サンデー、ジャンプ、チャンピオン、マガジン。
四大週刊少年マンガ誌の編集長が一堂に会する激ヤバトークイベントが開催されると聞きつけ、この度参加してまいりました。
こちらは「一般財団法人 出版文化産業振興財団(JPIC)」という団体が主催している『マンガ感想文コンクール』開催の特別イベント。
マンガ感想文コンクールが以前から開催されていたのは把握していましたが、小中高生が対象のイベントであるためあまり詳しくは存じ上げていませんでした。
今回のトークセッションは一般参加も募られていたため、ぜひ行きたい!!と息巻いて応募。しかし申込受付期間の延長があったり、当日の会場内もそこまで人が多くはなかったのでイベントの開催自体あまり広く知られていなかったのかな…と感じました。
少なくとも自分がチャンピオンを読み始めてから17年、このような形で4誌の編集長が集う機会は記憶になく大変貴重なイベントであったことは間違いありません。
そして実際参加して、少なくとも想像していた50倍は面白かったので自分なりに形に残すべく拙いながらレポートを書き残しておきます。
※かなりの長文です…。
(おことわり)
・録音・録画・撮影は一切禁止だったため、自分の記憶と猛烈に書きなぐったメモ書きを頼りに記しております。
発言内容を「そのまま」書いているわけではないということをご留意いただけますようお願い申し上げます。
極力発言から聞き取れた内容を湾曲させないよう記すことには努めておりますが、
当ブログをソースに『こんなことを言っていたらしい』等と切り抜いて広めるのはおやめください。
・内容についてはできるだけフラットな視点で描き残すことを心掛けていますが、自分はチャンピオン派であるため贔屓の部分はあるかと思います。ご了承いただければ幸いです。
場所は日本教育会館一ツ橋ホール、16時開演。
幕が上がると4誌編集長…少年サンデー編集長 大嶋一範氏、少年ジャンプ編集長 齊藤優氏、少年チャンピオン編集長 松山英生氏、少年マガジン編集長 川窪慎太郎氏と、司会進行を務められるちゃお 編集長の萩原綾乃氏がすでにステージ上に勢ぞろい。
トークイベントの前にはマンガ感想文コンクールの受賞者の方への表彰式が行われていたとのこと。
また、川窪編集長、萩原編集長のお二方はコンクールの最終審査員も務められていたとのことです。
先ずはそれぞれの編集長から、挨拶と印象に残った感想文作品についてのコメントがありました。
松山編集長の「受賞作品の中に弊社の作品の感想が無くて残念だったのですが…」という発言がちょっぴり切なかったです…。
(小中高生の皆さん!秋田書店のマンガ読んでね!)
一般入場者にも受賞作品集が配布されたのですが、小中高生の皆さん本当に文章がうまい…。
わたくしも感想文めいたものを時折綴っては発表している身として、勉強になります。
(※後に受賞作品はウェブでも公開されるようです)
前半のメインはコンクール参加者の皆さんからの質問への回答コーナー。
ということなので、おそらくほとんどが小中高生の皆さんから寄せられた質問ということですね。
若い世代が「マンガ雑誌の編集長にどんなことを聞きたいと思うか」も含めて興味深いコーナーになっていました。
「感想文を書くのは得意だったか。また、感想文を書くコツを教えてほしい」
松山編集長:苦手でした。かっこいいことを書こうとして、浅い感想を書いていた。
意味も解らない四字熟語や、体言止めなどを多用して無味無臭な感想を書いていた。
今書くなら、感情や経験を丁寧に書きます。
齊藤編集長:自分も苦手でした。先生が喜びそうな感想を書こうとしていた。
皆(コンクール応募作品)は自分が面白かったことを書こうとしていた。
大嶋編集長:得意でした。
感想文では課題図書のあらすじを聞きたいわけではなく、書き手のパーソナルな部分を見たいんです。
(受賞作品のひとつを例に挙げ)キャラクターと私、など書き手の人となりが見える感想が良い。
川窪編集長:僕も得意でした。
思ってもいないこと、大人が喜びそうなものを書くのが得意だった。
ただ、自分では得意だと思っていましたが、皆の作品を読んで大したことがなかったと知り、自分を恥じました。
松山編集長:苦手でした。かっこいいことを書こうとして、浅い感想を書いていた。
意味も解らない四字熟語や、体言止めなどを多用して無味無臭な感想を書いていた。
今書くなら、感情や経験を丁寧に書きます。
齊藤編集長:自分も苦手でした。先生が喜びそうな感想を書こうとしていた。
皆(コンクール応募作品)は自分が面白かったことを書こうとしていた。
大嶋編集長:得意でした。
