAWA・既刊2巻)
いや、なんちゅうタイトルだよ!?って思うじゃないですか。
むっちむちボディのカワイコチャン・いめりの前に突如現れた悪の秘密結社・ドシコルド…それはエロい女の子に対してエロい!可愛い!と囃し立てる”だけ”の悪の組織だった!
女の子に面と向かってエロいとか言うだけでアウトでしょ!?とは思うんですけど、あくまでお触り厳禁・相手が本気で嫌がることはしないという紳士的悪の美学(?)にいめりんちゃんも徐々にまんざらではなくなっていき…という謎の信頼関係によって成り立つ牧歌的エロコメで癒やされます。
それだけでもかなり好きな作品だったんですけど、2巻の意外な展開でさらに大好きになりました。エロイエロイと言ってるだけかと思いきや、女の子がいちばん輝くのは心からの笑顔だよねっ!っていうのを大真面目にやってくれちゃって。まさか『エロの秘密結社 ドシコルド』なんて題名の漫画で涙するとは思わないじゃん!?いめりんまじ大天使。
あまりに良い話がきすぎて終わってしまうのかと思ったんですがまだ続くようでうれしい!
『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお(秋田書店・既刊2巻)
秋田書店の至宝(※ここは強調しておきたい)桜井のりお先生の意欲作。もはや説明するまでもない大ヒット作品ですね。
本連載でじっくり(最近はむしろ「じっとり」になってきていますが)感情の変化や細やかな気付きを描きつつ、合間合間で容赦ないまでの近距離展開を繰り広げるツイッター掌編を叩きこむ、なんとも隙のないファイトスタイル。こちらに体勢立て直す間を与えてくれないもんな。わたくしウェブ漫画にはあまり明るくありませんが、作品発表のやり方がとてもうまいと感じました。というか週刊連載をこなしつつこれをやっているのりお先生のバイタリティが凄い…。
山田と市川の関係をにやにやしたり転げまわりながら見守る傍ら、山田ではなく小林ちぃちゃんを見つめるクラスメイト男子の気持ちになったりしています。気持ちが悪くてごめんな…。ちぃちゃんはまだ…大人にならないで…。
『なごむさんとひろみちゃん』むんこ(竹書房・全1巻)
ナタリーが公開していた冒頭の数ページをきっかけに即購入、大晦日に読みました。駆け込み年間ベスト。
アパート暮らしの無職男性なごむさんの元に勉強を教わりに訪ねてくるおとなりのちょっぴりワケアリ女子中学生ひろみちゃん。
甘えたいさかりを逃して、ドライなそぶりで大人に気を遣うひろみちゃんに対してなごむさんが抱く想いは庇護欲か、それとも色欲か。理性以外に止めるものがない状況の中、ブレーキ踏み続けるなごむさんはすごい…。
めちゃくちゃアレな言い方ですが、ロリエロ漫画の(行為に至るまでの)丁寧な助走期間だけでラストまで完走しきったような作品でした。正直なところ、ドドドドド性癖物件です。ありがとうございます…。
むんこ先生の絵柄のシンプルな線画がいっそう色気と、背徳感を際立たせているとすら思いました。ありがとうございます…。
『SHY』実樹ぶきみ(秋田書店・既刊1巻)
週チャン今年の「これからの期待値込み」ベスト。読切版から2年ちょい、設定自体はだいぶ変えてきての本連載化。
世界の平和のために存在する、各国にひとりの”ヒーロー”。日本のヒーローは、恥ずかしがり屋でちょっぴり自分に自信がない女の子。選ばれし存在である一方、普段の彼女はどこにでもいるような中学生。
「心」が重要なキーワードである通り、バトルなどの派手な活躍よりも”寄り添う”ことでなにかを守る、小さな灯りをともしていくようなシャイちゃんの活躍を応援したい型ヒーローマンガです。
出てくる人々誰も彼も人間味が強いぶん独特のウェットさも感じるんですが、ウェットだからこそ登場人物たちが「心から笑えた」ときの笑顔の晴れやかさもひとしお。
ヒーローたちがヒーローとして選ばれた理由、そもそもの使命の本当の意味など、謎に包まれた部分も多いのでこれからますます面白くなってくれることを期待しています。
『ジュニオール』灰谷音屋(秋田書店・全6巻)
どうして終わってしまったのか、新感覚高校サッカーマンガ。週チャン今年の個人的ベストぶっちぎりです。
画力、コマ割り…”新感覚”を表現するための確かな描写力、見せ方の妙があり、それは連載を重ねるごとに巧くなる一方で、と漫画の技術的なことには疎いわたくしが語るのも説得力に欠けますが…そう”感じさせる”力は確かに満ちていたと言いきれます。
そうして徐々に上がっていったボルテージが究極まで高まったのが、第48話でした。興奮の余りなにいってるかわからないポルトガル語まじりの五十嵐ジュニオールの懸命な訴えが、なにいってるかわからないままチームどころか読者まで引きずり込んでひとつにまとめてしまった。そんな場面がありました。
…それで51話が最終回なんだもの、納得いかない~!とはなりますよ…。
ただ『ジュニオール』完結後、ほぼ間髪入れずに週チャン誌上で発表された読切、短期連載作品もたいへん面白くて…特に格闘技マンガ『Jinx』はこのまま本連載に突入してほしいと願ってやみません。
それにしてもこの力量でこの『ジュニオール』が初の連載どころか初の雑誌掲載(たぶん)だったはずの灰谷先生、ホント何者なの???受賞歴を調べても月例賞の一回きりだし…。
『まじもじるるも 放課後の魔法中学生』渡辺航(講談社・全9巻)
『弱虫ペダル』の影に隠れつつ…『魔法中学生』は全9巻ですが『まじもじ』シリーズはトータルで連載期間12年、全20巻の長期連載となりました。本当にず~っとおもしろかった!
連載開始当初から向かっていたラストは『魔界編』で描かれつつ、その後の世界と描ききれなかった世界を同時に展開していたのが『魔法中学生』。魔界のシステム、魔王のルーツにまで迫りきった上で地上での生活にやさしくピリオドを打つ大団円ラストで大満足でした。
もう『まじもじるるも』が読めないのは寂しいですが、二度目の物語の完走を見届けられたことはファン冥利に尽きます。
アニメ完結編がOVAとして制作されたことも大変嬉しいことでしたが…生活上でのタイミングを逸しこちらは未視聴のままでございます…。生活を整えてきちんと視聴したい。
ちなみにいま『弱虫ペダル』MTB編もメッチャクチャ面白くって。渡辺先生の描かれる漫画がやっぱりだいすっき…。
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以上10作品でした。順位をきめるのは苦手なので順番にあまり意味はございません~。
読んでいる数はたぶんかなり少ない方なのですがそれでも悩むくらいには好きな漫画に出逢えて幸せです。
思ったより長くなってしまいましたが読んでくださってありがとうございました!気になる作品がありましたらチェックしていただけたら幸いです。
マイペースなブログですが2020年もよろしくお願いいたします。