感想文では課題図書のあらすじを聞きたいわけではなく、書き手のパーソナルな部分を見たいんです。
(受賞作品のひとつを例に挙げ)キャラクターと私、など書き手の人となりが見える感想が良い。
川窪編集長:僕も得意でした。
思ってもいないこと、大人が喜びそうなものを書くのが得意だった。
ただ、自分では得意だと思っていましたが、皆の作品を読んで大したことがなかったと知り、自分を恥じました。
苦手と得意で分かれましたが、全体的にコンクールの応募作のレベルの高さに対する賞賛の声が多かったです。
日本のマンガ界を牽引する各誌の編集長からこれだけ絶賛されたら受賞者の皆さんも嬉しいことでしょうね。
また、大嶋編集長の回答の後には斎藤編集長から、机上に置かれたフリーレンのぬいぐるみに対して「ズルい」とのツッコミが入りました。
何故か大嶋編集長だけがフリーレンぬいを連れてきてたんですよね…確かにズルいw
松山編集長もジョンとかフルットとかつれてくればよかったのに!!
「マンガの主人公のような編集長、編集者はいますか?」
川窪編集長:編集者ではありませんが、マンガ家でもいいでしょうか?
マガジン編集部には「ネーム室」というものがあり、連載を目指す人などがネーム作成するのに利用しています。
弊社で『どうぶつの国』という作品を連載していた雷句誠先生がそこで大事なシーンのネームを描いていて自分自身で大号泣してしまい、周りに居た人は”雷句先生の身に何かあったのか?”と心配したことがありました。
大嶋編集長:マンガのキャラクターのような…ではなく、逆ですが、弊社の『重版出来!』という作品には実際に小学館の編集者がモデルとなったキャラクターがいるので、読んでいただけるとリアルな編集者がたくさん出ています。
齊藤編集長:やはり編集者ではなくマンガ家の話ですが、『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生はルフィのように冬でもビーサンを履いていて、「ああ、ルフィみたいだなあ…」という感じです。
松山編集長:弊誌の前々編集長に沢考史というのがいるんですが…。
ルフィみたい、ではないですがマンガを愛しすぎてめちゃくちゃな人で。
好きすぎて、マンガ家さんとケンカして帰ってくるんですよ。
『グラップラー刃牙』の板垣恵介先生とも喧嘩して、駅前(?)で土下座して、板垣先生に「やめろ!土下座は暴力だ!!」と怒鳴られ、出禁になったけど何故かすぐ仲直りして…。
あと、部下の首を絞め、応戦した部下がライターで焼こうとしたりしていました。
その時の編集部員に話を聞いたら『もっといいライター買っておけばよかった』って言っていました。
そんな沢は『浦安鉄筋家族』の赤門進というキャラクターのモデルにもなっているのでぜひ読んでください。
川窪編集長:編集者ではありませんが、マンガ家でもいいでしょうか?
マガジン編集部には「ネーム室」というものがあり、連載を目指す人などがネーム作成するのに利用しています。
弊社で『どうぶつの国』という作品を連載していた雷句誠先生がそこで大事なシーンのネームを描いていて自分自身で大号泣してしまい、周りに居た人は”雷句先生の身に何かあったのか?”と心配したことがありました。
大嶋編集長:マンガのキャラクターのような…ではなく、逆ですが、弊社の『重版出来!』という作品には実際に小学館の編集者がモデルとなったキャラクターがいるので、読んでいただけるとリアルな編集者がたくさん出ています。
齊藤編集長:やはり編集者ではなくマンガ家の話ですが、『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生はルフィのように冬でもビーサンを履いていて、「ああ、ルフィみたいだなあ…」という感じです。
松山編集長:弊誌の前々編集長に沢考史というのがいるんですが…。
ルフィみたい、ではないですがマンガを愛しすぎてめちゃくちゃな人で。
好きすぎて、マンガ家さんとケンカして帰ってくるんですよ。
『グラップラー刃牙』の板垣恵介先生とも喧嘩して、駅前(?)で土下座して、板垣先生に「やめろ!土下座は暴力だ!!」と怒鳴られ、出禁になったけど何故かすぐ仲直りして…。
あと、部下の首を絞め、応戦した部下がライターで焼こうとしたりしていました。
その時の編集部員に話を聞いたら『もっといいライター買っておけばよかった』って言っていました。
そんな沢は『浦安鉄筋家族』の赤門進というキャラクターのモデルにもなっているのでぜひ読んでください。
あの…贔屓目とか一切抜きにチャンピオンだけエピソードが強すぎるんですが大丈夫ですか?
…小学生とか参加しているイベントなのに聞かせて大丈夫なの???
ここで沢様の新エピソードが摂取できるとは思っても見なかったのでこれだけでもマジで来てよかったです…(※筆者は沢元編集長の大ファンです)。
秋田書店がイメージを裏切らなさすぎて本当に助かる。
また、どちらかというと編集者さんよりマンガ家さんのエピソードが多かったですが、面白い作品・ヒット作を生み出す作家さんはやはり個性が強い方が多いのだなあという印象です。
また、進行を務める萩原編集長からは『ある日マンガみたいにトーストをくわえて出勤したら編集部で「主人公っぽいね!」って言われました!』というエピソードが披露され、秋田の話の後だからアレだけどこの方もかなり面白いな…と内心思いました。
「お互いの雑誌へのライバル心、負けたくないところは?」
松山編集長:(実際の仲を聞かれ)すっごく仲悪いです(一同笑)。
三誌のカッコいいマンガの逆張りというか…根性、泥臭いマンガ。
これを計算してやっているわけじゃなく、それしかできない。
齊藤編集長:バッチバチでやってます(一同、また笑)。
特に(他誌で)新連載が始まったときにはチェックします。
ときには「やられた」と悔しく思ったりもする。
(イベント前に楽屋で挨拶したときは)握手しながら足では蹴り合ってました!
大嶋編集長:「愛と勇気の少年サンデー」を掲げている。
コナンなど、誰が読んでも楽しい作品、子どもが読んでも親が安心できる作品を作っています。
グラビアページも、女の子からの支持も高いです。
川窪編集長:ちょっとこの、(4誌のタイトルが書かれている)順番が許せないですよね…。
(※マガジンが最後なのは「50音順です」という萩原編集長からのツッコミ有り)
自分もマンガが大好きですし、どの雑誌も子どものころ欠かさず読んでいました。
ただ、(自誌が擁する)マンガ家の皆さんがNo.1を目指して描いているので、それに報いたい。
松山編集長:(実際の仲を聞かれ)すっごく仲悪いです(一同笑)。
三誌のカッコいいマンガの逆張りというか…根性、泥臭いマンガ。
これを計算してやっているわけじゃなく、それしかできない。
齊藤編集長:バッチバチでやってます(一同、また笑)。
特に(他誌で)新連載が始まったときにはチェックします。
ときには「やられた」と悔しく思ったりもする。
(イベント前に楽屋で挨拶したときは)握手しながら足では蹴り合ってました!
大嶋編集長:「愛と勇気の少年サンデー」を掲げている。
コナンなど、誰が読んでも楽しい作品、子どもが読んでも親が安心できる作品を作っています。
グラビアページも、女の子からの支持も高いです。
川窪編集長:ちょっとこの、(4誌のタイトルが書かれている)順番が許せないですよね…。
(※マガジンが最後なのは「50音順です」という萩原編集長からのツッコミ有り)
自分もマンガが大好きですし、どの雑誌も子どものころ欠かさず読んでいました。
ただ、(自誌が擁する)マンガ家の皆さんがNo.1を目指して描いているので、それに報いたい。
過剰な仲悪アピールが面白かったですね!!
サンデーは表紙を見ていても、確かにグラビア表紙も清潔感というか、爽やかさがあって好感が持てるとはたから見ていても感じます。
「それぞれの雑誌で注目してほしい、読むべきマンガ。これだ!というマンガ」
川窪編集長:はじまったばかりの『生きたがりの人狼(ワーウルフ)』。
今からなら本屋さんに行って本誌を買えばすぐ読めます。
大嶋編集長:マガジンさんとは違ってもう長く連載している作品ですが『龍と苺』。
日本で一番ドキドキする週刊連載です。200話以上連載していますが、サンデーうぇぶりで1日4話ずつ読めます。
齊藤編集長:現在アニメが放送中の『アオのハコ』『SAKAMOTO DAYS』やこれからアニメが始まる『ウィッチウォッチ』。
アニメ化していない作品では『カグラバチ』は1話開始時から、世界中で大きな反響がありました。
『魔男のイチ』も今から読んでおくと、後で大きな作品になったときに後方彼氏面できると思いますよ。
松山編集長:『MOGAKU』という競輪マンガ。弊社の新人マンガ賞で大賞を獲った幼なじみ二人組の作家さんが描いています。
情熱、泥臭さが詰まっている。技術よりも、「伝えることの上手さ」。
このご時世に泥臭い、チャンピオンのメッセージが託されている作品です。
川窪編集長:はじまったばかりの『生きたがりの人狼(ワーウルフ)』。
今からなら本屋さんに行って本誌を買えばすぐ読めます。
大嶋編集長:マガジンさんとは違ってもう長く連載している作品ですが『龍と苺』。
日本で一番ドキドキする週刊連載です。200話以上連載していますが、サンデーうぇぶりで1日4話ずつ読めます。
齊藤編集長:現在アニメが放送中の『アオのハコ』『SAKAMOTO DAYS』やこれからアニメが始まる『ウィッチウォッチ』。
アニメ化していない作品では『カグラバチ』は1話開始時から、世界中で大きな反響がありました。
『魔男のイチ』も今から読んでおくと、後で大きな作品になったときに後方彼氏面できると思いますよ。
松山編集長:『MOGAKU』という競輪マンガ。弊社の新人マンガ賞で大賞を獲った幼なじみ二人組の作家さんが描いています。
情熱、泥臭さが詰まっている。技術よりも、「伝えることの上手さ」。
このご時世に泥臭い、チャンピオンのメッセージが託されている作品です。
やはりジャンプが持ってるカードの豊富さ、強さを感じますね…。
新連載で本誌に誘導したり、アプリで追いつけるよ!という宣伝も含めたアピールもニクいところ。
チャンピオン読者としては『MOGAKU』の期待値の高さに嬉しくなりました。読者としても、すごくチャンピオン濃度が高い作品だと感じているので!
ここで前半が終了し、約10分の休憩。
休憩時間中、ステージ上のモニターにはマンガの著作権と海賊版に関するVTRが流れていました。
こういった問題について、学生さんたちにも伝えていくのは大切なことですね。
また、無人のステージでは机からフリーレンぬいが転げ落ちてしまい、どなたかが慌てて拾いに行くという微笑ましい(?)ワンシーンもありました。
後半の冒頭では改めて編集長それぞれの経歴の紹介からスタート。
大嶋編集長は以前はコロコロ編集部に在籍しておられ、12年前にサンデー編集部に移籍。『名探偵コナン』などを担当されてきたとのこと。
齊藤編集長はこれまでずっとほぼジャンプ編集部に在籍しており、様々な作品の終わりとはじまりを見て来たそうです。
松山編集長は他出版社から2008年秋田書店に入社。
『囚人リク』『BEASTARS』『空が灰色だから』などの作品を担当し、暫く別冊少年チャンピオンの編集部を務められていましたが2023年に週刊の編集部に戻り、編集長に就任されました。
川窪編集長は2006年に講談社に入社し、マガジン編集部に19年在籍。
最後に『ONE PIECE、名探偵コナン、グラップラー刃牙などの作品を立ち上げたのは僕です。・・・嘘です』
という小ボケをかまされていました。
後半は、事前に募られた質問への回答がメイン。
(一般参加の申し込み時に答えてもらいたい質問を記入する欄がありました)
「自分が担当した作品の中で、もっとも面白い作品」
川窪編集長:『課長令嬢』っていう作品があるんですが…やめます。
初めて自分が立ち上げた作品で思い入れがあるんですよね。
『進撃の巨人』は結構(?)面白いと思います。
諌山先生は(編集者視点で)「コスパが高い」。
企画などに対して、「やりたくない」と言ったことがない。作品が面白いだけでなく、人間性がすごいんです。
大嶋編集長:『名探偵コナン』で新一くんと蘭ちゃんの出逢いを描いた回を担当しました。
エピソード0的な、コナンのはじまりの話に関われて印象に残っています。このエピソードは青山先生ご自身もお気に入りです。
齊藤編集長:『山羊座の友人』という乙一先生の短編小説に死ぬほど感動して、コミカライズしたいと思っていたが、少年ジャンプの層とは合わないと感じていた。
しかし2014年にジャンプ+が出来てここでなら出来ると思い、マンガ家のミヨカワ将先生に原作を読んでもらい、「この小説を世界一面白くコミカライズできるのはあなただ」と口説き落とし描いてもらった。
小説のコミカライズとして完璧な作品だと思います。
松山編集長:『BEASTARS』の板垣巴留先生は連載としては初めての若い作家さんだったが、上がってくるネームが文句のつけようがないくらい面白かった。
編集は「もっとこうした方が面白い」と作家さんと共に考えたり、言ったりする仕事のはずが直すところがないので「面白いっすねー!!」と言う仕事になってしまった。
他の作品もすべて一番面白いと思っているが、天才的な作家さんと仕事をしてさまざまな賞を総なめにする「波」を体験させてもらった。
川窪編集長:『課長令嬢』っていう作品があるんですが…やめます。
初めて自分が立ち上げた作品で思い入れがあるんですよね。
『進撃の巨人』は結構(?)面白いと思います。
諌山先生は(編集者視点で)「コスパが高い」。
企画などに対して、「やりたくない」と言ったことがない。作品が面白いだけでなく、人間性がすごいんです。
大嶋編集長:『名探偵コナン』で新一くんと蘭ちゃんの出逢いを描いた回を担当しました。
エピソード0的な、コナンのはじまりの話に関われて印象に残っています。このエピソードは青山先生ご自身もお気に入りです。
齊藤編集長:『山羊座の友人』という乙一先生の短編小説に死ぬほど感動して、コミカライズしたいと思っていたが、少年ジャンプの層とは合わないと感じていた。
しかし2014年にジャンプ+が出来てここでなら出来ると思い、マンガ家のミヨカワ将先生に原作を読んでもらい、「この小説を世界一面白くコミカライズできるのはあなただ」と口説き落とし描いてもらった。
小説のコミカライズとして完璧な作品だと思います。
松山編集長:『BEASTARS』の板垣巴留先生は連載としては初めての若い作家さんだったが、上がってくるネームが文句のつけようがないくらい面白かった。
編集は「もっとこうした方が面白い」と作家さんと共に考えたり、言ったりする仕事のはずが直すところがないので「面白いっすねー!!」と言う仕事になってしまった。
他の作品もすべて一番面白いと思っているが、天才的な作家さんと仕事をしてさまざまな賞を総なめにする「波」を体験させてもらった。
川窪編集長からの流れで萩原編集長から「火をつけたとかいう話と違って感動しました!!」というコメントが入りチャンピオンめちゃくちゃいじられるじゃん!!と思いましたが、松山編集長のお話もいい話でしたね!!
『山羊座の友人』は第一話をジャンプラで読んでみましたが気になる作品だったので続きも購入してみたいと思いました。
『課長令嬢』もなんか気になってしまいますね。(大嶋編集長も『課長令嬢』の話聞きたかったですと仰っていました)
こういった機会はどうしてもヒット作の話題が中心になってしまいますがニッチな作品の思い出話ももっと聞きたいですね。
「自分が編集長になってから変えた部分」
齊藤編集長:編集長だからといって、出来ることは少ない。
作家さんと直接打ち合わせする担当編集の頑張りが主役。
編集長である自分が言っても大きく変わることは少なく、話を聞いてOKを出すのが主な仕事です。
川窪編集長:自分の前の編集長は酒癖以外は立派な人でした。
自分は短気で、(周りにとって)怖い編集長だと思っているので、前編集長の話しかけたときに常に笑顔で返事をするところを見習いたいと思っている。
編集長のところにはありとあらゆる相談事が上がってくるので、自分も忙しいがなるべく笑顔で、テンション高く受け答えするようにしている。
(流れで、お酒は飲むのかとの問いに)
川窪編集長:自分は飲まないです。
松山編集長:お酒を飲む量がスポーツなら、自分はアスリートレベルだと思います。
大嶋編集長:チャンピオンさんがアスリートなら、自分は地方大会くらいですね。
齊藤編集長:編集長だからといって、出来ることは少ない。
作家さんと直接打ち合わせする担当編集の頑張りが主役。
編集長である自分が言っても大きく変わることは少なく、話を聞いてOKを出すのが主な仕事です。
川窪編集長:自分の前の編集長は酒癖以外は立派な人でした。
自分は短気で、(周りにとって)怖い編集長だと思っているので、前編集長の話しかけたときに常に笑顔で返事をするところを見習いたいと思っている。
編集長のところにはありとあらゆる相談事が上がってくるので、自分も忙しいがなるべく笑顔で、テンション高く受け答えするようにしている。
(流れで、お酒は飲むのかとの問いに)
川窪編集長:自分は飲まないです。
松山編集長:お酒を飲む量がスポーツなら、自分はアスリートレベルだと思います。
大嶋編集長:チャンピオンさんがアスリートなら、自分は地方大会くらいですね。
読者的には編集長が変わると雑誌のカラーも変わるなと思っていますが、編集長個人で独断しているわけではないということですね。
途中からお酒の話になっていますが…(松山編集長の発言に爆笑していたら齊藤編集長のお話を失念しました、確か飲まない方だったかな?と記憶していますが間違っていたらすみません)
「ヒット作を作るにはどうすればいいか」
松山編集長:この質問は、他の3誌の方が…。
まず失敗を恐れないこと。成功しなかった例を皆が持っている。
作らなければヒットしない。まずは打席に立つことです。
大嶋編集長:皆が知っている、既存の物を新しく捉えなおすのがヒットの要因、いつもそういう話をしているが、話していて『ブルーロック』のことじゃないかと気づいた。
マガジンさんにしてやられた部分です。
松山編集長:この質問は、他の3誌の方が…。
まず失敗を恐れないこと。成功しなかった例を皆が持っている。
作らなければヒットしない。まずは打席に立つことです。
大嶋編集長:皆が知っている、既存の物を新しく捉えなおすのがヒットの要因、いつもそういう話をしているが、話していて『ブルーロック』のことじゃないかと気づいた。
マガジンさんにしてやられた部分です。
松山編集長の自虐的笑いが涙をさそいますが、お話自体は良い話です(こういう話は、マンガ作りだけに限りませんね)。
良い話すぎて、萩原編集長にも「(逆に)どうしたらいいんだろう」と突っ込まれていました。チャンピオンいじられすぎじゃない?!
まあ最初のうちにライターの話とかしちゃったからしょうがないですけど!
「ジャンプで西修先生原作の『魔男のイチ』が始まることについて、西修先生が『魔入りました!入間くん』を連載しているチャンピオン側とは事前に話し合いなどはあったのでしょうか?」
松山編集長:これはもう、殺し合いしたいですよね。
ジャンプで原作をやると聞き、びっくりして止めたかったが、作家さんが決めることなので「破談しろ」と心底祈りました。
齊藤編集長:西先生側から、チャンピオン編集部と話はしたと聞いていたんですが…。
『入間くん』の連載をやめたわけではないので、むしろWin-Winじゃないですか?、でも今、松山さんの目が見れないですが…
先ずは何よりも西先生がすごい。
松山編集長:「弱いものいじめはダメ」って僕は子どものころ、ジャンプさんのマンガで教わったんですけどねえ…。
齊藤編集長:ちょっと、その話あとでね(笑)!
松山編集長:これはもう、殺し合いしたいですよね。
ジャンプで原作をやると聞き、びっくりして止めたかったが、作家さんが決めることなので「破談しろ」と心底祈りました。
齊藤編集長:西先生側から、チャンピオン編集部と話はしたと聞いていたんですが…。
『入間くん』の連載をやめたわけではないので、むしろWin-Winじゃないですか?、でも今、松山さんの目が見れないですが…
先ずは何よりも西先生がすごい。
松山編集長:「弱いものいじめはダメ」って僕は子どものころ、ジャンプさんのマンガで教わったんですけどねえ…。
齊藤編集長:ちょっと、その話あとでね(笑)!
何も証明するものはありませんが、この質問は筆者が事前に送ったものでした…。
やはり、かなり大きな事件(チャンピオン的にというより、週刊少年誌業界的に)だったと思いますし、両誌としてはどういう認識なのか聞きたかったので採用されてかなり嬉しいです。両編集長に感謝…!
四大と謳われつつもパワーバランスではやはりジャンプが最強、チャンピオンは何とか食らいつきたいという関係性になっていると思うので松山編集長の赤裸々な想いの丈も聞けたのは読者としては嬉しいところです。
ただ、西先生は元はといえばジャンプSQ.の御出身でもあり、ジャンプにも強い思い入れを抱いていらして当たり前かもしれません。
最終的には作家さん側のご意志と才能を尊重することになっているのは素晴らしいと思います。
「作品作りについてどれくらいアイディアを出しているか」
川窪編集長:ストーリー面等においても、作家さんとの二人三脚が多い。
編集側からの提案も多く、プロットっぽい物を作家さんに提案することもある。
ネームについての意見交換は8時間、10時間行うこともあります。
大嶋編集長:『ハヤテのごとく!』『BE BLUES』『銀の匙』などを担当した編集のやり方で、雑談の引き出しを多く持ち、作家さんが反応したところを拾い、広げていく。
川窪編集長:ストーリー面等においても、作家さんとの二人三脚が多い。
編集側からの提案も多く、プロットっぽい物を作家さんに提案することもある。
ネームについての意見交換は8時間、10時間行うこともあります。
大嶋編集長:『ハヤテのごとく!』『BE BLUES』『銀の匙』などを担当した編集のやり方で、雑談の引き出しを多く持ち、作家さんが反応したところを拾い、広げていく。
マガジン、サンデーの両誌でずいぶんとやり方が違いますね。
(ジャンプ、チャンピオンの話も聞きたかった…)
あらためて、マンガ家さんと編集者さんの関係、仕事というのもあまり他にはない独特なものだと感じます。
「今後マンガ界にはこうなってほしい」
川窪編集長:いま自分は42歳、あと15年活性化させていきたいが後は若いみんなにお任せしたい。
自分が子どものころは「マンガなんて…」と言われてて、今よりも地位の低いものだった。
今は、マンガ家さんが子どもの頃「マンガ家になりたい」と言っても親に怒られたりせず、応援されたというケースも増えてきた。
しかし逆にマンガの地位が上がりすぎているのではないかとも感じている。
テレビなどを観ても、「このマンガを読むと頭が良くなる」「心が豊かになる」等…。
このままでは娯楽であるマンガが必要以上に難しい物になってしまう。頭がいい人しか読めなくなってしまう。
あくまでも「たかがマンガ」、どこまで行ってもエンターテインメントであるという姿勢をキープすることで、発展につながるのではないかと思う。
大嶋編集長:サンデーが一番強くなるのが理想です(笑)。
自分がマンガ好きで編集者を目指したということもあり、今後もこの業界にいっぱい人が入ってきて、自分がおじいちゃんになる頃に面白いマンガがたくさんあってほしい。
齊藤編集長:先ほどVTRも流れていましたが、海賊版を撲滅したい。
世界規模の被害が出ていて、苦労して描いた作家に収入が入らない。
努力した人に対価が入らないと業界は衰退していきます。
海賊版は”駆逐”したいです。
松山編集長:以前、フランスのマンガ編集者に言われたのが「日本のマンガは世界最高」という言葉。
週刊マンガ誌というものは、日本でしか作れない。
偉大な先人の作家たちの作品を読み、(身の回りに週刊マンガ誌がある環境が当たり前にあることで)目指す人が普通に目指すことが出来る。
この環境は油断したら一撃で無くなってしまう。
若い人たちが「面白い」と思ってどんどん入ってきてくれたら続けることが出来る。
皆、こっち(マンガ業界)に来てください。
川窪編集長:いま自分は42歳、あと15年活性化させていきたいが後は若いみんなにお任せしたい。
自分が子どものころは「マンガなんて…」と言われてて、今よりも地位の低いものだった。
今は、マンガ家さんが子どもの頃「マンガ家になりたい」と言っても親に怒られたりせず、応援されたというケースも増えてきた。
しかし逆にマンガの地位が上がりすぎているのではないかとも感じている。
テレビなどを観ても、「このマンガを読むと頭が良くなる」「心が豊かになる」等…。
このままでは娯楽であるマンガが必要以上に難しい物になってしまう。頭がいい人しか読めなくなってしまう。
あくまでも「たかがマンガ」、どこまで行ってもエンターテインメントであるという姿勢をキープすることで、発展につながるのではないかと思う。
大嶋編集長:サンデーが一番強くなるのが理想です(笑)。
自分がマンガ好きで編集者を目指したということもあり、今後もこの業界にいっぱい人が入ってきて、自分がおじいちゃんになる頃に面白いマンガがたくさんあってほしい。
齊藤編集長:先ほどVTRも流れていましたが、海賊版を撲滅したい。
世界規模の被害が出ていて、苦労して描いた作家に収入が入らない。
努力した人に対価が入らないと業界は衰退していきます。
海賊版は”駆逐”したいです。
松山編集長:以前、フランスのマンガ編集者に言われたのが「日本のマンガは世界最高」という言葉。
週刊マンガ誌というものは、日本でしか作れない。
偉大な先人の作家たちの作品を読み、(身の回りに週刊マンガ誌がある環境が当たり前にあることで)目指す人が普通に目指すことが出来る。
この環境は油断したら一撃で無くなってしまう。
若い人たちが「面白い」と思ってどんどん入ってきてくれたら続けることが出来る。
皆、こっち(マンガ業界)に来てください。
それぞれの切り口ですが、どれも熱いメッセージだと感じました。
川窪編集長が仰る、マンガの地位が上がりすぎているのでは…という危惧は個人的に共感できる部分でした。
昔と比べて、マンガなんてくだらないとはなかなか言われない、もちろん大人が読んでもいい…そんな環境が整ってきたこと自体は喜ばしいことです。そもそも、今回のような「マンガ感想文」のコンクールがこんなにも大規模で行われること自体、昔では考えられませんし。
ですが必要以上に崇高なものとして扱うよりも、マンガ自体はもっと気軽なもの、誰にでも楽しめるというものであってほしいと願います。
以上でイベント内の質問は終了。
イベント本編は約1時間で、進行が押してしまったとのことで当初予定されていたという来場者から質問を受け付けるコーナーや、各編集長が相手を指名して質問をし、それに絶対に答えなければいけない…というコーナーがカットされてしまいました。残念!!
誰が誰を指名して何を聞くのか、かなり興味あります…どこか何かの形で延長戦してくれませんかね…?
また、質問が採用された来場者に贈られる予定だった各編集部からのお宝プレゼントが入った福袋は、終了後にお子さんの中から抽選でプレゼントということになったそうでそれはそれがいい、と納得しました。
(ただ、それぞれの編集部から何が入っていたのかはちょっと気になりますね…)
4誌編集長、それぞれ個性的で同じ質問に対してもまったく違った答えが返ってくるのが面白い一方で、全員が本当にマンガを愛しているということが伝わってくるすばらしいイベントでした。
未来ある少年少女たちにも、マンガ業界に興味を持ってもらえる内容だったのではないかなと思います!
また、萩原編集長の司会進行も上手く、楽しくお話を聞くことが出来ました。こういった(トーク系の)イベントに慣れていらっしゃるのでしょうか?
チャンピオン読者的には、もう色んな意味で期待を裏切らないチャンピオンらしさが直撃で本ッ当に来てよかったです…!
自分がチャンピオンに惹かれるように、作品や誌面の方向性で各雑誌に興味を持つ人々が増えることでまた各雑誌が切磋琢磨し合い、業界が盛り上がっていくのではないかなと感じました。
大変貴重な機会に参加出来て本当によかったです。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
この記事だけをたまたま目にするチャンピオン読者以外の方ももしかしたらいらっしゃるかもしれないので、最近のチャンピオンで個人的推しの記事も貼っておきます。